見出し画像

【読書感想文・Life Shift2(アンドリュー・スコット・リンダ・グラットン・池村 千秋 (翻訳))】ベストセラー自己啓発本から学んだ「異なる視点から『年齢』をみる」重要性

ベストセラー本のLife Shift。その続編であるLife Shift 2を読みました。

今後起こるであろう変革に対応するためのスキルを、具体的に示してくれている良書です。

以前、Life Shiftを読んだ学生に、同書について聞いてみたら、「あまり惹かれなかった」と言っていました。自分としては、「確かに」と思います。なぜなら、結構大きな「壁」にぶつからないと、本書に書いてあるような知識を得ようと思わないからです。

反対に、現在壁にぶち当たっているような感覚があり、この先の人生が不安である、という人には非常におすすめであり、ある程度の道標的な知識を授けてくれると思います。

自分が学んだのは、とにかく

何歳からでも変化できる

ということです。この「変化」というのは全く異なる世界へ飛び込むような感じではなく、どちらかというと「修正」という言葉が合うかもしれません。でも、小さな修正の継続により大きな人生の変化が得られる、という思いを込めて、あえて変化としたいです。

本書で学んだことは「個人」の視点と「大学教員」の視点のふたつで大きなものがあります。それぞれ書いていきます。

個人:異なる視点から年齢をみる

まず、個人の視点については、年齢に対する視点を分散させることです。本書では、5つの年齢の見方がありました。その中でも、自分は「暦年齢」「生物学的年齢」「精神年齢」について自分なりの意見も含みながらまとめてみます。

暦年齢は、誕生日が来たら1増えるただの数字です。人はこの数字に左右されがちです。ですが、同じ80歳でも、デヴィ夫人のようにとても若く見え活動的だったり、ヨボヨボのお婆さんに見え寝たきりになったりと、個々人で「生物的年齢」違います。

 まず、自分が重要なのは、人生100年時代においては「健康寿命を延ばす」すなわち「生物学的年齢の進行を遅らせる」ことと思います。暦年齢にとらわれず、自分の健康状態、体力を客観的にみて、それを維持し、できるだけ活動的な人生をおくることを大切にしたいですよね。自分としては、80歳くらいまでは「仕事」ができる体力を維持していたいです。デヴィ夫人など元気な80代の皆様をみていると、可能ではないかと思います。変化には体力が必要です。しっかりと体力維持はしていきたいです。

 次に、精神年齢についてです。こちらの年齢は「早く成熟させたい」です。仕事効率、人付き合い、など人生のスキルレベルがこの年齢に対応していると思います。周りに、年齢はあまり変わらないのに、「幼く見える」とか「すごく大人に見える」人はいます。大体の人は「年齢より大人に見える」ようになりたいですよね。そのためには、いろいろな経験が必要だと思います。その経験を積むためには、「活動的である」ことが求められるので、「生物学的年齢」と「精神年齢」はある程度相関があるのではないかと思いました。

 できるだけ健康を維持し、精力的な活動を継続することで、自分自身を変化させ続ける。これが今考えている理想です。

大学許員:「学び直し」の受け入れ体制を整える必要性

 大学教員としても、人生100年時代は転機です。少子高齢化よにより、現在の「高校生卒業者、就学前の若い世代メインの学生割合」に着目した大学運営は、いずれ崩壊すると予想しています。なぜなら、それに着目すると、出生率とともに大学数を減らす必要があるからです。

 一方で、すでに始まっている転職時代が本格化すると、確実に「学び直し」をする「大人」が大学で学ぼうとします。現在も聴講生、社会人ドクターのような名目で学んでいる方々はおられますが、その絶対数が多くなり、もしかすると、将来は若い世代と同等になるかもしれません。この「学び直し」の大人にターゲットをにした大学運営を行う必要があると、本書を読んで感じました。

 また、アメリカなどでは、その転換を早くから察知し実際に行動を起こしている大学もあると本書にありました。まだ「始まったばかり」というのはかなりの好機なんですよね。今の日本の大学の理系全般に言えることは、「女性の数を増やす」ことに注力している気がするのですが、それは「日本全体で取り組んでいること」なので、おそらくあと数年で大学の特色が出なくなります。一方で「学び直しの大人」をターゲットにすることは、おそらくですが日本のほとんどの大学でやっていません。これをいち早く取り入れ、少しずつ運営体系を変化させた大学が将来生き残ると、個人的には思います。

 スピード感のある行動がとれれば、と切に思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件