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広報未経験から1年強で起業したリアル

こんにちは!「おいなりさん🦊スタートアップ伝道師🏃‍♂️」こと、JobTales株式会社 代表取締役の稲荷田です。

このnoteは、#PRLTアドベントカレンダー2023 の12月13日のエントリーです。昨年末も参加したので2年連続です。その1年で大きな変化があったので、そのことを綴ります。ちなみに、1年で8kg痩せて見た目もかなり変化しました。2023年からランニングを始めて、マラソンデビューするほど走り込んだので、健康痩せ(のはず)です。笑

昨年のテーマは「元営業パーソンが挑む、スタートアップひとり広報の道のり」。未経験ながらも2022年の10月から"ひとり広報"デビューをした経験から、ひとり広報の立ち上げ方法をシェアしました。

そこから1年。なんと…。


「広報支援で起業」をしました!!


この件は、記事にするか少し悩みました。「広報はたった1年の経験で起業できるほどの仕事なのか」と、勘違いされるのが怖かったからです。実際には、数十年来の経験を経て独立起業される方がほどんどです。(僕のネジが外れているだけで、)広報の仕事は素晴らしいプロフェッショナルの仕事なので、どうか勘違いされないようお願いします。

それでも、僕は自分の広報パーソンとしての仕事に自信を持っていますし、実際に起業してすぐに複数の素晴らしいお客様にも恵まれ、順調な滑り出しができたと感じています。ただ、裏側にはキラキラした話はなく、泥臭い話がほとんどです。

このnoteでは、「なぜ起業ができたのか」その裏付けをシェアすることで、広報パーソンや若者のキャリアのヒントになればと思い、5つのエッセンスをまとめました。かなり抽象度をあげましたが、どれか1つでも参考になれば嬉しいです…!!後半は僕なりのスタートアップ広報論を述べているので、そこが気になる方も、ぜひ。


1. 勇気を持って、名乗ってみる

本項は、Twitter(現: X)を軸に話します。

2022年の10月、NFTスタートアップ企業の営業から転身して、ひとり広報デビューをしました。社会人になる前からビジネス用にTwitterをやっていたのでフォロワーは3,000名ほどいました。まずは形からだと、すぐユーザー名に「広報」とつけたことを覚えています。

そこから広報をやっていそうな方を片っ端からフォローし、オンラインオフライン問わず、コミュニケーションを増やしていきました。併せて、発信量をとにかく増やし、2-3ヶ月ほどで7,000フォロワーくらいに増えました。(アルゴリズムに上手く乗れたのもありそうですが、当時は今よりフォロワーを増やしやすかった気もしています。)

そして、広報戦略がうまく軌道に乗ったのと、NFT市場の盛り上がりに乗れたことから、会社の露出がグッと増えました。(日本経済新聞、読売新聞、日経ビジネス等の大手メディア様に掲載いただき、ワールドビジネスサテライトでの露出もできました。そのタイミングで、「CCO(Chief Communication Officer)」に就任します。

そうなると、「スタートアップのCXO」であり「7,000フォロワー」いる、「なんか凄そうな人」に見えます。リアルで広報繋がりの方に会ったときも、「"あの"おいなりさんですか!」と声をかけられることも。

嬉しさ以上に、虚構を見せているような自分が少し辛かった記憶があります。とはいえ、スタートアップの広報は、(あまりにも関係ない運用や炎上を除き)「知られてなんぼ」で、「なんか知ってるぞ、この人/会社」というのは大切なので、意味がある行為に思います。そして、仮に誇張だったとしても、「勘違いせずに」「健全に努力できる」のであれば、良いことに思います。その理由は、次項に記載します。

2. 恥ずかしさや悔しさをバネに、努力してみる

先述の通り、「なんか凄そうな人」にみられることが、なんだか情けなく、恥ずかしく思っていました。そして、「期待してコミュニケーションをしたのに、大したことなかった」と思われることが怖かったです。(これは今もある感覚かもしれません。)そう思われることは実際にはなかったかもしれませんが、その可能性がある自分に悔しさを抱いていました。

では、どうすれば良いのか。

答えは簡単で、「虚構の自分に追いつけるように努力をする」しかありません。例えば、広報に関係する書籍を読む、タイムラインに流れてきた広報に関する記事を読む、広報に関する持論をXにポストしてみる。勉強会に参加したり、有識者に会いに行ってみるなど。

これは、今もなお、意識し続けています。特に最近は「広報で起業した」のに、広報の専門性がないのはあり得ないので、勉強量を増やしたり、メディアの方との接点を持てる機会があれば、なんとしてでも調整して行くなどしています。

これは、「広報」という職種に限らず、業界の専門性などでも同じことが言えます。例えば、僕は今「スタートアップ伝道師」と名乗っており、スタートアップの魅力を広げる活動をしています。それにも関わらず、スタートアアップの用語がわからない、ファイナンスの知識が全くないのは勘違いが過ぎるので、肩書きに負けない実力をつけるよう行動しています。結局は、「原動力」と「行動力」だなと思うので、事項で「量」の話をします。

3. 量をこなして、質を高める

実力をつけるには、「動く」しかないです。とにかく量をこなすのが重要です。とは言っても、「1ヶ月間、プレスリリースを毎日出します」とかは、難しいと思いますし、なにより本質から外れた行動だと思うので、やれることをやっていきます。

