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金銭感覚

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お金は上手につかいたい。不定期更新。
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#コラム

お金で得られるもの

借金地獄もそうだが、お金に関する言葉にはネガティブなイメージをまとうものが多い。金の亡者、金に溺れる、拝金主義、成金趣味、などなど。 実際のところ、お金には何の罪もない。 なりふり構わずにお金を欲しがる人の姿がお金の印象を悪くしている。しかし、金の亡者が本当に欲しいのはお金ではなく、お金で得られる何かである。それはグルメだったり、衣服やアクセサリーだったり、あるいはお金持ちという形のないステータスかもしれない。 お金は依存を媒介する。僕が毎日ご飯を食べられるのはどこかの

2022年の買って良かったもの

年を経るにつれて終活とまではいかなくても家に物を増やしたくない気持ちは強まっていく。買い物をするときは熟考した上で厳選して結局買わないことが多いのだが、昨年末に買った湿度計がとても有能で満足している。 タニタ 温湿度計 TT-580 WH これも加齢の影響なのか、とにかく冬場の乾燥がきつい。皮膚の痒みは掻けば掻くほど痒くなる。苦痛レベルとしては痛みより痒みのほうが上なのではないかとさえ思える。で、乾燥対策をするにあたって、まずは現状を把握するためにこの湿度計を購入したのだ

安全マージン

わりと最近までクレジットカードを持たずに生きてきた。借金してまで急いで買いたいものがないからだ。お金を借りるということは返済義務を負うということ。それはまさしくカード会社との依存関係にほかならない。ここ数回の記事で書いているように依存は極力減らしたい。 プロバイダとの契約に必要だから仕方なくカードを作ったが、分割払いを利用する気はまったくない。一生使わないと思う。利息を払って自分の未来を拘束されるなんて馬鹿げている。リボ払いに至っては返済を長引かせたいカード会社の魂胆が見え

手のひらの上で

前回からの続き 昔、祖母に連れられてよくパチンコ店に行っていた。18歳未満でも保護者同伴なら大丈夫と祖母は言っていたが、いま調べてみたら普通にアウトだった。一球ずつ指でレバーを弾くタイプの台で、子供心に楽しかった記憶がある。出玉で交換したビスコも大好きだった。 時代は変わって、パチンコ台は手打ちから電動式ハンドルになり、僕は大人になった。慈善事業でない限り、企業は利益を最大化しようとする。そうあるべきだと理解できる年齢になった。 店側が儲かるように出来ている。パチンコ業

お金持ちごっこ

貧乏は嫌だ。貧しくて乏しくて常に何かが足りないという状況では行動が著しく制限される。お金がなければ遊ぶ間も惜しんで働かなければならない。その状態は不足が解消するまで続く。早く脱したいと考えるのは当然だろう。 貧乏くさいのが嫌だという感情はそれとはまったく違う。こちらは完全に気持ちの問題である。実害はほぼない。なのに何故か貧乏よりも嫌われているようにさえ見える。 貧乏くさい例として以下のような行動が挙げられる。 買い物でポイントをちまちま貯める ご自由にお取りくださいを

食べて応援

被災地などで採れた野菜を積極的に食べることで現地の人たちを応援しようという動きがある。それで救われる人がいるなら結構なことだと思う。主旨がブレるので今回は放射能とか風評被害については言及しない。 「食べて応援」という表現にさっそく欺瞞がある。食べるにはまず買わないといけない。そして、この場合の応援は紛れもなく金銭的援助を指す。つまり一から十までお金の話なのだが、それを前面に出すと反感を買うから隠している。詐欺師みたいな巧妙なやり口に惚れ惚れする。 この慈愛に満ちた言葉で人

水でいいです

「お飲み物は?」と聞かれるような店に誰かと出かける状況がないわけだが、それでも想定してみるならやはり「水でいいです」と言っちゃうかな。万が一、そういう状況になったら気をつけます。勉強になりました。 かくして建前上は無難な飲み物を注文するだろう。しかし、本心では納得していない。誰かと揉めるつもりもないが、 欲しくないものを買わされた という事実は揺らがない。食事に飲み物を合わせる習慣がないのだ。あんぱんと牛乳みたいな美味しい組み合わせもあるが、基本的に食べ物と飲み物は別々

