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仕事に必要なのは、小さな愛の拡大。

何に取り組むでも、最も必要なのは「愛」だと思います。

元々好きでもないものだとしても、その一部でも良いから「愛」を持てば、その事柄は楽しくなったりします。

基本的に興味のないことをやりたがらない僕でも、あまり好きでもないことを楽しく思える瞬間がありました。

それは、レストランでのアルバイトです。

僕はレストランで調理を担当していたのですが、最初のころは何にも楽しくありませんでした。

僕は手先が器用ではないので上達しませんでしたし、一秒でも早く帰りたかったし、これからも愛情を持つ予定は全くありませんでした。

それが、ある日を境に見方が変わる瞬間がありました。

調理のアルバイトを始めて2年ほどたった時です。その時、自分の仕事について考えてみたのです。

当時の僕は、他の人よりも長い時間働いていたため、いろんな物事を計算しながら仕事を進めることができました。

急がなきゃいけない仕込み、急がなくても良い仕込み、効率の良い仕事の順番、誰がどんな作業が得意なのか、作業スペースの使い方など、それをすべて把握したうえで仕事を他の人にお願いすることができました。

しかも、命令っぽく言うのではなく、多少笑いを交えながら仕事をしようとするのは、僕しかいませんでした。

その自分に気がついたとき、ちょっとした愛情を持つようになります。

自分の判断が当たること、自分がいるだけで雰囲気が良くなること。

これだけで助かっている人は、どれだけいるだろうか。

僕が入った時には、がみがみと他人を責める先輩しかいなくて、悪い雰囲気の中で働かないといけませんでした。

ただ、僕はそれがイヤだったので、他人を責めるのではなく、どんな新人でも褒めながら楽しく仕事をしていくようになっていました。

もし自分が新人だったら、かなり助かりますし、楽しく働けます。

作業が好きなわけでもないですし、食に興味があるわけでもない僕が、自分が愛を持ってやれることに気がつくだけで、自分自身が変わっていきました。

それに気がつくだけで、今まではただの作業だった仕事が、違うものに見えてきたのです。

さらに僕は、人を褒めることに磨きをかけていきます。

ちょっとした気遣いができた人には過剰に礼を言い、作業が速い人には大げさに助かったことを伝え、注文が立て込んだら「これは、僕らしか越えられない壁ですね」とか適当なことを言っていました(笑)。

こうすることで、周りの人が楽しくやってくれるので、僕としてはそれで満足でした。

僕は、調理作業とは全く違う部分に「愛情」を持つことができ、調理作業だけが仕事じゃないと気がつくと、一気に楽しくなりました。

つまり、部分的な愛を拡大すれば、仕事は楽しくなります。

仕事の全てを好きになる必要もないですし、全てを好きになれる仕事もないと思います。

他人よりも愛情を持ってやれることを見つけるだけで、いつの間にか楽しくなっていくのが、仕事なのかもしれません。

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