『ゴールデンカムイ』で描かれた、土地問題と、マオリの解決策のヒント
少し前だが『ゴールデンカムイ』が最終巻まですべて、アプリで読めることを知り、読んだ。
ここであらすじを語るのは避けたいけれど、1つ、すごくいいなあ、と思ったことを書きたい。
それは、ストーリーの中で「土地」の問題を、ちゃんと取り上げていたことだ。先住民族のことを考える上で決して避けて通れない問題の1つ、それが土地だ。
すごく簡単に言うと、多くの先住民族の価値観では、土地は、神様のもの、みんなでシェアするものという捉え方だ。一方、西欧の価値観では土地は所有物。植民地化を進めるうえで、どんどん条約をとりつけ、土地を買い進めていった。ニュージーランドの大学のマオリ学部での勉強でも、ここは避けて通れない問題だったので、少し難しかったうえに心が痛くなったが、しっかり学んだ。
『ゴールデンカムイ』でも土地の所有権が、大きなカギを握っていた。そして、北海道の多くの土地が政府に奪われていったことをアイヌ目線で描いていた。きっと、読んだ人は何かを感じ取ったに違いない。それが、すごく嬉しかった。
先住民族にとって大切な土地。今も続く問題の多くは、土地と切っても切り離せない関係にある。
どうすればよいのだろうか…。
想いを巡らせていたら、こんなニュースを見つけた。ニュージーランドでは、最近、政府がマオリの人々が祖先と仰ぐ川に「法的な人格」を認めた、という。
これを読み、今からでも政府、企業、もちろん個人も、できることがある、と明るい気持ちになった。こういう事例をヒントに、できることを探っていきたい。
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