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藍と暮らす

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藍に携わることで感じたことをまとめています。
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2024年5月の記事一覧

藍の生葉染 絹を澄んだ色に染めるコツ

藍の生葉染 絹を澄んだ色に染めるコツ

 タデアイの生葉で、澄んだ色かつ色落ちしにくく染めるコツ、のご案内です。でもこの方法は、タデアイの葉をたくさん使うという点で原料調達のハードルが高くなります。技術的には全く難しくありませんので、「今年は藍をたくさん植えた」という方にはぜひ取り組んでいただきたい染色作業です。
 今回は、絹を生葉染する場合についてのコツをご案内いたします。

生葉染の色が濁る理由 よく見かける生葉染の生地の色のほとん

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【重要】久留米絣の藍菌レポート(2)

【重要】久留米絣の藍菌レポート(2)

 先の「久留米絣の藍菌レポート(1)」から、昔ながらの藍染に伝えられてきた特徴と藍菌の関連を考察します。その上で、化学合成藍と天然藍の違いを改めて比較してみましょう。
 とは言っても、「藍菌は特定の一つの菌種を指すものではない」ので、ここで考察の結果を断定的にいうのは避け、可能性として考えられることを共有できればよしとしたいと思います。藍染がもっている力の根拠を少しでもクリアにイメージできると、藍

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【重要】久留米絣の藍菌レポート(1)

【重要】久留米絣の藍菌レポート(1)

 このレポートに出会ったのは昨年の夏でした。藍染をする人にとって重要課題である「藍建て」と「藍甕の手入れ」の考え方に直結する、「藍菌」についてのレポートです。この1年の間に補足資料や複数の染め場の経験談に触れ、私なりにある程度噛み砕けたように思いますので、ぜひ藍染に携わっている方々と共有したいと思います。

 藍菌と呼ぶべき菌がいることは確実なところですが、その実態についてはわからないことの方が多

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「インド藍」は染料か植物か

「インド藍」は染料か植物か

 特に気にしたことのなかったことが、突然気になり出しました。気の向くままに調査してみましたら、色々と混乱した状態だったことが見えてまいりました。
 私たちが「インド藍」という言葉を口にする時、もしくは目にするとき、状況によってその言葉が染料を指したり植物を指したりしています。そもそもどうしてそうなったのか…実際に石垣島を訪れた時に初めて伺ったお話がきっかけとなり、調べてみたことをご案内しようと思い

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藍染にタデアイの茎が役にたつ

藍染にタデアイの茎が役にたつ

 タデアイの中でインジカン(藍色に発色する前の成分)を含んでいない部位として、蒅(すくも)作りでは基本的に除去される茎。
 けれどもしかして、意外と役に立ってきたのかもしれないと考えられる記述や体感があるので、まとめてみようと思います。
 藍染めの下準備にお役に立つことがあるかもしれません。

アミノ酸(タンパク質)を豊富に含む茎 タデアイの全草にアミノ酸(タンパク質)が豊富に含まれています。これ

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