見出し画像

話し方に正解はない。

僕は昔から、話し方にこだわりがあります。

さまざまな人の話し方がありますが、その中でも困る話し方があります。

相手「この前、行った店さ、本当に美味しかったんだよね!」

稲本「へえー。何食べたの?」

相手「指宿の方にあるんだけど、その料理がジーマーミー豆腐をもっと高級にした感じなんだけど、もう一口食べてみたら、ほっぺが溶けたぜ!そしてさ、あっそうだ、お前『指宿』って、分かる?」

稲本「んー、わかるわかる!(知ったかぶり中)」

相手「指宿って鹿児島にあるんだけど、その店のおばあちゃんが良い人でさぁー・・・、そうだ、豆腐ようって知ってる?」

稲本「あぁー、うんうん(知ったかぶり中)」

こんな感じの話し方の人は、すごく困ります。

僕としては、とりあえず気持ちよさそうにテンポよく話してもらいたいのに、急にブレーキをかけて質問を投げかけてくると、どういう顔をしていいか分からなくなります。

僕が正直に質問しても、その説明が下手くそすぎて、その先のおばあちゃんエピソードが聞けなかったり、さっきまでの勢いが衰えていたりすると、「あぁ、聴かなければよかった!」と後悔します(笑)。

なので僕は、相手が分からなそうなワードが出ると、言い換えたり、言葉の意味を説明します。僕がさっきの話をするなら、こう言います。

稲本「その店は、鹿児島県の指宿市っていう街にあるんだけど、その料理を一口食べたら、マジでほっぺが溶けたよ。沖縄出身じゃないから知ってるかどうかわからんけど、沖縄料理のジーマーミー豆腐っていう、豆腐に甘いたれをかけて食べる料理に近い!」

これなら、相手に質問させないでも、そのまま話すことができます。

もし知っていた場合も、僕がテンポよく話しているそばから「知ってる!」と共感すればいいだけですし、一方で知らなかったら、そのまま聞くことができます。

僕は、相手に気を遣って話せる自分を誇らしく思って、そういうことができていない友達を注意していました。

その友達は、中学校の同級生の母親に、知らない固有名詞をバンバン出して、親世代がついていけない流行の話をしたりして、話を進めていました。

彼が話し終えた後に、「あのさ、小学校の同級生の名前、いきなり出されても分からないだろ!」と軽くつっこんだのですが、その同級生の母親は、「それは全く気にしないで良いよ!本当にいい!」と、僕の気遣いが全くいらないと言いました(笑)。

僕のように、意味も分かりつつテンポよく話を聞きたい人もいれば、意味が分からなくてもテンポよく聞ければいいと思っている人もいます。

「話」というのは、意味を伝えるだけのものではなく、その人の表情や気持ちだけを伝えるのも、立派な話し方なんです。

面白く分かりやすく伝えることが一番ではないと知った方が、かえって自由になれて、より面白さが伝わるのです。

面白いと感じてくれた方、よろしければサポートお願いします。純粋に僕が嬉しいだけでなく、もっと量が多く、もっと高品質な作家活動ができます。どうぞ、よろしくお願いします!