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Webマーケ支援でよくある「伴走」という言葉と、地方BtoBにおける弊害。

「走れる人」が前提になっている伴走という言葉

Webマーケ支援をしていると、「伴走」といった言葉がチラホラ使われます。最近、この言葉が実態に伴わないのでは?と思うようになりました。特に地方BtoBのWebマーケ支援で。

「伴走」のイメージは駅伝などで走っているランナーの横について、励ましたり状況把握や指示を出したりするイメージです。
これはそもそも「走れる人」が前提になっています。すでにランナーになりえている人のパフォーマンスをより上げるための戦略的行為として伴走がある感じです。

でも、地方BtoBのWebマーケ支援の場合、「そもそもランナーがいない」ということはざらにあります。走ったことがない人がほとんどです。
つまりは「Webマーケティングのプレイヤーが顧客社内に存在しない問題」です。これは地方BtoBのあるあるだと思います。

全然走ってくれないという支援側からの不満

地方BtoBのあるあるだからこそ、「こちらはちゃんと伴走しようとしてるのに、全然走ってくれないんです」とはWebマーケ支援側からよく出てきそうな課題ですが、それは無理なんじゃないかなあ…と個人的には思っています。

そもそも、まだランナーになっていない人に必要なのは伴走ではなく、まず軽いランニングからかもしれません。ランニングの前に、部屋から家の外に連れ出すことが必要かもしれません。それは企業によって様々です。

地方BtoBのWebマーケ支援で、最初に必要なことは「伴走」ではなく、「行動の定着化」であることが多そうです。であるならば、支援側のやるべき行動や方針は変わるはずです。目的設定が違うので。

「伴走」とほぼ言わなくなりました

だから、最近の自分はWebマーケ支援を始める際に、「伴走」とほぼ言わなくなりました。顧客との認識ギャップも出てしまっていいことがないので。
最近は下記のように伝えるようにしました。

Webマーケ支援開始時の説明
「最初の課題は御社内にWebマーケティングのプレイヤーがいないことです。プレイヤーがいないと活動できません。活動がないと成果は生まれません。だから、初年度の目標は皆さんにプレイヤーになって頂くことです。1年目はそれが成果です。数字的な成果目標は2年目から始めることを強くお薦めします」

このご説明を100%受け入れて頂けるかどうかは企業によって様々ですが、最初の一回は言うようにしています。課題の共通化はとても大切なので。

実態と課題設定がズレていたら上手くいかない

A 自分たちは伴走してもらうんだ
B 自分たちはまず走れるようにならないといけないんだ

顧客側の認識に上記AとBの違いがあるとして。この差がもたらすその後の影響は大きいと思っています。

「地方BtoBがWebマーケを始めるも途中でやめてしまう問題」はあるあるですが、その要因にひとつにこの「伴走」というギャップが潜んでいるのでは…と思ってます。「Webマーケ支援といえば伴走」といった曖昧な認識で何となく使っている人も多いのではないでしょうか。ぼくもそうでした。

実態と課題設定がズレていたらそれは上手くいきません。なので、ぼくは「伴走」とか「寄り添う」といった言葉を使うのをやめました。まだ何も持っていないときに、「持っている」と思ってしまう/思わせてしまうことにメリットはありません。

言葉は行動を規定します。
だからこそ、何となく使わないことが大事だなあ…と実感しています。

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「顧客の成長」をテーマにしたnote

Webマーケ支援における「顧客の成長」というテーマでいくつかnoteにまとめています。よかったらご覧ください。

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ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。

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稲田英資について

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