北国暮らしの宿命で永遠の課題である除雪について考えてみる
北国必須の除雪という宿命
いくつかのnoteでも記載している通り、今年は例年にないくらいの大雪の年。何度除雪をしても降り積もる雪に殺意を覚えています。生活がハードモード。北海道でも札幌や旭川などそれなりに大きな地方都市であれば除雪の民間業者がいるようですが、北海道のひだりうえの小さなまちには除雪を専門に行う民間業者はありません。
行政や社会福祉協議会が行うサービスとして、玄関先の除雪などは行っているのですが、ベランダや窓、屋根の雪下ろしは正式なサービスとして行っておらず、ほとんどが親族・隣人・知人で行える人たちでまかない、田舎ならではの「困ったときはおたがいさま」という精神によってなんとか成り立っているような実情です。
NPO法人えんおことして、毎年10件程度の依頼を受けて除雪支援を行っていますが、今年は例外。例年以上の問合せが来るわけですが、3人の組織で主となる事業を複数受け持っている状態では壮絶なほどに手が足りません。あと、なにより少人数で除雪作業に向き合うのは精神的な苦痛がすごい。助けてあげたい気持ちはあるのに全然気持ちが前向いていかない。この辺の気持ちは北国で暮らしている人であれば共感できるはず。
マンパワーで解決するという力技
そんな現状にビクビクしている矢先、遠別町で活動している青年部連携団体「和遠」のメンバーから「今年の積雪で困っている人がたくさんいそうだし、除雪支援をしてみてはどうだろうか」という声が上がりました。自分も所属している団体ですが、この一言のおかげでファ〜〜っと心が救われました。めっちゃいい団体...。
和遠は、町内の商工、漁協、農協、役場の青年部を中心に2017年に設立された、町内でのイベントや特産品開発などの活動を中心に行っている団体です。
そんな一言から約1週間程度の期間で段取りがついて、町内の約80件ほどの住宅を対象に除雪ボランティアを行いました。こうやってスピーディーな対応が取れるのも若い組織ならではの動き。前置きが長くなりましたが、活動の様子や感じたことなどを記載していきます。
除雪作業の様子
約80件の対象者を5人一組、8組に別れて町内全域を手分けして除雪していきます。
多かったのはやはりベランダや窓周辺の除雪。屋根から落ちる氷のような固い雪を除雪するのはかなりのパワー勝負。
様々な種類のスコップを駆使して作業を進めていきます。5人で行うということもあり、だいたい30分ほどで作業終了。
除雪のお礼=リポビタンDの割合は高いです。「本当にありがとう」という言葉をいただいて次の現場へ向かいます。
こちらもやはり窓際の固い雪。
一人だと苦しい作業も、たわいのない会話を交わしながらいつもより気軽に作業を進めます。
途中、差し入れの缶コーヒーをいただく。(エメラルドマウンテン)
30分ほど、1mちょっと掘り進めて作業終了。一人でこの作業をするとなると、かなりの時間がかかりそうです。
住宅の除雪が終了したあとは、認定こども園へ。この場所の除雪も、当初予定していませんでしたが、和園メンバーのひとことから除雪することになりました。
この日は中学生もお手伝いに来てくれていました。
真冬の外で半袖になるほど本気で氷を割ってくれた人(地元の同級生)。順調に作業が進み、予定している時間よりかなり早く除雪ボランティアが終了しました。
除雪について考える
ボランティアだと長続きしなそうだし有料でやる?本当のニーズは屋根の雪下ろし?対象者をどうやって絞る?
実際に除雪ボランティアを実施するとなると検討が必要な課題が浮き彫りになります。今回は完全ボランティアで、事前に75才以上の独居世帯という対象に絞って実施しました。
一時、えんおこで除雪を請け負う算段で話を進めていた際には有料で検討していました。時間も体力も使う除雪作業、生産性のある時間として使うことが民間としては当然であるということ。有料にすることで依頼のハードルをあげることができる(可能な限り自分で除雪をしてもらうことを前提)という点から、そのように考えていましたが結局のところ「逃げの一手」のような、その場しのぎのルールでしかありませんでした。
除雪と暮らし
一度の除雪ボランティアの実施を通して、「一人で考えなくてもいいんだな」という救いのような気持ちと、これから先、何度もぶつかるであろう除雪と暮らしの課題について、すこし前向きに向き合うことになりました。
考えてみるだけで、まだまだ結論は出ないわけですがまずは手と足を動かして近くの課題を解決することで今年はいいかな、と。こうやって、課題感を持って挑んでいくことが大切な気がします。
そして今年はもう降るんじゃないよ、雪。
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