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【サピエンス全史(下)】 書評#38

みなさん、いつもお世話になっております!
本日も、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

この作品は、年度末から読み始めました。
しかし、コロナも落ち着いてきて飲み会が復活してきたこともあり、全然読み進めることができない日が続きました。
読み終えるまでにとても時間を要しました汗

それでも、とても学びになる部分が多かったので、ぜひ書かせていただきたいと思います!

※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。いつも、ありがとうございます!


基本情報

ユヴァル・ノア・ハラリ(著/文),柴田裕之(訳)
河出書房新社 出版
2016年9月9日 第1刷発行

全294ページ
読書所要期間14日

私が本書に出会うきっかけ

#21で上巻について触れさせていただいた。
金額が結構する方なので、上巻を読んでから下巻を買うかどうか考えようと思っていた。
結果として、やはり下巻を読まずにはいられなくなり、購入したものである。

この本の本質・言いたいこと

下巻では、そのほとんどを「科学革命」の説明に充てている。
ちなみに上巻は認知革命と農業革命。

その本質は、著者から明確に問いとして投げかけられていると感じている。

人間はなぜ、研究を通して新しい力を獲得する自らの能力を次第に信じるようになったのか?

本書P 58

この問いに対し、近現代科学の特質と、これに関連する政治や経済の動きとそこに生きるホモ・サピエンスの性質について、説明と考察がなされている。

私が感じたこと

1点目 〜宗教から見る「人権」

本書の冒頭、第12章と第13章は、上巻第3部「人類の統一」の続きである。

人類の統一に大きく寄与する「宗教」
これについて、ホモ・サピエンスの特性から論じている章になるのだが、この視点から「人権」が論じられていると私は感じた。

そもそも宗教に、近代における「自由主義や共産主義」「資本主義」「国民主義」「ナチズム」といった自然法則までをも含めていることが衝撃であったのだが、ここからさらに「人権」を見つめているのである!

これまで全く想像もできない人権に対する視点を与えていただいたものと考えている。

2点目 〜無知な人

P 58からの部分。

「無知の知」というソクラテスの言葉があるが、私はまさにこの言葉の意味が科学革命に対する著者の説明から想起された。

科学革命が、端的に人間にとってどういうことなのかを、客観的・概念的に示してくれるパートとなっている。

科学革命にそういった見方があるのか!といったことが、ソクラテスの言葉と繋がって、私に大きな衝撃を与えた!

3点目 〜産業革命=第2次農業革命&消費主義&工業化された畜産業

第19章の部分。

産業革命には、
・第2次農業革命
・消費主義の確立
・工業化された畜産業

といった側面があることを著者は指摘する。

これらの言葉から、皆さんはどういったことをイメージするだろうか?
ぜひ本書をご覧いただき、自己との考えを比較していただきたい。

私にとっては、「第2次農業革命」という考え方が最も、
「冷静に考えればそうだが、案外考えてなかった・・・」
という意外性を感じた。

一方で、これら産業革命の話を通じて、
「私たちは、本当にこれで良かったか?」

そう考えさせられた。。。

私たちは、もうすっかり消費せずには生きられなくなった。

この先いったいどうすれば良いのか。
どうすれば、持続可能な社会・地球になるのか。

とりあえず今の私にできることは、消費を極力抑えることしかない。
あと、子どもたちと消費しない遊びをともに楽しみ、伝えていくしかない。

「遊び」すらも、もうすでに消費ぜずにはいられない社会になっているが、やはり抑えるということに繋げていきたいと考えている。

4点目 〜自然破壊

世間一般では一口に言われることもあるが、著者は
・資源の枯渇(不足)
・生態系の破壊

と明確に区別している。

資源については、むしろ増え続けており、今後もその傾向は続くと指摘する。
確かに、利用できる資源としての種類は増えていきているということは事実だろう。
とても説得力のある論である。

しかし、これもまたエネルギー消費拡大による地球へ与えるダメージ(温暖化など)とは区別されるべきであろうか。
そもそもCO2排出増加と地球温暖化因果関係はないとする論もあるから、区別もなにもないのか。

よって著者は、この自然「破壊」について、別の表現を用いている。
とても興味深い表現なのでぜひご覧いただきたい。

むすびに(まとめ)

サピエンスは、
これまで歩んできた道に後悔はないのか?
本当に進みたい道だったのか?

現代社会は、自らに課題を課して自らを追い込み、自らを苦しめるという負のサイクルに陥っているようにも感じる。

私たちが科学革命から得たもの。
それは、「物質的幸福」

一方で、ないと知ったのは、サピエンス一人ひとりの「心に注目すること」。
これは、今後特に重要になるということではないだろうか。

上巻で私は、
「果たして第4の革命が必要になるのか?」
という問いを立てた。

これが第4の革命に並び立てられるものとなるのかはわからないが、少なくとも私たち一人ひとりが真に尊重される社会、とりわけ日本では同調圧力のない社会が希求されていく必要があるように感じる。

無関心で干渉しない ではなく 人に心を寄せリスペクトし合う社会。
そして、私たちの棲家地球へも心を寄せ合う社会。

言い換えれば、
自分の周囲にある物質的幸福から一歩進んで、周囲に対する心理的幸福と、持続可能な地球の環境的幸福を追求する。

こういったものが求められていく必要があるのかもしれない。

ちなみに、著者は第4の革命とまでは言わないが、科学革命の新たな側面について指摘する。
これを起点に、サピエンスの歴史に幕を下ろす可能性すらも言及している。

この指摘はサピエンスにとってメリットなのか、デメリットなのか。
私にはわからないが、今できること・心を配れることを私なりにやっていきたいと考える。


以上です。
今回は、比較的長くなりました。
上下を通してそれだけ内容も濃く、とてつもなく多くのことを考えさせられる作品でした。

楽しかった!!

本日も、誠にありがとうございました!

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