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31-2.秋のワクワク研修会リスト

(特集:秋の感謝祭☆研修会)

下山晴彦(臨床心理iNEXT代表/跡見学園女子大学教授・東京大学名誉教授)

Clinical Psychology Magazine "iNEXT", No.31-2

【ご案内中の研修会】

緊急企画:「公認心理師試験の解題と対策」研修会
「第5回試験結果から公認心理師試験の動向を読む」
■9月3日(土曜) 9時〜11時
■講師 宮川純 河合塾K A L S

【申込み】
[臨床心理iNEXT有料会員](無料):https://select-type.com/ev/?ev=OyXQkmeXZSQ
[iNEXT有料会員以外・一般](1000円):https://select-type.com/ev/?ev=XxAkQPNk_5o
[オンデマンド視聴のみ](1000円):https://select-type.com/ev/?ev=zbV32bxoMnw

「注目新刊書」著者オンライン研修会
「ゲームやネットへの依存と認知行動療法」
■9月11日(日曜) 13時〜16時
■講師 神村栄一 新潟大学教授

【申込み】
[臨床心理iNEXT有料会員](1000円):https://select-type.com/ev/?ev=GqSgSQoE1N4
[iNEXT有料会員以外・一般](3000円):https://select-type.com/ev/?ev=nAuhxXdyey0
[オンデマンド視聴のみ](3000円):https://select-type.com/ev/?ev=9DrA882joeU

1.秋の感謝祭に向けて

処暑を過ぎて朝夕は涼しくなり、秋の気配を感じる今日この頃です。臨床心理マガジン31号の全体テーマは「秋の感謝祭☆研修会」です。
 
秋の感謝祭は、収穫への感謝や祈りを込めた行事です。収穫祭といえばハロウィンが代表的ですが、稲作が盛んな日本でも、その年の五穀豊穣に感謝するお祭りが全国で数多くあります。10月17日に行われる新嘗祭は、秋の収穫祭として代表的なものです。
 
そこで、臨床心理iNEXTも、心理職の皆様にとって実り豊かな秋となるように、新涼の9月から秋も深まる11月にかけて「秋の感謝祭☆研修会」のシリーズを提供します。いずれの研修会もワクワクのスキルアップ研修会となっています。

2.現代のニーズに応えるスキルアップ

臨床心理iNEXTの新ビジョンは、「みんなの心理サービス、選ばれる心理職へ」です。多くの皆様に選ばれる心理職になるためには、現代という時代のニーズに応えるためのスキルを習得し、専門職として活動できるようになることが必要です。それが、今という時代を生きる心理職としての実り豊かな成長となります。
 
季節が移り変わるように社会のあり方も日々変化しています。ICT化が進み、生活の仕方も働き方も大きく変化しています。継続するコロナ禍も相まって人々の心理的問題のあり方も変化しています。ゲームやSNSなどのネット依存が急増し、同時に人々の孤立や孤独が拡大し、自殺者も増加しています。
https://www.sankei.com/article/20220817-UA3LUHXPQFNONDNZGS3BJW57WY/
 
近年、社会構造の変化に伴ってリスキリングの必要性が言われています。心理職も、社会的変化に対応できるためのリスキリングが求められています。これまで習得したスキルを磨くと共に、時代に対応できる技能を学び直していくことが必要となっています。
 
そこで、臨床心理iNEXTでは、「今という時代に役立つ心理サービス」に即したスキルアップのためのワクワク研修会のラインアップをお届けします。
 
以下に各研修会の概要をご紹介致します。多くの皆様のご参加を期待しています。

3.第5回試験結果から公認心理師試験の動向を読む

■日程 9月3日(土曜) 9時〜11時
■講師 宮川純(河合塾KALS)+下山晴彦
■申込 受付中⇨冒頭に記載
詳細は、臨床心理マガジン31-1に記載
https://note.com/inext/n/n15008b9a2090

心理職として成長し、成熟していく第一歩は、公認心理師試験の合格です。8月26日(金曜)に第5回公認心理師試験の合格発表がありました。第5回試験は、これまでの出題傾向が変わったため、戸惑った受験生が多かったようです。
 
そこで、緊急企画として「公認心理師試験の解題と対策」研修会を開催します。心理学系試験対策の第一人者であり、「赤本 公認心理師国試対策2022」(講談社)※)の著者である河合塾KALSの宮川純先生に第5回公認心理師試験の解題と、今後の公認心理士試験の動向についてお話を伺います。研修会では、宮川先生の講演を受けて、臨床心理iNEXT代表の下山晴彦が質問をし、今後の公認心理師試験対策のポイントについて宮川先生と対談をします。
 
今年度の公認心理師試験の受験生だけでなく、今後公認心理師試験を受験する予定の皆様、さらには公認心理師養成カリキュラムの教員やスタッフをしている皆様にもぜひご参加いただきたい研修会です。

