マオリ・アートの先生が教えてくれたこと。
NZのマオリ学部に留学していたころ、前期の授業で「マオリ・アート」という授業を取った。
割と少人数の授業で生徒は15~20人。先生は、腕に美しいマオリアートをまとった女性だった。私は、先生が教えてくれる、マオリの人々が受け継いできた美しいアートの世界に夢中になった。
前期が終わりに近づく頃、課題が出された。各自が、みんなの前でプレゼンテーションをするのだ。何をテーマにしようかな…と迷っていたら、先生が
と提案した。マオリではタトゥーは、自身のアイデンティティを示す大切なもの。一方、私は日本でのタトゥーのイメージはヤクザ、銭湯に行くと断られる…程度のものだった。「考えてみたら、日本の文化の中での刺青のことを、しっかり調べたり、考えたりしとがなかったな」と、その時気づいた。
テーマが決まってから、たくさん、たくさん、調べた。すると、日本の刺青にも歴史があり、伝えたいメッセージがあるんだな、ということが分かった。ただ、なんとなくのイメージだけで、調べないのってつまらないし、よくないことなんだな、と感じた。
プレゼンテーションは、大成功。みんなに「面白い!」と言われ、先生もニコニコ、喜んでくれた。
だから、大切にしてね、と先生は私に伝えたかったのだと思う。
先生は、自分の文化やアートに対する姿勢を教えてくれた。先生、本当にありがとうございました!
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