高級品には、価格に見合った役割がある。
僕は、自分の使うものにこだわりを持つタイプの人間です。
ノートの値段は、約1000円。ステンレス製カップは、約2000円。シャープペンと赤黒ボールペンも備えたペンは、約3000円。
たったこれだけで、新作映画を3回観れちゃいます(笑)。
今ではそんなことを言っていますが、実は僕、大人になるまで何かにこだわったことはありませんでした。
特に文房具なんて、書ければ何でも同じだと思っていたので、友達のものを借りパクし続け、それをコレクションにしていたぐらいです(笑)。
まともに文房具を買ったのは、22歳の時でした。
その時も、高級店で使える商品券をもらい、それを消費するために、「じゃあ、ペンとかマグカップとかを買おうか」と仕方なく買ったのです。
いざ買うとなったら、貧乏根性が前に出てきて、「せっかく高いものを買うなら、より良いもの、より長く使いたくなるものを買おう」と、店頭で2時間ぐらい悩んで、商品の購入を決めました。
こだわり抜いた道具を持つと、不思議なことに、前向きな気分で仕事ができるようになりました。
すべて、デザイン性と機能性を比較検討して購入しただけあって、やはり、それなりの仕事をしてくれます。
道具たちを見るたびに何度も触れたくなり、その道具に触れたいからこそ、ノートにありとあらゆるアイデアを書きだします。
このノートとペンを使って文字を書くと、あまりにも使い心地がよくて、書くことから離れたくなくなります。
あまりにも滑らかに進んでいくので、その勢いでどこまでも走りたくなってしまうのです。
おかげさまで、しょうもない絵や、どうでもいいアイデアも生き生きとしてきます(笑)。
それらが僕の気分を上げてくれて、毎日の創作を継続させてくれます。
今までの僕は、高級時計を身につけている人をうっすら笑っていました。
「それを身につけて、威張り散らしているだけだろう。ただのムダづかいだよなぁ」と、内心思っていました。
でも実際は、その人たちも今の僕と同じ気持ちなのかもしれません。
たまたまこだわる道具が違うだけで、その人たちにとっての高級時計は、自分を働きやすくするマストアイテムの一つで、それに触れるたびに内心ワクワクしているのかもしれません。その時計を買うまでに、たくさん悩んで、選び抜いた背景があるのかもしれません。
仕事道具にこだわった、今の僕なら理解できます。こだわりを持った高級品は、価格に見合った役割があることを。
これからは、友達の高級時計を見て、ほくそ笑むのではなく、その高級時計についてのエピソードでも、きいてみようと思います。
そこには、その人のストーリーが隠されていて、いつも元気でいられる秘密が詰まっています。
そして、今までバカにして、申し訳なかった・・・(笑)。
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