見出し画像

小さな独裁者

この人とは、もめ事になりたくない。
あるいは、この話し合いは、
上手にまとめなくちゃならない。

こんなふうに、極端に争いを避けて、
和を保とうと躍起になる。そんな時がある。

そんな時は、自分がまずは、
言いたいことは我慢する。
次に相手にも、周囲にも、同じ我慢を求めるんだ。

争いを恐れるあまり、
自分にも他人にも、相手にも、
無意識に口封じをするんだ。

でも、そんなやり取りや交渉ごと、
人間関係で、穏便に事が進むはずはない。

我慢が蓄積して、やがて限界が来て、
大爆発するんだ。

なぜそうなるかといえば、
言いたいことを我慢する、
妥協するってことは、
自分の中にある不安感、心配がいつまでも、
払拭されないってことを意味するからなんだ。

内側が不安で満たされると、外側も崩壊する。
それだけのことなんだ。

だから、とことん自分の本音を
さらけ出し、自分の不安感を並べて、整理する。
棚卸しをする。

そんなプロセスを経て、
プロジェクトや話し合いや
交渉ごとは一致してゆくんだ。

豊かな人間関係はこうやって
構築されてゆくんだ。

だから、本当に良いものを作ろう、
良い関係を作ろう。そう思うならば、
本音で何でもオープンにフランクに話せる。

そんな人間関係、場づくりが大事なんだ。

結局、和する心が強すぎる時は、
自分の中に、先の見えない
不安が強すぎて、依存心が
とっても強い時なんだ。

不安や心配を抱えながら、
無難に、争いなく、うまく生きようってする時は、
人生の主導権を他の誰かに握られてしまうんだ。

素直に本音をぶつけあえる、
そんな豊かな人間関係を築くためには、
まず自分が、どんな要望も
批判も喜んで受け入れる。

そんな器の人間にならないと始まらないんだ。

才はあるが、尖っている。
周囲に人一倍気を使わせる。
批判は一切受けつけない。

自分はこんなにもやっているのだ。
そんな自分になっちまったら、
他人の価値観を認めない
小さな独裁者になっているんだ。

自分を否定する。そんな人はいない。
自分を傷つける。そんな人はいない。
自分を批判する。そんな人は本当はいないんだ。

ただ存在するのは、
自分とは、違う価値観で生きていて、
自分のやろうとすることが
見えていない。
自分が伝えたいことが
理解できない。
そういう人がいる。ただそれだけなんだ。

価値観が違う人が、
すべて自分の敵ならば、
この世は生きてゆけない。

小さな独裁者を卒業したいならば、
そういうことを忘れちゃならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?