【詩】鏡の国
鏡の国の原住人は、
己の弱さを知っている。
映し出された表情に、
悩みや苦労が現れるのだ。
鏡の国の動植物は、
生命の輝きを知っている。
反射された光たちに、
有限の価値を見出したのだ。
鏡の国の思想群は、
争いの無益さを知っている。
個々の交わらない思考に、
諦めと協調で解決したのだ。
鏡の国の運命は、
誰が決めるのか知っている。
一人、剣を携えて、
民衆を率いて王となるのだ。
だけど、鏡の国の夢現。
しかし、鏡の国のノンフィクション。
何処に繋がり、
何処に伝わる?
鏡の国の行方だけ、
住んでいる皆、知らないのだ。
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