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【協働する探究のデザイン】 書評#90

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、教育における探究についてです!
著者の藤原さとさんの本は、おそらく2冊目の読了と思われます。

ヘッダーは、ウィコラさんの作品を使わせていただきました!

探究は、決して一人ではできないと思います。
それを象徴するものにしようと探したところ、素晴らしい絵が出てきました。
ありがとうございます!!


目次


基本情報

藤原 さと(著)
平凡社 出版
2023年5月24日 第1刷発行

全302ページ
読書所要期間5日

私が本書に出会うきっかけ

本書は、著者の「探究」に関する続編と言うべきものだろう。
前作を何年か前(noteでこうした活動をする前)に読んでいたのだが、本作があることを知り、早速手に取った。

前作を読んだきっかけは、私の仕事に結構ど直球で関わることと言って良いので、自己紹介に書いたマイルールに基づき割愛するが、仕事上の企画立案をする上でのベースとなる考え方をいただくことができたと感じており、本作もなんらかのヒントをいただけるのではないかと期待があった。

この本の本質

「早く行きたいなら一人で行け、遠くまで行きたいならみんなで行け」

私もこれまで見聞きした言葉であるアフリカの格言。
本書の中でもこの言葉が取り上げられていた。

「探究」への歩み、そして「探究」そのもの(本質)は、まさにこの言葉が表しているように私は感じている。

探究とは、VUCAの時代において遭遇しやすい未知なるものに本当に出会った時の私たちの”ふるまい”を学ための基礎トレーニングだと思っている。

そしてこの探究は、上記格言にもあるとおり、一人で考えるものと他者との協働によるもの双方のトレーニングが必要なんだろうと思っている。
いや、一見一人と見えるものも、決して一人ではない。
全てを一人で達成することはありえない。

本書は、探究を探究するキッカケを与えてくれるものだ。

私が感じたこと

1点目 〜デューイによる探究の定義

探究の、とりわけ学校の授業におけるあり方については、正直かなり難しい。
その本質を捉えることも難しければ、その具体的な実践スキルを捉えることもまた難しい。

しかし、デューイの著した「論理学」に基づき、著者の知見を踏まえた、かつ、具体的事例を交えた探究の説明・定義が試みられている。
「これは、果たして探究なのか?」
という問いかけがあるのだが、これはとてつもなく示唆に富む。
ぜひ直接読んでいただき、みなさんの考えと照らし合わせていただきたい。

そして、いったい何が探究なのか、あるいはそうでないのかを一つひとつ紐解いていくと、より学びが深くなるのではないだろうか。
(ちなみに私は、教育の素人なのでそこまでしていないw w)

2点目 〜遊びと探究の関係

これは、本書にある項目である。
ここを読むなかで感じたのは、探究をベースに考えたとき、
遊び、学び、仕事は、果たしてそれぞれ別の行為なのだろうか?
ということ。

私は個人的に分かれるものでないと考えているのだが、例えばワークライフバランスの観点や、これらをベースとした昨今の働き方改革関連法など法律面からの観点だと、基本的には、少なくとも遊びと仕事は分けられるべきであろう。
また、我々保護者一般は、「遊んでないで勉強しなさい!」と言いがちである。
つまり、遊びと学び(勉強)は、別物と考えることが多いだろう。

そう考えると、こららは完全に区別される。
しかし一方で、その遊び、学び、仕事をする主体としての個人、もっと言えば、私自身は、完全に区別して生活できるだろうか?
時間的な区別は可能であろう。
しかし、
遊び心をもって楽しく学べないだろうか?
楽しく仕事ができないだろうか?
楽しければ、学びも仕事も遊びとは言えないだろうか?

そんな事を私は考えている。

これはつまり、遊びが、学びや仕事に対する態度を深めていく、質が上がっていく、そうした循環を生み出せるのではないだろうか?
そして、その好循環が「探究」なのではないかと解釈している。

探究とは、なにやら最近出てきた新たな授業スタイルという事でなく、私たち人間の豊かな生き方のスタイルであり、それを身につけてもらう、気づいてもらうという学校内での大人たちの在り方、そしてそれを受け取った子どもたちの目指してほしい姿を指すのではないだろうか。

3点目 〜探究の究極の目的

本書は、全部で9章立て。
ラスト第9章が本項のタイトルに用いたものと同じである。

第1章から8章では、基本的な探究の考え方や具体の実践事例まで、様々論じられているが、ラスト第9章がまさに私が最も知りたかった、興味深い部分だったように感じている。

良い探究と悪い探究
勝つための探究
儲かる探究
などなど世間を見渡せば、様々な探究が溢れていると言える訳だが、

・自分自身に取っての良い探究
・本質を掴む探究
・幸せになるための探究

というものを見つけるヒントがあったように感じている。

むすびに(まとめ)

「探究」は、専門家やそれを勉強した人だけが行うことができる特別なスキルではないと感じる。
「探究を探究」した人が、意味ある取り組みを現に実施しているということなのだろう。
その人だって常に「探究」という模索を繰り返しているのだと思う。

その意味で「探究」は、今すぐにでもできる学びの枠組みなんだと感じた。


以上です。

「探究」に限らず、今教育界で話題のワードがバンバン出てくる感じで、学びになることが多すぎる一冊だったという印象を受けました。
この考え方がすべての学校に伝われば、家庭でも積極的に取り入れられれば、日本はますます良い方向に向かうと確信します。

ありがとうございました!!

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