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Webサイトを刷新しただけでは成果は出ない。大切なのはWebを活用できる社風。

ユーザーファーストやスマホファーストという言葉が顧客からも出てくるようになりました。様々な会社と関わって分かったことはこれって方法論や技法の話じゃないんですよね。明らかにマインドの話で。そもそも社内にマインドがない企業の場合、底が抜けたバケツのように何をやっても素通りしていく。

じゃあマインドとは何か。あやふやな表現になってしまいますが、「社風」だと思っています。社風とはその会社で積み上げられたもの全てです。ユーザーに対してどう向き合ってきたのか。社内でどう対話されてきたのか。ユーザーファーストが価値観として定着しているのか。文化になっているか。

それっぽい言葉を使うけれど行動が伴わない

「ユーザーファーストが大事だということは重々承知しています」と言いながら、解約手順のコンテンツを意図的に冗長にしてページ離脱をさせたがる企業。「リニューアルサイトはスマホファーストにしたい」と言いながらPCでの見た目だけにこだわる担当者。これは意味がありません。知っていると思っている分だけ害があります。

「言ってることとやってることが違う」「それっぽい言葉を使うけれど行動が伴わない」こういう課題の根っこはその企業の社風なので、Web制作会社が手に負えるものでもなく。何度か言っても改まらなかったら距離を置く方がいいと思っています。他社の価値観なんてそうそう変わらないし、変えられない。

血肉になっているかどうか

つまり、ユーザーファーストという言葉を知っていればいいということではなくて。ポイントは「すでに血肉になっているか」です。ここはとても大切なことだと思っています。

  1. ユーザーファーストのマインド・社風がある(理想)

  2. 今のWebはそれに相応しくない(現実)

  3. リニューアルしなければならない(ギャップの解消)

Webで成果を出すために大切なのはこの順番なんですよね。(1)があるから土台になって、Webという新しい取り組みがきちんと積み上がっていく。当たり前の話ですが最近やっと分かってきました。

社風が成果を分ける

つまり、ユーザーファーストという概念はできる企業とできない企業がある。それを分ける差分は「社風」であって、これまで積み上げてきた企業そのもの(事業や育成、価値観、文化)が該当する。ユーザーファーストのお題目を唱えればできるものでもないし、ましてやWeb上の技法では解決できない。

これはWeb制作会社にとってはかなりしんどい話です。Webで成果を出すためにユーザーファーストという概念は必須だけど、制作会社でどうにかなる領域ではない。
たまに「ユーザーファーストのWebサイトを作ります!」を売りにしている会社もありますが、制作会社だけではどうにもならないんですよね。必ずクライアント側の協力がいる。そして、ユーザーファーストのマインドを持つ企業と持たない企業がある。マインドを持たない企業がWebから成果を出そうとしても穴の空いたバケツでお風呂を一杯にしようとするようなものです。これはきつい。できる制作会社もあるかもだけどぼくはできません。

地方中小企業が抱える課題

「Webが作れます」だけではバリューにならず、「Webで成果を出します」が制作会社の存在理由になってきた昨今、Web制作会社はこの難問をどう解決するか?

そんなの「ユーザーファーストのマインドを持つ企業を中心に仕事をしていく」に決まっていますよね。その見極めに自社の存亡がかかるんだから。

もしあなたの会社が地方の中小企業だったとして。現状打破のためにWebをリニューアルしようと思っても、あなたの会社の社風によっては「成果を得意とする制作会社ほど引き受けてくれない」という問題がこれから浮き彫りになるかもしれません。Webを活用して事業を推進したいと思う地方中小企業は「自社のマインドセット」を更新する必要があります。

極論をいえば、Webサイトを刷新しただけで成果なんて出ません。

  1. ユーザーファーストのマインド・社風がある

  2. 今のWebはそれに相応しくない

  3. リニューアルしなくては

この順番があるかどうかです。そして、(1)は自分たちでやるしかありません。Webを作る前の話なんですよね。ここが大切。ぼくはそう思っています。


関連note

地方企業のマインドチェンジは間に合うのか。

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