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古典文学に探る季語の源流(全12回の連載)

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俳句結社「松の花」の結社誌に連載しているコラム『古典文学に探る季語の源流』をnoteにも転載しております。2020年は奇数月の号、2021年は偶数月の号に掲載した記事を合わせ、毎… もっと読む
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#立春

古典文学に見る季語の源流 第二回「薄氷(うすらい・うすごおり)」

古典文学に見る季語の源流 第二回「薄氷(うすらい・うすごおり)」

 立春は二月四日という印象が強いが、二〇二一年の立春は二月三日である。二月四日以外になるのは三十七年ぶり、三日が立春に当たるのは一二四年ぶりであるという。いずれにせよ、立春を過ぎると、「暦の上では春ですが、まだ寒い日が続いています」という挨拶が聞かれるようになる。こうした時季を代表する季語として、今号では「薄氷」を取り上げたい。

 「薄氷」は、春の浅いうちに薄く張った氷のこと。解け残っている薄い

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