KITE Inc.コラムを開始します。
初めまして。
KITE Inc.の稲垣哲朗です。
弊社は2018年11月に設立、現在5年目を迎えましたが、私を筆頭に経営兼ディレクター&プロデューサー、役員、そしてデスク、アシスタント、の合計4名の小さな小さな会社で、少数精鋭スタイルとして映像制作を行なっています。
現在僕はその小さな会社の代表をしており、コンサートや展示会など空間演出における映像を主体とした映像監督・映像プロデューサーをしております。
「空間演出における映像」と言ってもあまりピンとこない方が多いかと思いますので、普段皆さんが発しているワードで言うなれば、コンサートやライブにおいては「スクリーン演出」「ビジョン映像」「背景映像」。展示会だと「プロジェクションマッピング」、そして映画などのタイトルバック、MV(Music Video)など、一部お茶の間に浸透している馴染みのある言葉でイメージできるようなことを担当させていただいてます。
普段は裏方と呼ばれる舞台設営のいちスタッフとして映像制作のお仕事させていただいておりますので、なかなかこのような形で何かを発信する、というのも小恥ずかしいところもありますが、私たちが日常的に行っていることに興味を持ってくださってこれからのエンタメ界隈を目指される方にとっての何かのきっかけとなったら本望です。
不定期にはなりますが、ここからさらに弊社のことを知っていただけるよう、noteを通じてお伝えさせていただきますので、以後どうぞお見知り置きください。
KITEとは
KITE Inc.は2018年11月27日に設立致しました。
2023年秋で創業5年を迎えるまだまだ駆け出しの企業で、社会人で行ったら数々の素晴らしい先輩方の背中を追い続ける新人1年目と言っても過言ではありません。
KITEは「カイト」と読み、英語で「凧」を意味します。
(時々「キテ」と呼ばれますが、嫌いじゃありません笑)
ご存じのとおり凧揚げという遊びがあり、糸で繋がれた帆と糸を持つことによって風の力を受けて帆が空を飛ぶ伝統的な遊びで、僕も小さい頃は近所の公園でよく両親に連れられて遊んでいました。
一度でも遊んだことがある方ならわかると思いますが、帆の部分を片手に持って走りながら風の抵抗を受けながら空に上げ、上昇気流を利用しながら帆を飛ばす、という遊びなのですが、最初は帆の部分を空に上げるのが本当に難しい。
なぜか一生懸命走っても凧が上がらない、気づけば凧も引きづられてボロボロ、、こんな経験皆さんにもあったのではないかと思います。
つまり凧を飛ばすには必ず走りながら風の抵抗を受けてそれを利用して飛ばす必要があるわけです。
これを考えずに闇雲に走るとその凧はうまく飛べず、飛んだとしても上空ですぐ落下してしまう。そんな予測し難い自然の風を利用して飛ばすという今のようにものが溢れていなかった時代から受け継がれてきた非常に合理的な遊びな訳です。
でもなかなか思い通りにもいかない難しい遊びなのに飛ばせることのできた時のなんとも言えない喜び、僕はこの感覚がとても好きなのです。
と同時にこれを何かに似ていると思ったんですよね。
そうそれは「時代の変化」に似ているな、と思いました。
風
例えば映画や音楽、アート、それらをカルチャーと括った場合、カルチャーは時代の変化やその時の社会情勢などと共に新たな表現が生まれていきます。
例えば2006年頃Youtubeというインターネットの動画サービスが爆発的に普及し、映像鑑賞の方法が大きく変化しました。
毎日決まった時間に放映されるテレビのような時間的拘束を受けず、いつでもどこでも映像を楽しめる、そんなライフスタイルに大きく影響する革命的な事が起こり、販売促進のために作られたPromotion Videoも作品性が重要視されるMusic Videoという言葉に変化していきました。そのうちに映像は無料で楽しむコンテンツになり、音楽もYoutubeで聴いているというリスナーの方も多いことと思います。
直近では我々も直面した2020年に訪れたコロナ禍直後のステイホームが続いた時も、インターネットを駆使し自宅でも楽しめるMusic Videoやダンスビデオなどを筆頭に多くのエンタテイメントの楽しみ方を目の当たりにしました。
