誰もが、自分を肯定されたい。

誰もが、自分の心に不足を感じることがあります。

なんとなく満たされない気持ちや、スッキリしない感じが心に残っていて、その原因が分からないまま、日々を過ごしているでしょう。

その不足感の正体は、ズバリ、“肯定感”だと思います。

そのことを、ヘッドマッサージ店が気づかせてくれました。

ヘッドマッサージ店は、リラックスした空間で、ガチガチに固くなった頭をほぐしてくれます。

頭のマッサージで、体の緊張が徐々にほぐれていき、注意深い僕でも施術中は眠りについてしまいます。

約60分の施術が終了した後、担当してくれた女性店員の方が、僕の頭の状態について教えてくれました。

「あの・・・、頭がすごくガチガチになっています。60分させていただいたのですが、元通りまでほぐすことができませんでした…」

僕の頭は、プロの技術を相手にしても、手強かったようです(笑)。

そんなに自分の頭がガチガチになっているなんて思ってもいなかったので、頭が固まっている原因についてききました。

「前頭部、頭頂部が固まっています。普段からすごく考えていらっしゃる人が固まりやすいのですが、そういったお仕事をされているのですか？」

僕は、その言葉をきっかけに、普段の自分の仕事ぶりが頭を固くしていることを知りました。

自分が企画やネタ出しをしている仕事を伝えると、店員の方は納得していました。

「そうなんですね！すごーい！　他にも、側頭部の方が固まっています。人の意見をよく聞いてお仕事されてらっしゃるのですか？」

僕は、すぐに「そうなんですよ～！」と、自分の苦しみを伝えました(笑)。

前日まで、先輩と後輩の板挟みにあって、僕は人の意見と人の意見に挟まれて、常に瀕死状態でした。

さらに、僕のちょっとした努力も、言い当ててくれました。

「すごい！やっぱりそういう仕事って、それだけ周りの意見も聞かなきゃいけないんですね。それに比べて、肩周りとかはあまり固まってなかったように感じたのですが、何か自分で気をつけてらっしゃるのですか？」

僕は、その言葉に感動してしまいました。

実は、肩凝りは以前からの悩みだったので、パソコンを自分の目線に合わせたり、どんなに忙しくても１時間に１回は席を離れる仕組みを作ったり、週に数回は運動するようにしていました。

自分でも、そのおかげで凝りは解消している気がしましたが、改めて他人に言葉にされると、自分の努力を認められた気がして嬉しいものです。

そのことを店員の方に伝えると、今度は拍手してくれました。

「えー！すごい！こうして、自分で気をつけてらっしゃるって、すごく偉いことですよ！」

もう、肯定感のオンパレードです(笑)。

自分の状態を客観的に見られて、苦労や努力を他人に言語化されて、さらにそれを肯定されるというのは、とても気持ちが良いものです。

もちろん、固まっていること自体は良くないことなのですが、体に出るほど自分が頑張ったという証拠でもあるので、自己肯定感にも繋がります。

僕も、誰かの話をしっかり聞いたり、顔色をよく観察して、相手に肯定感を持たせるような言葉をかけてあげたいなと思いました。

じっくりと僕の頭と向き合ってくれたからこそ、僕の苦労や努力を的確に言い当てて、僕は心身ともにほぐれていきました。

相手のことをしっかり読み取って、相手の苦労や努力を言葉にすることは、偉大な力を持ちます。

そのおかげで、僕は元気になれたのですから。

もしくは、女性に「すごーい！」と何度も言われたから、単に嬉しくなっただけなのかもしれませんが(笑)。