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地方中小企業のWeb活用における経営者や上司の役割。

地方中小企業様(特に製造系BtoB)のWebサイト制作を長年手がけて感じることがこの3点です。

  • 自社について不思議なくらい自信がない

  • 情報発信を不思議なくらい怯える

  • ユーザーについて不思議なくらい知らない

すごく内向的な印象です。社外ではなく社内ばかり見てきた30年なんじゃないかと思います。

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これってWeb活用にすごく向いていないんですよね。Webの核はコンテンツであり、コンテンツの価値を決めるのはユーザーなので。社内の上司や経営者の目ばかり気にしてきた企業はもう内向的な社風に染まっているので、「Webを活用しよう!」と言ってもなかなかに困難です。親の顔色ばかり窺ってきた子どもに「もっと家の外に目を向けなよ」と言ってもすぐできる訳がない。まずマインドチェンジが必要で。これが難しい。

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最近試しているのが「御社の褒め言葉を客先10社から集めてきてください」という提案です。え!と驚かれますが、やれそうだったらやってもらいます。

  • 社外に目を向けること

  • 客の声を実際に聞くこと

  • 何より褒めてもらうこと

社内ばかり見て自己肯定感を失っている企業や担当さんに有効なんじゃないかと思っています。よくあるユーザーヒアリングとは違って、重要なのは「褒めてもらうこと」です。ぼくは「褒めのカツアゲ」と言っていますが。

どんな会社であれ、存続している以上お客様はいる訳で。客がいる以上「選ばれる理由」が存在しています。それなのに「どこでもある技術だから」とか「似たような製品はあるから」とか決めつけて、結構な確率で蔑ろにされています。それは自分たちで決めることではありません。相手が決めることです。

まずはそれを肌で感じてもらうことが大切なので、「グダグダ言っていないでいいから聞いてこーい!(意訳)」とお願いします。もちろん会社によりますが、意外と有効だったりします。少なくとも社内ばかり気にしていた内向的な雰囲気に小さな風穴が開く。些細なことですが、地方中小企業がWeb活用する場合それが大事なんじゃないかと思っています。

自社の技術やバリューを伝えるWebコンテンツが必要かどうかを決めるのは上司でも社長でもありません。それを決めるのはユーザーです。それを知るためにコンテンツを作って公開するんです。だから、上司や社長の目ばかり気にする内向的な社風は壊す必要があります。それでやっとスタートラインなので。

まとめ

結局のところ、企業のWeb活用で大切なのは「誰に評価されたいのか?されるべきなのか?」なんですよね。それをブラさないこと。経営者や上司は間違っても評価者にならないこと。評価するのはユーザーです。気をつけ過ぎるくらいで丁度いいので心に刻みましょう。担当者さんの目を会社の外に導いてあげてください。

地方中小企業(特に製造系BtoB)のWeb活用で重視すべきことは「世間から怒られないようにすること」ではありません。「自社の製品やサービスの味方を増やすこと」です。Web活用は本質的に減点方式ではなく加点方式なので。加点文化を持つ企業様はWeb活用に向いています。バリバリやりましょう。減点文化の企業様は他の手段を検討しましょう。どうしてもやりたいなら、加点方式へのマインドチェンジを。それが経営者や上司の方々の役割です。部下が作ってきたWebサイトやコンテンツの重箱の隅をつついたり、個人的な感想を押しつけるのは仕事でも何でもありません。それは只の仕事仕草です。ご注意ください。

関連note

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