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手のひらの上で

前回からの続き

昔、祖母に連れられてよくパチンコ店に行っていた。18歳未満でも保護者同伴なら大丈夫と祖母は言っていたが、いま調べてみたら普通にアウトだった。一球ずつ指でレバーを弾くタイプの台で、子供心に楽しかった記憶がある。出玉で交換したビスコも大好きだった。

時代は変わって、パチンコ台は手打ちから電動式ハンドルになり、僕は大人になった。慈善事業でない限り、企業は利益を最大化しようとする。そうあるべきだと理解できる年齢になった。

店側が儲かるように出来ている。パチンコ業界の裏事情はおろか表事情にも詳しくないが、知らずとも容易に想像できる。法律や業界内での取り決め等で一方的に客が不利にならないようにはなっているのだろう。その上で店舗の経営を維持して利益が出る程度には稼いでいる。

つまり、客は店舗の経営が傾くほどには勝てない。どんなに大勝ちしたところで、それは店側に許された範囲内での勝ちなのだ。自らの手で引き寄せた大当たりも店側がこの確率なら出してOKという判断の下で発生している。

Bingが言う予測不能なドラマや展開運や偶然による喜びや感動も誰かの手のひらの上で起こっていると思うと、やっぱり僕は楽しめないかなぁ。