俳句結社「松の花」の結社誌に連載しているコラム『古典文学に探る季語の源流』をnoteにも転載しております。2020年は奇数月の号、2021年は偶数月の号に掲載した記事を合わせ、毎…
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2021年11月の記事一覧
時雨(しぐれ) ~古典文学に見る季語の源流 第十一回~
秋から冬に移り変わる頃、空が低い雲に覆われ、雨が降ったり止んだりするさまを「時雨(しぐれ)」と呼んでいる。「時雨(しぐれ)る」と動詞の形でも使われる。
この語は『万葉集』の昔から登場し、
時雨の雨間(ま)無くし降れば
三笠山 木末(こぬれ)遍く色付きにけり
(巻八、大伴宿禰稲公)
というように、山の木々が色付く様子と結び付けられた。
春日野に時雨降る見ゆ
明日よりは黄葉(もみぢ)挿頭(かざ