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尾羽



自分の声で身体は
思い出す、
カードの屋根が
斜めに切り込んでいる鼓動の空を
支える
柱の光と
影を縫うように、泳いでいたこと
 
スープの焚き付けに
選ばれる
枯れた ひとたばの
音符が、重ねた冬の序奏に潜り込んで
未来の
頬を染める炎と
渡る、
果てのない
空のように
あなたの
喉の高さを黙って
見上げられる場所で覚えた
 
直線から生まれる丸い
折り紙の
立体を
静かに
膨らませるような息の音に、
つないで
乗せる
あわい声の先
 
少し走ろうか、と
雨をよけていた
流星が
軒下から駆けて行く
背中を
見送ってきた眼で掬いとる
 
雪になる
街に響く何度かの
まばたきで生き残る






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眠れない夜に

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