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古典文学に探る季語の源流(全12回の連載)

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俳句結社「松の花」の結社誌に連載しているコラム『古典文学に探る季語の源流』をnoteにも転載しております。2020年は奇数月の号、2021年は偶数月の号に掲載した記事を合わせ、毎… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

冬籠(ふゆごもり) ~古典文学に見る季語の源流 第十二回~

冬籠(ふゆごもり) ~古典文学に見る季語の源流 第十二回~

寒さ厳しくなってくる十二月ということで、「冬籠」を取り上げる。

芭蕉の句に〈冬籠また寄り添はん此の柱〉とある通り、俳句ではもっぱら、人が家に籠ることをいう。『華実年浪草(かじつとしなみぐさ)』(鵜川麁文(そぶん)、一七八三年)にも、「俳諧には人の一間(ひとま)にこもり寒を厭ふをいふなり」とある。

飯田蛇笏の〈たまきはるいのちをうたにふゆごもり〉のように、北国の厳しい冬を思わせる句がある。傍題の

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