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【創業エントリ】新規事業は失敗。それでも起業した理由。

はじめまして!「スタートアップ伝道師」として、スタートアップの魅力や情報を発信している「おいなりさん🦊」です。(「おいなりさん」は、本名の稲荷田(いなりだ)から生まれたニックネーム)

この度、起業をしました!

このnoteに目を通していただくことで、ほんのちょっとでも、元気や刺激などポジティブなエネルギーを受け取ってもらえたら嬉しいです。以下に当てはまる方には、ぜひ読んでいただきたいです!

1. 稲荷田に関わったことがある方
2. スタートアップで挑戦中/これから挑戦したい方
3. 誰かの挑戦する姿から刺激を得るのが好きな方

スタートアップや起業に縁のない方でも、読みやすい表現を心がけているのでご安心ください。

1. 自己紹介と起業までの経緯

1996年生まれの27歳。立教大学で英語スピーチ活動しながら、複数の人材会社で長期インターンを経験。2019年に当時は未上場だったSansan株式会社に入社。3年間、法人向け名刺管理サービス「Sansan」の営業に従事しました。

「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションが最高に好きでした。

一気に拡大していくスピード感やスケールの大きさに充実感を抱きつつも、就活時代に出会った方々の影響で「スタートアップ」がずっと気になっていました。そして、スタートアップを知れば知るほど、その可能性に心が躍ります。特に、2021年の冬「Web3」を初めて知った時は大きな衝撃が走りました。「あぁ、次の時代が来るんだな。自分も時代を創る側に回ってみたい…!」と、高鳴る鼓動を抑えきれず、退職を決意。

その頃に読んだ書籍。NFTの未来に大興奮。

Sansanでは官公庁営業を担っていたので、その経験を活かせる会社はないかと探すと、自治体をお客様とする札幌発のNFTスタートアップ「あるやうむ」に出会いました。シードの資金調達を行なった直後で、メンバーは社長とエンジニア1名。社長に直接XでDMしたことをきっかけに参画。初めて経験する「事業の立ち上げ」が最高に楽しく、気づけばフルコミット状態に。営業責任者から広報責任者に役割を変え、最終的に「CCO(Chief Communication Officer)」として活動しました。

HPのリニューアル、ロゴの刷新、MVVの策定などなんでもやりました。

参画から1年半ほど経過すると事業が軌道に乗り、新しいもの好きな(飽き性とも言う)性格も起因して「転職」が頭をよぎります。ただ、同じく創業初期のスタートアップにしかワクワクできない状態になっていました。(感覚がバクってしまった…。)しかし、創業初期の会社は発信に力を入れてなかったり、求人を扱っているエージェントもなかったりと「出会い」に苦しみます。

キャリアに迷走して苦しむ当時。(結局乗り越えられずしっかり五月病だった)

世界を牽引する会社も、かつてはスタートアップ。政府はスタートアップの育成を成長戦略にも掲げています。そんな中で「スタートアップに行きたい人が、スタートアップに巡り会えないのは社会的な負だ。」そう感じました。実は、Sansanの退職を意識し始めた頃から起業に憧れがありました。ただ、当時は実力も勇気も不足していて、逃げてしまいました。「自分は起業には向いていない。」そう思うことで、諦めをつけようとしていたのです。一方で「本当にそうなのか?やってみないと分からないじゃないか。」と思う自分もいました。そう思いながらも、解決したい課題がないまま、もやもやしていましたが、ついにそれが見つかったのです。「今、起業するしかない。やらないと後悔する。」こうして、起業への道が拓れました。

2. 新規事業の検証と撤退までのリアル

■事業の着想と立ち上げ
エージェントから紹介される大量の「求人票」には全く心が動きませんでした。しかし「社長とカジュアル面談してみませんか?」と言う声掛けには興味を持ちました。数社話を聞いてみると、どれもグッと心を動かされました。その経験から、選考体験における「社長と話すこと」の重要性を痛感。一方で、社長が選考フローにものっていない方にカジュアル面談をし続けるのは、リソース的に厳しいのではないかと思いました。

「体験価値はそのままかつ、より多くの方に届ける術はないか」と模索した結果、市場も急拡大している「ショート動画」に辿り着きます。「採用×ショート動画は、可能性があるのではないか。TikTokに沼るように、魅力的な会社の情報がどんどん見れて、カジュアルに就職/転職活動ができる体験は良さそうだ。」そんな思考から「キャリア版TikTok」を構想します。

ショート動画の可能性を信じて食い入るように読みました。

市場調査・競合調査をする中で、唯一無二の事業案ではないと分かっていたので、代わりに行動量とスピードを意識しました。現職での稼働をグッと減らし(業務委託なので当然収入もグッと減る)、3ヶ月間ほど全力で事業開発。いきなりアプリを作るのは得策ではないと学んだため「ショート動画は採用に効果が出るのか」という視点での仮説検証を始めました。具体的には「推しスタートアップ」を紹介するショート動画をXや各種ショート動画アプリに流してみたり、ターゲット層のスタートアップに提案して「採用を目的としたショート動画」を制作させていただいたりしました。また、VCや起業家を中心に50名ほどと壁打ちさせていただき、関連情報のインプットとアウトプットを繰り返します。

(XやFacebook、TikTokからInstagramまで各所に動画を出しました)

(事業相談する中で「うちで試してみないか」とお誘いいただいた、MOSH籔さんには心から感謝しています…!)

