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距離を置くから、強く結ばれる。

恋愛関係で「距離を置きたい」と言われれば、なんとなく別れてしまう気がして、不安でならないですが、距離を置くことって、関係性を円満にするためには必須じゃないかなって思います。

あくまで僕のやり方ですが、友達だろうが恋人だろうが、どこかのタイミングで必ず距離を置きます。同じ東京にいても、久しぶりに会いたいと思っても、あえて1年ぐらい距離を置きます。

距離を置くタイミングとしては、相手と自分との距離感が変わるときです。例えば、友達に恋人ができたとき、恋人が近くに越してきたとき、自分がその街を離れるとき、自分が転職するときなど。

どうして、こんな我慢大会みたいなことをするかというと、関係性を強くするためです。誰かに甘えられる環境だと、依存先が簡単にそばにあると、その人に頼りすぎてしまったり、逆にその人を甘やかしすぎてしまったりします。

どうしてもその人との関係性は、一定の量で出来上がっていて、近い距離感であれば深くなったり、遠い距離感であれば浅くなったりします。

距離感というのはコップやグラスなどの容器みたいなもので、友達や恋人との間柄でその容量を決定しています。例えば、小学生から10年以上友達で、最近も頻繫に会う場合は、とてつもなく深さも広さもあるジョッキグラスのような容器で接し合いますし、小学生から10年以上友達だけど、3カ月に1回しか会わない場合は、マグカップぐらいの容器を持ち合います。相手がマグカップを持ってきているのに、こっちはジョッキを用意してしまうと、相手としてはそんなに深い話なんてするつもりないので、結構面倒になってしまいます。ジョッキとマグカップでは、注ぐ量も変わってきますし、飲むもの自体も変わってきますので。

そのまま続けてしまうと、「以前はこうやってたのに…」「意外とこいつ、こんな感じなんだな…」という負の感情が生まれやすくなってしまいます。そして、うまくいかなくなってしまうのです。距離感(容器)が変われば、接し方(容量)も変わっていくべきなんですが、一度頭の中で構築されたその人との接し方は、距離に応じて簡単に変化できません。以前のままだと思っていても、相手に何かしら変化は起きていますし、それをすっと受け入れることも難しいです。

そこであえて、容器も容量もゼロにして、自ら破壊することを選びます。ゼロにすることによって、相手のありがたさが分かります。相手がいてくれてるだけで良いと思えたり、相手の話を聞くだけで良いと思えたり、不思議と新鮮な気持ちを抱けるようになります。それとともに、相手への思いやりも持てるようになっていきますし、一度ゼロになったので、また新たな距離感を構築することも難しくありません。

もしそのタイミングで距離を置いていなければ、友達が急変してしまったように感じたり、恋人が重く感じたりします。しかし、距離をゼロにしているので、変わっていてもそれが当たり前と捉えることができるため、その変化すらも面白いものとして見ることができます。

距離がゼロになった時、周りに誰もいない気がして、孤独だと感じることもありますが、それでいいと思うんです。また再会した時に、各々が孤独に奮闘したからこそ聞けるすがすがしい言葉は、互いの関係性を強くします。


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