見出し画像

【21世紀の資本】 書評#54

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、ピケティです!!
これまでの私の読書史上最大のチャレンジとなりました。
正直全くの素人が苦労して読んだレベルなので、プロの方々にとっては大した内容ではありませんが、せっかく多くの時間を費やしたので、少し書かせていただきたいかと思います。

※ヘッダーは、よっこいさんの作品を使わせていただきました!
まさにドンピシャ!ありがとうございます!


基本情報

トマ・ピケティ(著)山形浩生ほか(訳)
みすず書房 出版
2014年12月8日 第1刷発行

全608ページ
読書所要期間26日

私が本書に出会うきっかけ

いつも本を貸している職場の後輩がいる。
これまでにnoteで書いたもので言えば、サピエンス全史など。

その彼から「ピケティ持ってないですか?」と質問があった。
もともと彼は経済学出身。
おそらく以前から興味があったのだろう。

私は、名前しか知らなかったが、これを私は彼からのリクエストと認識し、ぜひ自分自身のためにも買おうじゃないかと心に決めた。

そして早速ネット調べてみると、値段を見て驚愕した・・・

そこで中古本市場の動向を、かなり長く見守り、ようやく購入するに至った。

そしていざ届くと、その分厚さにまた驚愕した・・・
ページ数までは把握していなかった。

この本の本質

本書を通貫するキーワードは、
「富の分配」=「格差是正」
ということになるのではないかと感じた。

経済学者である著者が、所得や富の分配に関連した資料を収集し、最終的にはそこから見出さされる課題に対して提言をする内容となっている。

つまり著者は、21世紀の夜明けを皆で臨むことを望むものなのではないだろうか。

私が感じたこと

1点目 〜本書から見る日本の現状

国民の所得が、民間資本の何%かを示す指標がある。
これが高くなれば、その国の経済全体が安定したことを示すということである。

日本の2010年頃は、600%くらい。
その頃の米国は、400%くらい。

安定している分、新たに投資を含む富の再配分がされにくいということでもあるという。
安定すると、相続等により身内へのみ富が移転されるケースが多くなるということで、著者は「世襲資本主義」と表現していた!

これは正直初めて聞いたのと同時に、とてつもなく納得のいくものであった!

2点目 〜労働か?遺産か?

金銭的、経済的に豊かになるためには、「労働」などから得る富と、世襲的に得られる「遺産」からの富のどちらが重要なのか?

少なくとも近代における2つの大戦期には、「遺産」を無力化し、歴史上初めて「労働」と「勤勉」が優位になったとしている。

果たして21世紀中に、このトレンドはどうなっていくのか?

私みたいな素人には到底わからないが、労働と勤勉が優位な社会は、私たち庶民にとって、そして格差是正にとっては魅力的ということになるだろうか。
これはこれで、また新たな格差を生むのだろうか。

皆さんも本書の著者の考えを通じて、色々と考えを巡らせていただきたい!

3点目 〜著者の提案

最終章の第Ⅳ部は、やはりとても興味深い。
起承転結のまさに”結”部分である。

近年の社会国家における財政支出の増大に影響を与えたものを大きく3つ指摘し、それらに対するとりわけ「格差」という視点での問題点と、それを解決するための適切な富の再配分に関する新たな手法を提案する。

この手法について詳しく書くことができない。
ネタバレになる問題と、私の理解不足の問題。
(後者が大きいのは言うまでもない)

しかし、少しだけ具体に書くとするならば、
・税
・公的債務
に関することである。

むすびに

本書は、格差是正に向けたポスト資本主義の提言と捉えることもできるのだろう。
しかし、「おわりに」の章の部分から考えるに、「政治への関心」、もっと言えば「民主主義の追求」みたいなことを訴えているように感じる。

なにも、これまでにない全く新しいカタチにしなくても、これまでの我々人類の叡智を結集して議論することで必ず道は拓ける。

著者は、そう言っているのではないだろうか。
そう思えた一説を引用し、締めくくることにしたい。

私の結論はすべて、本質的に仮のものであり、疑問視して論争されるべきものだ。

本書P601



以上です。

正直第Ⅰ部と第Ⅱ部は、めちゃくちゃしんどかったです汗
(約250ページ)
基礎知識編みたいな感じだから、数式のオンパレード!!

第Ⅲ部は、それらを踏まえてだんだん本質的・核心的な内容に入ってくる。
(約200ページ)

そして3点目で書いた結論的部分の第Ⅳ章。
(約150ページ)

ページ数としては、それぞれが1冊分となり得るボリューム感。
本当に手強かったです・・・汗

本書は経済学だけでなく、歴史学・社会学・政治学等を幅広く含む学際的なものです。
正直、数学的思考や知見のない私であるが、人文系に興味を持つ者として、非常に興味深い、今後の為になる重要な一冊となりました!

おそらくこれを読んだこと自体は、一生忘れないでしょう。
中身はさておいてw

本日も、誠にありがとうございました!

この記事が参加している募集

読書感想文

もしサポートしていただけるならば、現在投稿の軸にしている本の購入やパピーウォーキングにかかる経費に充てさせていただきたいと考えています。