■仮説検証の結果と撤退
制作した動画は、Xでのインプレッションや動画の再生は伸びたので「認知獲得」には効果がありました。一方で「選考申込み」には、なかなか結び付かず…。「少なくともアプリは作らないほうがよさそうだ」と、感じ始めます。仮に「採用予算」を目当てに営業をするのであれば、成果報酬が基本とされる中で、採用に直結する施策でないと投資されづらいためです。

もちろん「認知獲得」に振り切ったり、既存の採用手法の補完ツールとして提供したりするなど、工夫の余地はありました。しかし、いずれにしてもスタートアップ的なスケールをするビジネスとは感じられず、資金的にも体力的にも厳しくなったために撤退を決めました。採用ショート動画の制作で実績を積むことも考えましたが「動画制作会社をやりたかったんだっけ?」と、これも断念。「自分は何をしているんだろう。」「どこに向かおうとしているんだろう。」そんな想いが募ります。

PIVOT CXOスクールで行われた新規事業立案コンテストでは代表に選出いただきました
が、そこでの結果もイマイチ。「可能性はありそうだけど、出資はできない」そんな評価でした。

ちなみに、今回の事業検証での反省点は以下が挙げられます。

1.  最初のアイディアで勝負をしてしまった
2. 買い手が「今すぐ解決したい課題」にアプローチできていなかった
3. 自身の経験や強みが活きない領域だった(採用も動画も素人)

冷静に振り返ると「そりゃそうでしょ」と思いますが、渦中にいると自分に有利な情報ばかり目にします。その上「スタートアップの事業案は、懐疑的に見られてなんぼ」「その状態でも諦めずに成果で示すのが起業家」のような、誤ったスタートアップ神話を信じている状態だったので、やる選択肢しか考えられませんでした。

3. それでも、起業は諦められなかった。では、何をするのか。

スタートアップ起業家になる気満々で過ごした日々だったので、事業撤退の前後は苦しみました。しかし、悲しみに打ちひしがれても、いいことはありません。むしろ、さらに気を病んで再起不能になるほうが怖かった。

「起業を諦める選択肢」も、ありませんでした。自分で「これだ!」と思える事業案を見つけて、全力で駆け抜けた日々は、苦しさ以上の楽しさがあったからです。「全力で生きてる」って感じ。

負荷に耐え得る心身を作るためランニングを開始🏃‍♂️月間150km走り、マラソンデビューも。写真は横浜マラソンの完走メダル🏅(分かりづらい)

撤退を決めた数日後には「できることからやろう」と気持ちを入れ替え、得意を活かした事業を立ち上げることにしました。領域は「スタートアップ向けの広報PR支援」です。個人事業主として行なっていたことの延長線上ですが、それでも起業を選んだのは「覚悟」を醸成するためです。個人事業主だと「そこそこの挑戦」で満足してしまいがちだったからです。また、会社として取り組むので組織を作って支援社数を増やしていきたいです。そして、いずれ新規事業を作ってスタートアップ化したいとも考えています。

この選択は、妥協案ではありません。僕はスタートアップに身を置いてから、それまで以上にスタートアップが大好きになっていきました。しかし、どんなに情熱が注がれていても、素晴らしい事業でも、知られなければその真価は発揮できません。僕はスタートアップで挑戦する方々をリスペクトしています。だからこそ、彼らの存在が「知られていない」ことが、悔しい起業家の想い、事業の素晴らしさを、もっと世の中に届けていきたい。また、スタートアップと世間との溝も感じています。その断絶も解消していきたい。そんな想いを込めて、ミッションは「スタートアップと社会をなめらかに繋げる」と定めました。スタートアップの価値が世の中に浸透し、スタートアップから日本が盛り上がっていく。そんな世界線を目指して活動していきます。

「物語として語られる、語りたくなるような仕事を増やしたい」という想いを込めた社名。ロゴにはそれらを「拡散」する意味を込めてメガホンを添えました📣

■具体的な提供価値
スタートアップやスタートアップを支援する企業に対して、以下の支援を行っていきます。

  1. 広報戦略立案と実行、広報室の立ち上げ支援
    経営者に伴走し、会社の価値や目指す世界を整理しながら、成長戦略に沿った広報戦略を立案、実行します。ナレッジを社内に落とし込み、外部に依存しない体制を構築します。社内で広報担当をアサインいただける場合、レクチャーや立ち上がりの支援も行います。