申し込みの締切が間近ですが、オンデマンド配信の申し込みはまだ先ですのでご安心ください。
※)https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000360475

4.ゲームやネットへの依存と認知行動療法

■日程 9月11日(日曜) 13時〜16時
■講師 神村栄一 新潟大学教授
<注目新刊者「著者」講習会>
■申込 受付中⇨冒頭に記載
詳細は、臨床心理マガジン30-4号に記載
https://note.com/inext/n/n332d77c1cbf8

インターネットの普及で、子どもや若者のゲームやネットへの依存が大きな問題になっています。不登校、引きこもり、昼夜逆転などの背景には、ほとんどの場合、ゲームやネットへの依存が維持要因として関わっています。
 
そこで、今回の注目「新刊書」著者研修会では、「ゲームやネットへの依存と認知行動療法」に焦点を絞った研修会を行なうこととしました。社会において貢献できる心理職になるためには、ゲーム・ネット依存に対する認知行動療法のスキルを磨いておくことが必須条件となっています。
 
講師は、我が国の認知行動療法の第一人者で、注目新刊書『公認心理師のための「心理支援」講義』(北大路書房)※)で「適応障害」「強迫症」「ギャンブル障害」のテーマを執筆されている神村栄一先生です。子どもや若者に関わる心理職の皆様の参加を期待しております。
※)https://www.kitaohji.com/book/b607714.html

5.ブリーフセラピー入門−解決志向アプローチを中心に

■日程 10月1日(土曜) 9時〜12時
■講師 田中ひな子 原宿カウンセリングセンター所長
■申込 9月初めより募集開始

近年、ブリーフセラピーの解決志向アプローチのニーズが高まっています。現代社会では、機能的な生活が求められ、私たちは日々忙しく過ごしています。情報社会のネットワークの中で問題解決に向けて迅速な判断が必要となっています。そのような中で、過去を振り返り、原因は何かを探り、内省を深めるタイプの心理療法に馴染めない人々が増えてきています。

ブリーフセラピーは、問題の原因を個人のあり方に求めるのではなく、面接場面での会話を通して解決を構築していきます。また、解決志向アプローチは、原因探しをせず、問題の中ですでに解決している部分を探し、うまくいっているやり方を続けることを目標とするので侵襲性が弱く、無理なく使えます。

そのため、個人面接だけでなく、家族面接、コンサルテーション、アウトリーチなどの様々な援助方法に適用でき、医療福祉や学校教育の分野だけでなく、ビジネスや組織マネジメントなど幅広い分野で用いられるようになっています。また、重篤な病理と診断されたクライエントや発達障害のある人々の生活支援にも活用できます。

そこで、今回の研修では、信田さよ子先生を引き継いで原宿カウンセリングセンターの所長に就任し、ブリーセラピーの観点から幅広い心理支援活動を展開している田中ひな子先生に講師をお願いしました。ご自身の心理支援の幅を広げることを目指す多くの皆様の参加を期待しております。

6.不登校支援における認知行動療法の活用

■日程 10月9日(日曜) 9時〜12時
■講師 小堀彩子 大正大学准教授
   <注目新刊者「著者」講習会>
■申込 9月前半より募集開始

今、心理職の活躍が最も必要とされているのは子どもや若者の心理支援です。心理職は、スクールカウンセラーとして子どもや若者の心理支援をしてきました。しかし、残念ながら、不登校を始めとして学校における問題は減ることがありません。むしろ、インターネットが普及し、いじめや仲間外しもオンライン上で行われることが多くなりました。

SNSやゲームなどは、子どもの昼夜逆転や引きこもり、無気力の要因になっています。コロナ禍は、状況をさらに促進しました。このような状況を背景として子どもや若者の不登校は依然として高い割合で起きています。本研修では、「注目新刊書」著者オンライン研修会として、学校における問題で最も多い不登校をテーマとして認知行動療法の活用の仕方を解説します。

講師は、『公認心理師のための「心理支援」講義』(北大路書房)※)で「認知行動療法を活用したスクールカウンセリングの展開」を執筆された小堀彩子先生です。認知行動療法を活用してこのような複雑化した背景をもつ不登校にどのように対応するのかをテーマとします。スクールカウンセラーとして勤務する心理職だけでなく、幅広く子どもや若者に関わる心理職にとって役立つ研修会です。
※)https://www.kitaohji.com/book/b607714.html

7.代替行動アプローチの臨床実践ガイド

■日程 10月29日(土曜) 9時〜12時
■講師 横光健吾 人間環境大学 講師
    田中恒彦 新潟大学 准教授
    <注目新刊者「著者」講習会>
■申込 9月後半より募集開始

