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<オハヨーOHIO記 2> 衝撃編(洗濯機、親戚の集い)

1. 運転免許(哀、喜) 
2. 洗濯機珍事 流出マイクロプラ(哀)
3. アメリカン車内ミュヂック、親戚ギャザリング(喜)

1. 免許センターの窓口でキャッシュが足りずに涙。回避できなかった情けない事態。米国はカード社会であるし極円安。直近のスリランカ旅の余りドルのみ携えて渡ったものの、思わぬ事態が続いた。(金銭による涙って男の運転資金が常に逼迫していた頃以来。終業後店頭に出てというダブルワークな月日があった。のちフミヤに泣いたよね)
 車両購入、車の名義登録、州免許の取得、自動車保険の契約と、車社会で生きるための初期投資額は小さくなかった。急に決まった車両売買、前オーナーの保険加入期間との兼ね合いから、急ぎ手続きを完了させる慌ただしさ。公的機関におけるクレジットカードの利用手数料は7%(8ドル!デビットは2%)。心理的に払えるはずがない。免許センターに1台あるATMは、インターナショナルのカードは受け付けない機種。よそで現金を下ろして出直すことにし(世界中で使いやすいと謳う)日本のデビットカードでATM(PLUSやVISAマークが付いている機械ならば下ろせる)から手数料5ドル(現地銀のATM設置料+日本のカード会社側の手数料2%弱)を払って現金引き出し。ATMの他に現金を引き出す手段としてスーパーなど小売店レジで”cashback”システム(現地銀行のデビットカードでの支払い時、〜80ドル程なら支払い画面で受取希望額を選ぶと現金を受け取れる)がある。小切手が現金化されておらず、銀行のデビットカードもまだ届かない(ちなみに日本のデビットカードはここだとクレカ扱いに)。金額の聞き間違いも加わり(英英翻訳してくれた介在者が口にしたざっくりbucksを鵜呑みに。端数があるなら尚、レジで金額を書き付けてもらうのだった)そもそも大幅な不足。相変わらず数字に弱い自分にぐったり、勉強代は高くつく。乏しい表情に小さな声の若い女性は眉間に皺を寄せ続け、何事かぶつぶつ呟きながら、外国人の免許取得手続きを進めてくれた。彼女がナンバープレートを手に窓口に戻って来るのを見ていたら涙が流れた(書くと笑えるし、話すと皆ヒーヒー涙を浮かべるが、あの瞬間は)。対価が必要なのに出すものがないって、何しに来たんだっけ。お金がない訳じゃないの、あるんだけど”今は”動かせないのよ。見えないけどあるんだよでもなく、残高上見えてるのだけど出せないのよに泣かされる(大手銀を避け、この町の規模なら地銀に預けるべしとコミュニティ意識が働いたのも遠因。口座を開くまでに数週間。馴染みのない振り出し元照会、額の大きさ。雇用契約ではないために近場の信金には契約を断られたり)
 これまで長期間運転していた車も組織や友、男や家族の所有だったので、車には毎日お金が掛かっていると理解しても体感がなかった。JAFやJAF不在のシマで、都度多くの方々にお世話になりつつ、所有に伴う額を知らないまま生きてきた。所有により責任が及ぶ範囲の広さは海と同じ。
 だいぶ慣れた気がしていたが、毎度手続き時に衝撃を受けるのが重要書類の取り扱い。パスポート、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーカード(マイナに当たる)、免許証などを持った手で、隣を行き過ぎる同僚の肩を叩く(置いてからにしたら、、)、ぺたぺた触る、ひっくり返して遊び出す(手持ち無沙汰なのかい、、)。(かつてベトナムの長距離バスでバックパックを預けたら、蓋に行き先をマーカーで大書きされたことを思い出す)一方、今回驚いたのは天女のようにやさしくヘルプフルなお姉さん職員のあたたかな見守りと声掛け。”わからなかったら聞いて。いつでも代わるし””(マニュアルの)ここをみて、ほら、この書類のここが必要よ””まぁ、彼女ゴールドだわ(運転するのは森のなかとか、、でも町を抜けて向かっているから、ちゃんとゴールドだよね!)。これはね、日本で無事故無違反者である証なのよ””代ろうか?大丈夫?”頑なな彼女(できると言い続け、とうとう代わらなかった)への接し方を間近に見てまた涙。日本ではあり得ない顧客の前で教える風景。なんてことなさそうな雰囲気、モチベーションが上がり、働くことも楽しい環境なのでは。
 スーパーでも、どんなに長蛇の列が出来ようと、お客のおばあちゃんの終わらない問いかけに応え、その間待っている人もとくに表にいやな感じのものが出なくて、アメリカンてどんな時も待てるんだね意外、と思う日々。地域やお店のタイプによるか(日本だといらいらした感じや怒声などあるけれど)。

