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仕方がないんだ

自分だけ見えない。
そんなふうに出来ている。
そんな人生の仕組みって
いったい何なんだって思うんだ。

自分のやってきた善行だけは覚えている。
だから、それだけを材料にして
自分って人間を自分勝手に築いている。

残念なことに、
そうやって作った自分像は
本来の自分とはかけ離れている。

なぜならば自分のやってきた悪行は
含まれていない。
だから、本当の自分とはズレている。
そういうことなんだ。

といっても、仕方がないんだ。
自分の悪行を都合よく
忘れているわけじゃない。
自分の悪行は見えないようになっている。

だから、気づかないうちに、
悪行が積もりに積もって、
ある瞬間、大爆発する。
そういうわけである。

こんなふうに、人生ってヤツは、
自分の悪行が見えないように
なっているから仕方ない。

だから、他人という鏡を使って、
自分の悪行をチェックしなくちゃならない。
そういうことなんだ。

ただ、他人という鏡は、
自分の悪行をかなり
オーバーに映し出すから厄介なんだ。

あそこまで自分はひどくない。
そんなふうに感じるくらい、
自分の悪行が拡大されるから、
見落としてしまうんだ。

でも、もし、他人のダメダメさの中に、
自分の悪行を発見できたら、
そこにあるのは、感謝なんだ。
そんなふうに人生は
出来ているってことなんだ。

だから、仕方ない。他人と関わるんだ。
だから、仕方ない。家族と関わるんだ。
そうしなくちゃ、自分ってヤツが
ありのままに、見えてこない。
仕方ないってことなんだ。

でも、仕方がない。
そんなことをやっているうちに、
等身大の自分が見えてくる。
肩ひじ張らない、
自然体の自分がわかってくる。
そんな感覚なんだ。

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