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臨床推論

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「硬さ」と「痛み」を指標にマッサージする危険性

「硬い、痛い筋肉はマッサージするべきか」

という疑問は常に湧いてくる。そこで今回は、マッサージするべきかそうでないかをどのように判断しているのか考えてみる。

短縮位か、伸張位か結論から言うと僕は「硬さ」「痛み」だけでは判断せずに、【短縮位】にある筋に対して行なうことが多い。「硬さ」は【伸張位】の筋にも感じることが多いのだが、あくまでも【短縮位】となっている筋肉に対して行い、【伸張位】となってい

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患者の主観を引き出せているか

例えば、「ここが痛いです」という患者に対して検査・評価をし、「この筋肉をマッサージすれば痛みが楽になるだろう」と結論づけマッサージを行うとする。その後、効果判定として痛みが出現する動作を行う。そのときにこう聞く。

「楽になりましたか?」

僕はこの質問に違和感を感じる。もし痛みが変わってなかった場合、自分が患者側だったら「楽になってません」とは言いづらい。人によるかもしれないが、本音を言いづらい

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逆転する主動作筋と補助筋のパワーバランスについて

はじめに今回は主動作筋と補助筋のパワーバランスが逆転する現象を考える。この思考の有用性は、ある筋肉が過剰収縮(過用)を起こしてしまう原因解明にある。過剰収縮を余儀なくされた筋肉たちは、事態が悪化している現状を私たちセラピストに「痛み」として知らせてくれる。

背臥位で膝を屈曲させる動きを例に考えるこの動きでは膝関節の屈曲に伴い、股関節の屈曲が必要となる。主にハムストリングス、腸腰筋が働くだろう。両

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