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#蜘蛛の糸

芥川龍之介『蜘蛛の糸』『羅生門』感想文

芥川龍之介『蜘蛛の糸』『羅生門』感想文

『蜘蛛の糸』文章が美しいです。今回再読してみてまずそのように感じました。著者は語り手の作為的な「匂い」がしないように綴っていると思います。御釈迦様は「ぶらぶら御歩きになって」いたり、気まぐれ(偶然)に罪人の「犍陀多」を地獄から助けようとしています。天国へと至る“道”は、「偶然の力」が大きくて、上の描写は「それ」を表現しているのでしょう。社会では、この物語のような“救い”はほぼ無いと思います(いわゆ

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