僕は、広報の仕事を、

①経営者の想いを引き出し、事業の価値を言語化し、
②ステークホルダーに届くような文脈と方法を選定し、
③誰でも理解でき、共感してもらいやすいような表現で発信する

ことだと捉えています。
それぞれに必要なスキルや経験を分解すると、

①経営者の想いを引き出し、事業の価値を言語化し、
→経営や業界、事業グロースに関する予備知識、コミュニケーション能力、想像力、言語化能力など

②ステークホルダーに届くような文脈と方法を選定し、
→ターゲット設定能力、一般教養や経済情報のキャッチアップ、媒体の知識、記者さんの興味関心の収集など

③誰でも理解でき、共感してもらいやすいような表現で発信する
→相手を想像する力、難しい用語をわかりやすく説明する力、簡潔にまとめる力、ストーリーテリング、拡散してもらいやすい仕掛け作りなど

あげればキリがないのですが、いろんな能力や経験が必要です。ただ、これは、かなり身近な「アレ」で鍛錬できると考えてまして。

「X(旧:Twitter)」です。


Xでの発信のコツは、「感情や出来事を言語化し、誰でも(あるいは狙った層に)興味を持ってもらえるように具体と抽象を行き来し、共感をもらえるような表現をする」ことだと考えています。しかも、「140字」という制限付きで。

こんなに格好の訓練場は他にないと思います。僕の場合、これまで「2万」ポストしているのですが、そのほぼ全てを140字程度にしています。そう考えると、かなりの量が積めます。しかも、インプレッション数、リアクション数など、成果が定量化されるのも有り難いポイントです。あぁ、Xがある世界に生まれて良かった…。(ちなみに、Twitter Blueに課金して上限が撤廃されてからも、URLを貼り付ける際も、基本は140文字以内にしています。)

僕の場合は、これに加えて「Podcast」にもチャレンジしました。

「おいなり学びのお裾分け」と題したPodcastで、平日毎朝10分ほどのコンテンツを発信しました。(起業後は頻度が落ちてますが…。) Xではメッセージを濃縮する技術を、Podcastでは、メッセージを補強しながら表現する技術を学べた気がしています。

最近では、「経営者とのコミュニケーション」にチャレンジすべく、資金調達を終えたばかりのスタートアップ経営者をゲストに招いてアレコレお伺いするPodcast「Startup Now」にも挑んでいます。

XやPodcastは一例ですが、個人的にとてもおすすめです。ちなみに、訓練のためにやっていたこの2つは、いまは仕事にもなっています…!!

なお、メディアリレーションや媒体研究は、まだかなり未熟なので、優先順位を上げて取り組んでいます。

4. 強みを活かせる、フィールドを見つける

これまで記載してきた通り、適度に自分にプレッシャーを与えながら、一流の広報パーソンになる努力は重ねてきたつもりです。ただ、冒頭に書いた通り、広報PRの専門家に比べると、プロとは言えない状態かもしれません。

それでも、自信を持って事業提供できるのは、「スキル」「経験」そして「好き」を掛け合わせているからです。

僕は今、「スタートアップ産業」に特化して、広報PR支援を行なっています。個人的にはこのフィールドでは、広報の専門性以上に、「スタートアップの知識」や「経営」、「事業理解」「対応スピード」の方が必要とされる素養の比重が大きいと感じています。(もちろん、メガベンチャーやIPO後のベンチャーを対象にすると話は変わります。)

幸いにも僕は、BtoB SaaSの営業経験、BtoGtoCの営業や広報経験があり、自身で新規事業に挑戦した過去もあります。なので、広報としての専門性をカバーできる強みがある状態です。


最近、すごく衝撃を受け、悲しくなる話がありました。



とあるスタートアップ経営者が「信頼できる広報パーソンから、広報担当者さんを紹介してもらって3ヶ月稼働してもらったが、なんの効果も得られなかった。もったいない投資をしてしまった。」と仰っていたのです。


詳しく聞くと、その担当者さんは「メディアリレーション」に強みがあったものの、「スタートアップエコシステム」や「事業ドメイン」の知識が浅く、かつ「企画提案が少なかった」とのことでした。

「広報パーソンの実力は、メディアリレーションだけではない」ことがよくわかる事例です。逆に言えば、「事業価値を抽出し、昇華する力」と「発信力、届ける力」の両方が揃えることが、経営者の期待に応えること、つまり「経営に資する広報」なのだと、学びました。

そんな考えの下で、僕は今、信念を持ってスタートアップの広報支援にコミットしています。

5. 腹を括って、動いてみる

考えや哲学以上に大事なのは、「意志」であり「行動」だと思います。なので、僕は起業の道を歩み始めました。実は、周りの広報パーソンからは止められたこともありました。それでも、僕は間違いなくスタートアップのための貢献ができると思っているので、チャレンジを選びました。

起業してからまだ2ヶ月半程度ですが、自分の選択は正解だったと胸を張って言えます。これまで見えなかった景色が見えそうな兆しがあり、どんどん確信に近づいている感覚があります。

これからも、謙虚さを大切にしながら、信念を持って突き進みます。広報パーソンが対峙するのは経営者であり、企業の代弁者です。だからこそ、広報パーソンも自分なりの思想を持って挑戦し続けることが大切に思います。正解はなくとも、考えることから逃げていい理由にはなりません。

いろんな方と意見交換をし、時には自分の間違いや不甲斐なさを痛感しつつも、改善し続ける、その繰り返しです。そうすることで、一流の広報パーソンに近づき、経営に良い影響を与え、結果的により生きやすく素晴らしい社会づくりに貢献できるのではないでしょうか。

創業エントリもシェアさせていただきますので、おいなりに興味を持った方はぜひご覧いただけると嬉しいです!

また、今はまだひとり経営ですが、チーム化も考え始めているので、興味がある方は、XのDMやPitta経由などで、お声掛けいただけると嬉しいです!

・X(旧: Twitter)→ https://x.com/oinariiisan
・Pitta(カジュアル面談) → https://pitta.me/matches/DqLQEjUHmotl

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