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銀葉



染める灰
香りを
乗せて、今日も
 
海沿いの
街に春の
雪が降ったと聞きました、
遠い
希望のように凍らせて花束
 
砕けた花びらを溶けるまで抱いた
胸に散る色を
きれいだと言う、人も
傷つけられると知っている 君の血は、
背を向けてインクの
においが消えないページをめくり続けた
あの夜たちが 大切なものだったと
まだ知らない手の中で反射して
届く、今日の僕は泣いた
 
こちらでは
小さな蜂たちがサクラの蜜を集めています
 
鴨たちの間では、池の岸から
真っすぐに泳ぐレースが流行ってるみたい、
合図もなしに 通じて、
光る みなもを切って行く
可愛い絵本になる、
赤く
春の、底で
両手をひらいて






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眠れない夜に

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