多くの皆様にとって、“代替行動アプローチ”は耳慣れない用語なのではないかと思います。しかし、「問題行動に替えて望ましい行動を形成する」という意味では、全ての心理療法が目指すテーマでもあり、その点で心理支援の古典的なテーマでもあります。代替行動アプローチは、行動分析学の観点から、このテーマを集中的に、しかも効果的に実践するための方法です。

しかも、代替行動アプローチは、現代社会の心理支援においてはなくてはならない方法となりつつあります。現代人は、溢れる情報ネットワークの海の中を泳がされているともいえる状態です。多くの情報は、情報の受け手を自らの都合の良いように誘導するように仕組まれています。その結果、私たちは、「ついやってしまう」「やめられない」という事態に対処しなければいけなくなっています。ネットやゲームへの依存は、まさにこのような事態の危機的状況なのです。

そこで、「注目新刊書」著者オンライン研修会として、『代替行動の臨床ガイド−「ついやってしまう」「やめらないな」の<やり方>を変えるカウンセリング』(北大路書房)※)の編者である横光健吾先生と田中恒彦先生を講師にお迎えして代替行動アプローチの理論と方法に関する研修会を企画しました。依存性と反復性の問題行動への対処で困っている心理職の皆様の参加を期待しております
※)https://www.kitaohji.com/book/b606156.html

8.虐待を受けた子どもの心模様と生活場面への支援−児童心理治療施設での心理支援の最前線から−

■日程 10月29日(土曜) 9時〜12時
■講師 髙田治 川崎こども心理ケアセンターかなで 職員育成支援部長
    <注目新刊者「著者」講習会>
■申込 9月後半より募集開始

児童相談所の児童虐待に関する相談対応件数は毎年増え続け、20万件を超えています。児童虐待による死亡がマスコミ等で取り上げられ、児童相談の充実が強く求められています。2023年4月には「子ども家庭庁」が創設されることが決まり、「虐待対策」は国民の主要課題となっています。
 
しかし、虐待対策が話題になることはありますが、虐待を受けた子どもたちのその後についてはあまり知られていません。家族などの保護者と暮らすことができない子どもたちは、社会的養護の対象となります。彼らのその後を追うことで、虐待の影響だけでなく、その要因も明らかとなり、予防や支援の根本的な見直しにも繋がります。
 
虐待を受けた子どもの心理支援は、発達支援や子育て支援と密接に関連し、多くの心理職が関わるテーマです。そこで、施設養護の中でも比較的深刻な虐待を受けた子どもたちが入所する児童心理治療施設で長年施設長を務めた髙田治先生に講師をお願いし、「虐待を受けた子どもたちの心模様と、その子たちへの生活場面を通しての心理支援」についてお話を伺います。
 
髙田先生は、「施設心理士から伝えたいことー児童心理治療施設などで働くケアワーカーへ向けてー」(世織書房)※)を出版されておられます。深刻な場面での心理支援の最前線の経験から子どもの発達支援に関わる心理職に求められる知識と関わる際の留意点を解説していただきます。心理職だけでなく、子どもや家族のケアに関わる多くの皆様のご参加を期待しています。
※)https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784866860282

9.代替行動アプローチの事例検討会

■日程 11月19日(土曜) 9時〜12時(又は20日)
■講師 入江智也 北翔大学 准教授
    谷口敏淳 一般社団法人Psychoro
    <注目新刊者「著者」講習会>
■申込 10月半ばより申込開始

10月29日(土曜)に実施する「注目新刊書」著者オンライン研修会「代替行動アプローチの臨床実践ガイド」の技法を使い熟すための講習会です。参加者は、注目新刊書である『代替行動の臨床ガイド−「ついやってしまう」「やめらないな」の<やり方>を変えるカウンセリング』(北大路書房)で提示されている事例をテーマとする事例検討会に参加し、そこでの議論を通して代替行動アプローチの実際を学ぶことができます。

現代社会では、「どうしてもついやってしまう」「やめたくてもやめられない」といった依存性と反復性を特徴とする問題行動が数多くみられるようになっています。実際に、心理職は、夜更かし、ゲーム、ギャンブル、飲酒、喫煙、風俗通い、薬物、リストカット、家族間のコミュニケーション不全等々といった事例を担当することが多くなっています。

本研修会の参考書である『代替行動の臨床ガイド』(北大路書房)※)では、そのようなケースが多数提示され、その解説を通して代替行動アプローチの理論と技法を学ぶ形式となっています。今回は、同書の著者である入江先生と谷口先生にご担当事例を発表していただき、事例検討会を実施します。代替行動アプローチを学び、使いこなしたいと希望する心理職の皆様の参加を期待しております。
※)https://www.kitaohji.com/book/b606156.html


■記事制作&デザイン by 田嶋志保(臨床心理iNEXT 研究員)

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