例えばその筆頭株のBTSやBLACKPINKなどのK-POP文化もこの2020年を境に一気に世界中のお茶の間に広がったと記憶しています。
そして何万人を埋め尽くすスタジアムスケールの音楽を作り続けてきた欧米のポップアーティストもベッドミュージックのような身近でシンプルな構成で作られた多くの楽曲を制作し、Taylor Swiftの7作目のアルバム「Folklore」は2020年を象徴するアルバムとなりました。
これらを様々な形のコンテンツとして世界中に配信された映像コンテンツたち、いわゆる「配信ライヴ」も記憶に新しいかと思います。
xR(拡張現実)という言葉も主流になり、Katy Perryをはじめ世界中のアーティストがインターネット上でパフォーマンスを行いました。
こういった世界が同じ問題に直面する未曾有の事態でもその時に求められるエンタテイメントがあり、その都度表現を模索していきます。そしてそこには必ず映像表現が求められます。その変化という「風」を捉えることで私たちの持つ凧を高く高く上げていく、そんな思いで日々業務に向き合っています。
常にその時代の風を見極めるセンス(インプット)、そして何にも捉われない柔軟な発想(アウトプット)、それらを生み出すためのコミュニケーション(繋がり)、これらがKITEを形成している大切な要素であり、ロゴの意味するところです。
そして少年のような遊び心を持ち合わせながら、クライアントやアーティストの持つイメージを今の時代の要素と共に丁寧に繋げていく、それこそがKITEが目指しているイメージです。
移転
そんな弊社ですが、2023年4月1日に長らくオフィスを設けていた新宿区の市ヶ谷から23区外の三鷹市井の頭に拠点を移動しました。
映像制作は閉塞的な空間の中時間をかけて制作と向き合うタフなイメージがつきまといますが、あえて井の頭公園が目前に広がる立地環境の中、日常溢れる風景と共に人々の生活に寄り添い、エンドユーザーの生活を肌で感じ社会に寄り添うことで既存に縛られないアイディアと柔軟な発想を生み出すことを目標としています。
太陽の日照と共に時間経過を感じ、アイディアに煮詰まったら公園を散歩しながら音楽を聴き発想する、そんな井の頭公園の環境を私たちのアイディアの生まれるきっかけとなるフィールドワークの地として今後活用していくつもりです。
再スタート
この3年間エンタテイメントは何かと試練が付き纏い、時には我々の仕事の存在意義を考えさせられる程に長らく苦境に立たされてきました。
と同時にこの試練に直面する度にエンタテインメントの力を強く感じた日々はありません。
そのような非日常の中にも新たな発想と向き合い、弊社は歩みを止めることなく、新たな表現にチャレンジしてきました(そのつもりです)。
バーチャルライヴ・配信ライヴ・劇場映画、などそれらはこのコロナ禍だからこそ生まれたものであり、私たちの今までの知見を肯定すると共に、さらに表現の幅を大きく広げてくれたきっかけとなりました。
あなたの物語と繋がるクリエイティヴを
そんな新たな可能性を広げてくれた5年間を経て、私が今最も大切にしている言葉です。この5年間は当時の私達のできることを最大限尽くす期間でしたが、これからはこの少人数だからこそ発想できるイメージを越え、より多くのアイディアと結びつき、多くのクライアントやアーティスト、そしてクリエイティブに関わる多くの方と繋がりたい、そう考えています。
私たちは凧糸のように誰かと繋がることを深くイメージして「CONNECT WITH YOUR STORY」をテーマに掲げることにしました。
誰かの人生や思いに繋がることで、その方々の物語を輝かせるお手伝いができるようになりたいと思っています。そして私たちも未来に向けて、新たな物語を描いていきます。
ここから10年目に向けてより高く、より気持ち良く、そして楽しく本気で飛躍していく所存です。どうぞ今後のKITE Inc.にご期待ください。
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