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【地域・学校の協働が醸成する「まちづくりマインド」】 書評#85

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、学校と地域が協働するまちづくりについてです!
私の仕事の一つと言っていい分野です。

ヘッダーは、にしはらあやこさんの作品を使わせていただきました!

本書のテーマを「地域社会」と捉えたとき、にしはらさんの作品は、古き良きふるさと・地域といった印象を持ちますが、それと同時に、現代社会へ様々な挑戦をする、新たな文化や環境を創り出していこうとする時の安全基地としてのふるさとといった意味合いにも捉え直すことができるのかなぁと感じています。
とてもあたたかい作品で、使用させていただきました!!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

時岡晴美・川田学ほか(著)
福村出版 出版
2022年3月15日 第1刷発行

全206ページ
読書所要期間2日

私が本書に出会うきっかけ

私は、4人の娘の父である。
4人は、現在同じ学校に通っているということもあり、比較的長くPTAに役員として参画している。
しかし、従来のやり方で本当に良いのか?という課題感があった。

それは、
「あまりにも学校に頼りすぎてやしないか?」
という気持ちからである。

自分たちの子どもを預かってもらっているのに、私たち保護者が
・関わらなさすぎ
・任せすぎ

ということである。

こういった課題感に端を発し、地域と学校の関わり方について思うところ(関心)がある。
これも根っこは上記と同じで、
・地域も学校に主体的に関わらなさすぎ
・学校も地域と距離を置き始めて久しい

という気がしている。

デューイ曰く、
「学校は、手本となるべき現代社会の縮図」
であるとするならば、
学校づくり=地域社会づくり=まちづくり
であると言えるのではないか。

とすれば、
学校が元気になれば、マチも元気になる。
マチが元気になれば、学校も元気になる。

こういった関係性を創りたいと思い色々学ぶ中で、本書に出会った。

この本の本質

意外と学術的には明確に定義されていないと言われる『まちづくり』という概念。
本書では、次のように定義されている。

「まちや地域が『こうあったらいいな』と共感する将来像に向かう主体的な取り組みや活動の総体」

本書P3

とは言え、日常ではいちいち、
「これは、まちづくりだね!」
「私たちのまちづくりの目標はこれだよね!」
と確認した上で、共感的に取り組まれているものは少ないのではないだろうか。
私が取り組んでいるPTAは、まさにこれに当てはまる。
「まちづくり」とは捉えていない。

しかし、数多あるこれらの市民活動の全てが、実は「まちづくり」の一環であるということにフォーカスを当てる、捉え直すのが本書の本質であると考える。

私が感じたこと

1点目 〜ボランティアとは・・・

ボランティア全てがまちづくりにつながるとも、まちづくりが全てボランティアから成るものとも言い切れない。
しかし、まちづくりにおいて、ボランティアは極めて重要な、欠かせない要素であると考えている。

私の実践で言うと、
PTA・部活動保護者会・自治会町内会・消防団・NPO活動その他の地域団体活動、そしてnoteでも日々の取り組みを公開しているパピーウォーキング。
パッと思いつくだけでもこれだけ出てくる。
もっと考えれば、まだまだ実践するボランティア活動が出てくるだろう。

そして皆さんにも、大なり小なり、様々なボランティア活動をされているはずである。

これらは必ずしも、まちづくりのためにやるべきと言うつもりはない。
誰かのため、自分のため などなど・・・

しかし、自分を含む誰かの何かに役に立てば、それはマチのためになっているとも言えるのではないだろうか。
そうして支え合うのが、そうして成り立っているのが社会であり、マチなのだろうと思う。

本書P139から、ボランティアをする際のコツ/ポイントが記載されている。

私が、そして仲間たちが大切にしてきたこともたくさん書かれてあり、なんだか少し嬉しかったと言うか、方向性としては必ずしも間違っていなかったんだなぁということを再認識できたことが良かった!

2点目 〜大人が子どもを育てるのか?

言うまでもなく、赤ちゃんは特に、生まれてすぐは一人では生きられない。
食べることもままならず、着ることもできず、一人で寝ることすらできないと言っても過言ではない。
しかし、だからと言って”子どもを育てる”とは、大人の一方的な行為と言えるだろうか?

自分自身も、4人の子どもの成長を間近で見守らせていただく立場の人間として思うことは、自分も大人として、随分子どもたちに成長させてもらったということを痛感している。

本書にはこういった内容も盛り込まれているのだが、更にこれは地域と子どもの関係性にも当てはまると指摘されている。
そして更に、この関係性を学校と地域にも当てはめた時、昨今言われている学校と地域との「協働」のあり方を極めてわかりやすく捉えることができるだろう。

学校が地域に支援されて変化するときというのは、地域が学校によって支援され、変化しているときのみである

本書P164 北海道大学院教育研究院 加藤弘道氏

どちらか一方が、どちらか一方に対して支援し続けるだけの関係性は、続かない可能性が高い。
仮にそこから何か生まれたとしても、それは一時的である。
常に何かを生み続けるためには、互いを支え合うこと、支援の往還が必要であり、それが「協働」なのだと言うことを再認識させられた。

むすびに

日本社会が久しく抱える閉塞感の打破は、誰かがやってくれることではない。
各人それぞれが、目の前にあることをやっていくことが非常に重要なのだと改めて思い知らされ、勇気をもらった。
そして、その勇気に基づく行動の全て「まちづくり」につながる可能性の非常に高いものであるということを学んだ気がする。

こうしてマチを考えることが、ひいては日本社会や世界全体をより良いものへ変化させていくのだと思う。

本書は、学校と地域との協働についてタイトルが付けられているが、学校のみを考えるのは、あまりにもミクロだと痛感した。


以上です。

偶然にも本書は、私の仕事上で何度かお世話になった先生も寄稿されているものでした。(名刺交換くらいなので、先方は全く私を認識していないと思いますがw)

その先生の本も読んでみたいなぁと思っていたので、ある種一石二鳥のような気分でもありますw

私の住む北海道にある北海道大学。
その先生方がお二方も寄稿している本書。

道民としても、とても嬉しく興味深い一冊でした!!

本日も、ありがとうございました!!

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