2. 来る冬にと、友達がくれたフリースブランケット。彼女のおうちの匂い(柔軟剤かな)もあり、来たものは洗ってから判別するので洗濯機へ。こちらで初めて使ったドラム型、音と存在感が凄まじい。
 ふんふーん♪ドライヤー(乾燥機、温度設定は4段階。普段使わないが、においが強いとき熱で飛びやすいかなと)かけたらおさんぽ行こうとルンルンで扉を開けると黄色いメッシュが視界を覆った。え入れたの水色の毛布だけど、ちょうどカナダで使ってたのとおんなし、え、泡がぶくぶく次々こぼれてくる、、‼︎⁇ 青いあおいアオ…と目の前の丸い空間を占拠する得体の知れないブルーを前に真ッツアオ。何、カニ。泡を吹いているのは私でした。
 一度しか使っていない毛布があるからあげるねと快く下さった。多分おうちに長くあったものだったのかな(化繊製品の宿命、製造時からの経年劣化)。フリースってプラスチック。。ドラム型洗濯機の威力って想像以上、、とぼんわり浮かんでは流れゆく想念のなか、青い塊を必死に受け止めては排出しようと格闘しつつ、何このざらざらぁぁぁ、、!声を失ったまま(口に入りそうで)ぢっ、、、と見れば色粉の微細なズァラズァラ粉末であった。我が家の洗濯排水が、マイクロプラの一大排出元に! プラ大発生を引き起こしてしまった。
 2週前、洗濯機の扉パッキン(シリコン)の縁に沈んだ包装プラに包まれたままの飴玉による茶黒サビに衝撃を受けたところ。もっと念入りに掃除してねというお達しかしら、朦朧とする意識に引っ張られつつ、必死に今に留まろうともがく(誰がこれを片付けてくれるというの、、Oh)。シマで同僚と、ステンレスって錆びるんでしたっけトークを真顔で交わした記憶が蘇った洗濯機ステンのサビ事件。酸化によるものでしょうか。縁かがりのないタイプだった毛布、フリースの二層重ねだったのかな。

3. 野暮用で、若い子たちの車に乗せてもらった。ついでに同僚の親戚ギャザリングに混ぜてもらう。女の子たちの愛らしいぷくぷくお手手。爪に色々塗るのが好きなアメリカン。若い子はパウダーピンクなど淡い色味、ミセスはオリーヴやグレー、黒が多い。そしてスリランカ人のよう、突然車内で踊り出す。え、この曲知らない?歌ってあげるね!と大合唱。寡黙と言われていた男の子が、トーンは低めながらも延々話し続ける。周りが若い子だと言葉が流れるのかな。途中知ってる、と思えば練習曲。どこでも時が経っても同じ音楽を聞いている面白さ。盛り上がっていると男の子が”君カントリー(blues)好きだよね”(言ったかなそんなこと)と選曲変えに持ってゆく(オハイオは流石のカントリー処。父子で同じ曲が琴線に触れて)。曲が変わっても熱唱は続く(何でもいけるのだね)。恋人のように仲良しの兄妹は、しょっちゅう拳を突き合わせコンタクト。
 私も来ることになったので、お父さんは窓拭きに精を出されたそう(教会のボランティア清掃に呼ばれた時、ペーパーナプキンでなく雑巾を使っていたのが衝撃だったようで、あちこちで言いふらされた。日本の道路沿い窓は微小物質色々で、水で流すよりある程度可燃ごみに出したほうがいい気がしているが、こちらはPM2.5も届かない上道路からずいぶん距離もあり、周囲はリスが駆けカナダグースが歩き回る芝や森。汚れの質も違うような)お宅の周囲は一面大豆畑。おじいちゃんの秘密基地(納屋、小屋)は広大であらゆる道具が手製の棚に整然と収められている。車や自転車の整備、畑仕事のトラクターも。その一画でバーガー用のパテをとっとっと焼き始めた(足元にプロパンガスのタンク、四角いパテに四角いチーズを載せて)。熱々のバーガーはボリューミーで香り高く、とてもおいしい。集い来る面々も、おかずやデザートの入ったタッパーやお皿を持つ人、手ぶらのご家族と様々。卵失敗しちゃったんだと笑うおじさん(茹で卵の、黄身だけ外してクリームのようにしたものを戻したおつまみ)。
 お母さんのチェリーパイはほかほかと温かで、生地はさっくりしっとりと絶妙なおいしさ。お持たせどれにしようか?(おかずでなくスイーツを勧められる)にチェリーパイ!と即答すると素晴らしい笑顔。お手製アイスを持ってきてくれたおじさん、作り手がすくってくれると大変に麗しい球体が出現する(止めないとささっと大きく2、3すくい盛ってくれる)。チョコレートはどうする(HERSHEY’Sの液体がけ)、作り方は秘伝なのさ、ハーゲンダッツもびっくりだろうと冗談が飛ぶ。目が合うたびに”お代わりどうだ?つごうか?”と聞いてくださるところはアジアと同じであった。食べものは断れず結局どれも2、3回ずつお代わりし、お腹ははち切れる寸前。
 アメリカのパーティー食器は、紙皿に紙やプラのコップ(ペットボトルを一本ずつ配るスタイルも多い)、プラのカトラリーにペーパーナプキンが主流(家庭で紙皿を毎食使うところもあるとか)。大量に出るごみを巨大なごみ箱にどんどこ入れておしまい。各家の通りに出されたごみ箱が常に溢れかえっていて、口が閉まっていないことにも納得。会食の折にはカトラリー袋を持参し、使った部分を小さい紙に包み持って帰っている。300mlのチタンカップを取り出すと、毎回”まぁ可愛いこと!小人サイズね”と叫ばれる。持ち歩く水筒はどっしりサイズ、食事中もつめたい飲みものをごくごく飲むアメリカの方からすると、大層小さいようである。

四角いBBQ台で焼き上げ
定番Mac 'n' Cheese(マカロニandチーズ) 自家製コーン煮は冷凍してストックしておくそう

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