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【詩】同棲生活

 君と体を重ねたら
 そこに愛を添えて着飾った。
 朝日差す寝室で
 乱れた毛布が証拠さ。
 山岳の様に
 高々と脈打つ毛布は
 風さえも攫えない
 堂々とした影を作るんだ。

 キッチンには
 コーヒーと煙草の匂い。
 控えなきゃと思いつつ
 日々ストレスと比例し増える。
 メラメラと燃える炎に
 命の輝きを投影すると
 何とも皮肉めいた
 実情に呆れた。

 現代社会の辛苦に
 劇薬の様な愛を織り交ぜた
 このアパートの一室に
 僕らだけの国旗を掲げる。
 愛猫のジジに
 埃被ったギターを描く。
 お互い好きな色を
 オーロラの様に混ぜ合わせて完成だ。

 だけど領土に
 保険付きの無限は無い。
 そして革命の時は
 誰も知らない。
 だけど白い壁に
 どちらかの鮮血を
 べったり付けたら
 それはピリオドだと思うんだ。

 その時
 僕らにハレルヤは流れないんだ。

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