ノア~約束の舟
「ノア~約束の舟」は、旧約聖書の「ノアの方舟」を描いた映画である。
アダムとイブは、エデンの園を
追われた後、カインとアベルとセトの3人の子どもをもうける。
カインは、アベルを殺し、その子孫たちは、堕天使から創造する事を教えられ、文明を築くことができたのである。
しかし、神を信じるセツの子孫にあたるノアは、夢で“堕落した人間を大洪水によって地上から消し去る”という神の啓示を受ける。
早速、ノアは家族と共に罪のない
動物たちを救うべく巨大な箱舟を
作りはじめるのである。
そして、夢のとおり、大洪水が起こり、結果として、人類はノアの家族を残し、全滅したのである。
その神が選んだノアの家族の中の
次男ハムから、呪われた子
カナンが育つわけである。
そして、ハムの子クシュから、
神への反逆者ニムロデが、生まれるのである。
つまり、神に選ばれた男ノアの
ひ孫が、神への反逆者となったわけである。
旧約聖書は、「たとえ人類の悪を
全滅させ、善だけ残したとしても、
残された善の中からまた悪が
生まれる」ということを教えている。
そしてまた、これと同じことが、
自らの家系の流れの中にも、
発見できるのである。
家系の場合は、善悪に
分けることはできない。
しかし、家系の主たる価値観と
それに反する価値観の衝突が、
先祖代々、各世代で、絶えること
なく、続いてきたことが、読み取れるわけである。
つまり、この流れは、人類にとって、避けられない宿命なのである。
家族の葛藤とは、自分の中にある悪が、家族の誰かを鏡として
見えているだけなのである。
自分自身の悪に気づかないことから、
いさかいが生じるのである。
だから、人類救済のためには、
ノアの代までさかのぼり、
ノアとハムとの父子関係を
修復しなければならないのである。
しかし、そのような畏れ多いことは、
とてもできないので、せめてもと思い、自らの家族や家系の修復に努めている次第である。
「あの世で、世界平和をみてみたい」というささやかな願いを捨てきれないからである。
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