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「緋色の弾丸」での子供たちの振舞いと園子の大人としての振舞い 

コナン映画24作目「緋色の弾丸」を見たので感想を書いていきます!
と思ったんですが、正直エンタメものとしてかなりまっとうな作品で
いつもみたいに、突っ込みどころが少ないんですよね。

いつもみたいなハチャメチャアクションはあるし、
声優さんもアホみたいに豪華だし、
赤井さんかっこいいし
言うことないんですが

しかし、2つだけ言わせてほしい部分がありました。


少年探偵団の横暴さについて

これは冒頭のシーンですね。WSGという世界的なスポーツの祭典の開会が発表され、同時に超電導リニアライナーに一般のお客さんも乗車する権利を手に入れられるということが分かり喜ぶシーン。
この乗車の権利が分かり少年探偵団はがっかりするのですが、そこで光彦が一言。
光彦「鈴木財閥の傘下の会社が、WSGのスポンサーだったはず!」
歩美「そっか!園子お姉さんに頼めばいいんだ!」

良い訳ないだろ。馬鹿か。
いくら園子さんが権力をもっている会社の人間でも、知り合いを特権で乗車させるとかやりすぎだし、迷惑かかるだろ。
それを、恥ずかしげもなく頼もうとする行為は本当に下劣だし、品性を疑う。
子どもだからと言って、やっていいことと悪いことがあるし、自分の私利私欲のために他人を利用とするなんて、あまりにも悪辣すぎる。
自覚がないのもやばい。

そのあとのシーンで、それを聞いた園子さんが彼らを注意します。
「そんなプラチナチケット。簡単に手に入るわけないでしょ。世の中甘くないんだから」
とあまりにも正しいことを言ってくれます。財閥の令嬢でありながら、世の中の厳しさも理解している。価値観が正常すぎる。

しかし、後ろにいた園子の両親が
「知り合いに頼んでみようか」
「子供たちの分なら」
とか言い始めます。

いやだから、権力や伝手があるからと言って、それを考えもなしに使いだすのはだめでしょ。
上に立つものだからこそ、そういう権力の使いどころをしっかり見極めないと、とんでもないことになると知っているはずなのに。
この両親から園子さんが生まれたのが信じられない。

そしてすぐに、園子さんが「子供たちを甘やかさないで」と正しすぎることを言ってくれますが、

子どもたちは
光彦「口を挟まないでください」
歩美「いいところだったのに」
元太「邪魔すんなよな」
と吐き捨てる始末。

あまりにも身勝手な態度。子供だからといってこの言動は目に余ります。
しかし、園子さんはそんな子供たちに、世の中の厳しさを教えてくれます。
失礼な態度に怒るわけではなく、「このパーティに来られるだけでも感謝しなさい」と言える彼女は出来た人です。

以前の「業火の向日葵」の感想で、子供たちの横暴な態度に対して、怒りを覚えた私ですが、今回でその態度が周囲の大人たちによって形成されたものだと感じて仕方がありません。
彼らの横暴な態度や欲望をそのまま口にしてしまうことを、誰一人咎めず、ましてやその願望をかなえてしまうことで、彼らが増長する原因となったと感じました。
ある意味で園子さんが、彼らを色んな所に連れて行っているのもその一因になっていそうですが。
それを理解したのか、ちゃんと少年探偵団に注意してくれる園子さんという存在は今となっては貴重です。

園子さんがあまりにも聖人すぎる

そしてもう一つ言いたいこと。
というかさっきの件に付随してのことですが。
園子さんがあまりにも優しすぎるということ。

自分の父を助けてくれたお礼に、仮面ヤイバ―グッズをプレゼントし、
更に超電導リニアのチケットもプレゼントしてくれます。
彼らが罪悪感を感じにくいように(そこまでの情緒が育っているかは別として)、博士のクイズを利用してチケットを渡すという。

あまりにも人格が出来すぎている。
「簡単に手に入るわけではない」と言いながら、父の命を救ってくれた少年探偵団にチケットを譲ってくれる。
あまりにも聖人すぎます。

この後も興味ない仮面ヤイバ―のイベントに子守でついて行ったりと面倒見のいい様子を見せてくれます。
もうほんとね、園子さんあまりにも神。

この映画、いろいろあって何を語ろうかって感じだったけど
この園子さんの件が一番頭に残りました。

最後に

この映画の一つ前が、「紺青の拳」なので、想い人が出来たことで
彼女の中で余裕のようなものができたのかも。
以前のようなお金持ちのお嬢様ではなく、気品と常識を兼ね備えた女性という印象になりました。

以上です。

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