白妙
詩人になる
巡り巡って、
丸い街灯に
散った飛沫は光にも、雫にも、火の粉にも、
花弁にもなるいのち、石造りの博物館が青白く
闇へ伸びて行く街角で、あなたに
束ねられた夜を言い訳にして書かなかった
言葉も、
書いた言葉も、
どこかの
画面や、だれかの手の中では
見えなくなる、
空白の、行間の
白に散った 白みたい、本当は、本当に
なにもなかったかのように
記された夜の
刻まれた起伏、飛沫の凹凸から
流れるように引き抜いた
燃える羽の白、永遠に
生きるような視点で話していた日が
あったことを思い出す真空、この
手の中にあるの、気づかれないまま、
録音されて回り続ける声を
信じて目指す街のように、ここから
人影は見えない
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