  2. 情報発信の支援(X、Podcast、noteなど)
    フォロワー10,000名を越えるX(旧:Twitter)の個人アカウントの運用、複数の企業アカウントの運営実績から企画や運用の支援を行います。Podcastは、個人番組での100回以上の配信実績や法人案件の支援実績を基に、番組のコンセプト決めから配信設定、企画立案、MC、編集、配信の拡散まで一気通貫で支援します。音声の書き起こしをnoteへ転載することも可能です。

  3. イベントの企画や集客の支援
    スタートアップが企画するイベント、スタートアップの支援をする会社向けのイベントを対象に、企画や集客の側面から支援を行います。Xの運用や広報業務での経験を基にした、必要な方に届く企画や発信をします。

営業や事業開発をバックグラウンドとし、経営や事業が分かる「経営パートナー」としての広報PR支援を強みとして、幅広い支援を提供していきます。広報PRのプロフェッショナルは他にもいますが、スタートアップに特化していて、NFTなど「新興産業」での経験があるのは珍しいと思います。さらには、情報拡散も大好きなので、スタートアップの事業成長には多面的に貢献できると考えています。(過信ではなく、この気概でやっていきますという宣言です!)

4. 起業から1ヶ月半、現在地と今後

新規事業開発の傍ら創業準備は進めていたので、9月末には登記を終えました。「起業で何が大変だった?」と聞かれたら、真っ先に「行政手続き!」と答えるでしょう。登記の前も後も、あらゆる役所に出向いて、紙の書類を印刷して、記入して、ハンコを押して…。起業は今よりハードルが下がるべきと思いますが、この手続きの煩雑さを知っていると、簡単にはおすすめできないな〜と思ってしまいます。freee会社設立を活用してなお、この苦しみ…。司法書士などにお願いすればよかったかもしれません。

そんな諸々の手続きも、1ヶ月半経って概ね完了。気持ちがかなり楽になりました。事業としては、並行して企業への提案も進めてお客様数社にご契約いただくことができたので、良いスタートが切れました。ご縁に感謝です…!

5. 最後に

新規事業の検証や創業に際して、アドバイスをいただいた方々へ心より感謝申し上げます。皆さまへの恩返しはしつつも、それ以上に恩送りを大切にしたいと感じています。僕が何か力になれる領域があれば、誰でも気軽にご連絡ください。

そして、誰よりも感謝したいのは家族です。我が家は、お互い23歳の時に第1子が生まれ、7月には第2子が生まれました。つまり、起業前後と丸かぶり。僕も負荷が大きい時期でしたが、妻はその何倍も心細かったのではないかと思います。それでも背中を押してくれる妻には、本当に感謝しています。結婚して良かった。妻や娘たちにも、同じような感情を持ってもらえるように、仕事も家族も、そして自分のことも大切にできる人で在りたいと考えています。そのためにも、守るべきは「心身の健康」。無理のしすぎには気をつけていきます。

生まれたばかりの娘と、3歳の娘の手。愛おしい…。

ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。その事実だけで、書いて良かったなと思えます。Xなどでコメントをお寄せいただいたり、拡散いただけたりすると、最高に喜びます!ぜひお願いします…!

また、僕と話すことに興味を持っていただけた方はどなたでもご連絡ください。以下のような方々は、特に歓迎です!

・稲荷田およびJobTalesに仕事を頼みたい!
・稲荷田の仕事を手伝ったり、いつか一緒に仕事をしたりしたい!
(特に広報パーソンの方や、広報に興味がある方、いつかはスタートアップで働いてみたい学生さんなど)

XのDMや、Pitta経由でご連絡いただければ幸いです。

・Xアカウント→ https://x.com/oinariiisan
・Pitta → https://pitta.me/matches/DqLQEjUHmotl

また、スタートアップの魅力を広くお届けするために、資金調達直後の起業家を招いてアレコレお伺いするPodcast「Startup Now」も始めたので、こちらもぜひお聴きください!



最後にちょっぴりポエムです。(もしかして、ここまでもポエムでした…?)

僕は、23歳で子供が生まれた時「自分が大きな挑戦をできるのは、40歳を過ぎてからかな…」と、人生をぼんやりと諦めそうになっていました。けれど、何かと言い訳をつけて、自分の心に素直になれない人にはなりたくないという反骨精神も生まれ、結局いろいろ挑戦しています。こうして「諦めない大人」が増えたら、日本はもっと豊かで幸せな国になるのではないかと思っています。もちろん、挑戦は怖いです。でも、誰かの挑戦する姿を見て「もしかしたら、自分にもできるかも…?」と思うことがこれまで多々ありました。だから、まずは自分が、不格好ながらも、挑戦をし続ける、そんな姿を等身大で表現していく。そんなことを大切にしていきたいです。

やりたいことを堂々と叫んで、そんな姿を晒しても足を引っ張られることがなく賞賛され、ポジティブなエネルギーが循環していき、また誰かの挑戦が始まる。誰もが自分らしく、生きやすい社会をつくっていけるよう、全力で頑張っていきます!!!

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