タダほど安いものはない

浜田麻里さんの歌声が好きで新しいアルバムが出るたびにCDを買っていた。今回は少しためらっている。 YouTubeで聴けてしまうからだ。冒頭だけ視聴できるとか、収録曲の一部だけが聴けるとかいう話ではない。全11曲がフルで聴ける。誰かが公式を騙って違法アップロードしたものが奇跡的に見過ごされているのでなければ、公式があえて公開しているのだろう。 僕は歌が聴ければそれでいい。物理的な所有欲があまりなく、家のスペースを占有してまでCDやパッケージを手元に置きたいと思わない。初回特

終わりの予感

リネージュ2 レボリューションというスマホゲームを6年前のサービス開始当初から長く遊んでいる。課金には一切手を出していない。 二つの陣営が相手の陣地を占拠する要塞戦が主なコンテンツで、人間同士がお互いに育てたキャラクターで戦う、いわゆるPvP(Player vs Player)である。また、課金要素がキャラクターの強さに大きく影響するP2W(Pay to Win)でもある。 P2Wにお金を注ぎ込むつもりは最初から全然なくて、 無課金でどこまで遊ばせてくれるのか お手並み

ステルス値上げ

バレるとわかっていたら誰も嘘なんてつかない。勝算があるから嘘をつくのだ。つまり、相手のことを下に見ている。こいつなら騙せるはずだ、と。 たまにカントリーマアムを食べるとその小ささに驚く。それでも美味しいから二つ目に手を伸ばすとあらためてその小ささに驚く。何度でも驚きが味わえる。過去のCM映像を見ると僕のイメージは1985年あたりで固定されているようだ。 べつに怒ってはいない。原材料費や人件費等のコストとの兼ね合いもあるだろう。もっと単純かつ直接的に利益率を上げたいのでも構

含み損なう

日経平均株価が33年ぶりの高値だそうだ。完全に想定外だった。二ヶ月ちょっと前に買った日経ダブルインバースが昨日の終値時点で-35%の含み損を生んでいる。15年前の僕ならとっくに手放しているが、今はまだ損切りしていない。 2008年のリーマンショックを経験している。100年に一度の金融危機を株式投資歴1年目で喰らう羽目になった。1200万円が跡形もなく溶けて消えた。高い授業料だったがいくつかの教訓は得られた。 ちなみにネットの儲け話は基本的に信用していないため、いずれも独自

お金のためなら何をしてもいいと本気で思ってるの?

ファイナルファンタジータクティクスアドバンスで主人公の誰かが敵キャラに対して言ったセリフ。たしかメインシナリオではなく、ちょっとしたサブシナリオの中で無造作に放たれた言葉だったと思う。記憶頼りなので文言や状況は正確ではないかもしれない。 まあ、前後の流れはこの際どうでもいい。フレーズ単体で見ても十分な趣があるからだ。現実のいろんな場面で使えそうな汎用性もある。 はぁ? いいわけないよね? バカなの?正気なの? ど正論で詰められる感じがたまらない。これを書いた人は結構なS

ネガティブキャッシュ

知識は最近知ったことと昔から知っていることの二種類に大別できる。また、知識は正しいことと間違っていることの二種類にも分けられる。こういう複数の軸があると掛け合わせて網羅したくなるのがプログラマーという人種だ。2×2=4種類のケースについて考えてみる。 ケース1:新しくて正しい 最近、水平線について調べて驚いた。波打ち際から見える水平線までの距離は5km弱しかないらしい。水面を歩ける人なら徒歩1時間程度の距離である。思っていたより地球は丸かった。 このように新しくて正しいこ

ライフプラン

47歳のときに仕事を辞めて、今は世俗を離れて暮らしている。とりあえず食い扶持を稼ぐために個人事業主として開業したが、何の成果もないまま3年が過ぎた。で、改めて状況を整理してみるともう無理に働く必要はないことに気づいた。 月4万円あれば不自由なく生活できる。 まず風呂なしワンルームの山小屋みたいな家に住んでいて持ち家なので家賃がかからない。徒歩10分の場所に温泉施設があり、年間利用料は東京近郊に住んでいたときのガス代より少し高いくらい。まあ、カビと水垢との戦いから解放された