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オーダーメイド系/リノベーション系/リプレイス系。製造系BtoBサイトのWeb制作における3つの区分。

HubSpotでのWeb活用を前提とした「製造系BtoBのWeb制作」では3つの区分があると思うようになりました。

  • オーダーメイド系

  • リノベーション系

  • リプレイス系

オーダーメイド系のWeb制作

Web活用未着手の中小企業向け

課題や方針がまだ明確化しておらず、Web活用自体が未経験な中小企業に向いています。制作前の戦略策定に大きく時間を割き、「何のためのWebサイトなのか、事業のどこにどう貢献させるのか、勝ち筋となりうる商材や市場はどれか、必要な社内のリソースや知見をどう育てるのか、これから3年でどのようなステップを進むべきか」など、中期的プランを見すえた文脈の中でWebサイトの役割を置きます。Webサイトの完成で終わることはほぼなく、通年での活用支援は必須となります。これまで使用していたWebサイトとガラッと変わる内容になるのが特徴です。「事業や営業活動にWebサイトを活用したいがどうしたらいいか分からない」といった中小企業に向いています。

リノベーション系のWeb制作

Web活用を始めて課題が顕在化した企業向け

Web活用の戦略や手法がほぼ確立している企業に向いています。このケースの場合、戦略や手法を大きく変える必要はないのですが、「今のWebサイトではマーケティング面での効率が悪い」「旧来のツールでは手間がかかりすぎる」といった点が課題になっています。この場合、オーダーメイド系での大掛かりな戦略策定は必要ありません。それよりは、「やりたいこと/やっていること」に相応しいWebサイトとHubSpotを設計して刷新することが重要になります。これまでのWebサイトをガラッと変えるのがサイトリニューアルだとしたら、ここで求められるのはWebサイトのリノベーションです。「Webの改修」でいうとリードの獲得やユーザー行動の把握、コンテンツの整備などが主題となり、「作業の効率化」でいうと顧客データの取得や分類、メールの制作や配信、コンテンツやLPの制作などがテーマとなります。通年での活用支援が理想的ですが、目的をしぼって3ヶ月や半年の支援で離陸することもあり得ます。すでにWeb活用を数年やっている準大手や首都圏企業に多いと思われます。

リプレイス系のWeb制作

既にSFAやCRAを導入している大手企業向け

何かしらの目的で既存のツールからHubSpotに全て置き換える必要がある企業に向いています。ここでのテーマは「既存ツールからHubSpotへの置き換え(またはHubSpotからHubSpotへの移管)」「他ツールとHubSpotとの連携」になります。目的を理解したうえでの現状把握や他ツールの調査などが主題になります。扱う情報の量が膨大であること、秘匿性が高い情報であること、様々なセクションが情報に関わること、取得したデータの外部連携などが特徴のため、制作会社には情報セキュリティのマネジメントやシステム開発能力などが求められます。通年での活用支援は不要で、ローンチ後のレクチャーとフォローが重要となります。Salesforceやその他のツールを数年使用している準大手や大手の首都圏企業に多いと思われます。

まとめ

Webサイトのリニューアルと一言でいっても中身や目的は全然違うんですよね。そこでの中核を担うWebディレクターに求められるスキルや役割も大きく変わります。何でもかんでも戦略策定が必要という訳ではないし、オーダーメイド系を得意とするディレクターが万能という訳でもありません。依頼するお客様側がここまで把握する必要はありませんが、ぼくたちWeb制作会社は理解しておいた方がいいと思っています。プロジェクトについて社内で話し合う時も目線が合わせやすいですよね。もちろん、「リプレイス系から始まった案件が進めてみたらリノベーション系だった」ということもあり得ます。大切なのは「今回の案件はどこに位置しているのか」を制作側が把握したうえでチーム間で目線を合わせられることだと思っています。

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