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学びのカタチ ナショナル・コスチュームについて考えてみた その1

ユーゴスラビア紛争や中東戦争の経験者、クリミア半島を逃れカナダに移民してきた知人でさえも、「経験したことのない不気味さ」だと表現するコロナ禍。この件を私が最初にnoteに記した(「新型コロナウィルス肺炎 in トロント」)2ヶ月前にはまだ命名されていませんでしたが、その後英語圏では「コビッド(covid)」または「コビッド19」と呼ぶことが主流となり、言うまでもなくトロントの状況も8週間前と今とは明らかに異なるものとなりました。学校は3月13日の前期最終登校日を最後に閉鎖、瞬く間に自己隔離(self quarentine)が求められるようになり、6フィート以上のソーシャルディスタンシング(social distancing)の啓蒙もあっという間に進みました。

こうした海外の状況をタイムリーに的確に発信しておられる方はたくさんおられるので、そんな渦中にはありますが、今日も「学び」についての進め方や思いを、3回に分けて書いていこうと思います。

▪️11歳次女、囲碁でカナダ代表に選ばれる
▪️ナショナルコスチューム
▪️カナダ建国の歴史
▪️カナダの代名詞とは?

▪️11歳次女、囲碁でカナダ代表に選ばれる

13歳と11歳になる娘達は共に碁打ち。日本でのホームスクーリング時代の習い事の一つが囲碁でした。まさに小学校代わりだった囲碁教室。週に5回、平日は数時間、週末は半日以上を囲碁教室で過ごしていました。その甲斐あって、次女は今年、ペア碁世界大会のカナダ代表に選出され、7月に日本へ招待されることになりました。(アマチュアのハンディ戦、男女でペアを組んで各国代表とトーナメント対局。) 移住以来の日本凱旋帰国を楽しみにしていたのですが、三密この上ない囲碁大会も延期決定。いつ開催されるのかはコビッド次第、先の見えない状況にいます。

▪️ナショナルコスチューム

参加決定時に頂戴したドキュメントに目を通していたところ、「ナショナルコスチュームを持って来て下さい」との記載が。囲碁とファッションに接点を見出したことが個人的には全くなかったので、「棋士達のコスチュームはコシノジュンコさんに審査されます」という斬新な展開に、帰国が益々楽しみになります。
さぁカナダ人、何を着ようか。日本人であれば着物か袴か、夏なら浴衣、そのくらいの選択肢がとりあえず1億2600万人の頭にパッと思い浮かぶでしょう。沖縄や奄美などの島々、アイヌなどのバックグラウンドを持つ方であれば、固有の民族衣装という選択肢もあるかもしれません。ですが今回、カナダのコスチュームを着るのは、日本育ちカナダ人の娘と、カナダ生まれ中国系男性のペアです。

▪️カナダ建国の歴史

ここでカナダの歴史を非常にざっくりと説明します。4万年前陸続きだった氷期にモンゴロイド系の人々が現在の北米大陸(通称「新大陸」)へ移り住み、多種多様な民族集団を形成し生活を営んでいたところ、17世紀初頭にフランス人が入植開始。ファーストネーション(First Nations)と呼ばれる先住民の人々の生活場所を舞台に、新大陸を「発見」したと気負うフランスとイギリスが北米植民地戦争を繰り広げました。そして1867年7月1日、ここを「カナダ」という英連邦内の自治領にすることが侵略者である彼らにより決定され、この日を建国記念日(カナダ・デー)としています。これは徳川慶喜が大政奉還を行った年、つまり国家としての「カナダ」の歴史は、日本における明治時代以降の近代史と同じだけの長さしかありません。

ヨーロッパ人によるおぞましい蛮行を受けつつも独自の文化や言語、コミュニティをかろうじて維持したファーストネーションの人々は、現在のカナダにおいても依然不遇な環境下に置かれながら、奇跡的に生存し、コミュニティを形成しておられます。加えて積極的な移民受入れ国でもあるカナダ。200以上の民族が在住する多民族国家であることは、カナダのアイデンティティの一つとなっています。

▪️カナダの代名詞とは?

前振りが長くなりましたが、こうしたカナダという国を体現するコスチュームは何なのか、「極暖の防寒着」くらいしか思い浮かばないというのが正直なところ。夏の日本でそんな格好はできないので、子供達とブレスト連想ゲームをしてみることにしました。

Q1. カナダ人目線でカナダと言えば?
ホーザー(hoser)、メープルリーフ、アイスホッケー、ムース(和名ヘラジカ)、ルーン(鳥の一種、和名アビ)、湖、山、雪、寒い、ファースト・ネイション(先住民族)etc.

Q2. 日本人目線でカナダと言えば?
メープルシロップ、サーモン、自然、赤毛のアン、ナイアガラの滝、アウターブランドの「カナダグース」、オーロラetc.

両国生活経験者の娘達、なかなかツボは得ています。ですが実際にコスチュームとなると・・・

「学びのカタチ ナショナル・コスチュームについて考えてみた その2」に続く。


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