Qらしき(qurashiki)

「くらしき」と読みます。 ワークショップのファシリテーター。 ビジネスパーソンやエンジ…

Qらしき(qurashiki)

「くらしき」と読みます。 ワークショップのファシリテーター。 ビジネスパーソンやエンジニアなどのノンデザイナーが、デザインの面白さを学び、上手く活用できるための場づくりに取り組んでいます。

最近の記事

「アイデアと思いつき」について、ファシリテーターとして考えたこと

私はワークショップをとおして「正解のない問いにアイデアで答えを出す」ことに向き合っている。ビジネスではそれを「創造的に問題を解決する」と言うこともあるので「答えを出す」というよりも「答えを作る」と言った方がよいかもしれない。そこでファシリテーターをやっていると「アイデアって何?」「アイデア発想で大切なことは何だろう?」と思いをめぐらせることが多くなる。ここでは、アイデアについて考えてきたことを書いてみたいと思う。 アイデアと思いつきは違うアイデアとは何かを考えながらファシリ

    • 演技する想像力とワークショップ

      私はワークショップのファシリテーターをしていて、とくに正解のない問いにアイデアで答え出すための場づくりに取り組んでいる。ビジネスの現場では新しい商品の開発やビジョンづくりなどを目的に多くの企業がワークショップを取り入れている。学校教育でもワークショップ型の授業が盛んに行われているし、創造性を引き出す場として芸術活動、住民参加の街づくりなど幅広い分野でワークショップは実践されている。そのなかでも、最も歴史が古いのは演劇だ。世界で初めてワークショップが行われたのはハーバード大学の

      • 長瀬智也のドラマ『俺の家の話』が面白い

        俳優、アイドルグループ、タレントなど多彩に活躍している長瀬智也には、芸能のためにはどんな努力も惜しまないハングリー精神の持ち主という印象がある。それゆえ役者としては、不器用さを隠そうとしない潔さと、不屈の魂をあわせ持った役柄が映える。その魅力は宮藤官九郎による『タイガー&ドラゴン』で主役を演じたことで引き出され、人気は永久不滅ポイントになった。 そんな長瀬智也×宮藤官九郎のコンビが復活したので、今度はどんな役を演じるのだろうかと期待しながら、ドラマ『俺の家の話』を見ている。

        • 映画『私をくいとめて』を観たら主演の「のん」が素晴らしかった

          前回「俳優・大泉洋」の面白さについてスケッチするような文章を書いたとき、役者とは何かについて思いをめぐらせた。そのあと映画『私をくいとめて』を観たら、主演していた「のん」の演技が素晴らしくて、役者や演技についてさらに考えてみたいと思った。 そもそも役者にとっていちばん難しい演技とは何だろうか、と考えてみた。それは「飛ぶ」ことだと思う。もちろん映画ではVFXを使ってワイヤーを消して背景を合成すれば、誰でも自由に宙を舞うことができる。でもそれは映像テクニックで「飛ぶシーン」を作

        「アイデアと思いつき」について、ファシリテーターとして考えたこと

          俳優・大泉洋の面白さについて考える

          前回は「夏みかん」の面白さをスケッチするような文章を書いたけれど、今回は人物をスケッチしてみようと思う。とりあげる題材は大泉洋。好きな役者のひとりだ。 映画やテレビで見る大泉洋の面白さは、ぼやいているのに声が通ってつややかだったり、ふてくされているのに台詞にはキレがあったりするところだと思っている。 たとえば大泉洋が主演した、女の駆け込み寺が舞台の映画『駆込み女と駆出し男』では、江戸時代、戯作者を目指す見習い医師という飄々とした役を演じている。ここでも樹木希林との掛け合い

          俳優・大泉洋の面白さについて考える

          夏みかんとワークショップ

          「夏みかん」という名前は誰が思いついたのだろうか。よく考えると面白い名前だと思う。そもそも、みかんは冬を代表する果物として私たちの暮らしのなかにある。例えば、みかんと言えばこたつを連想するし、みかんと鏡餅はワンセットだ。そんな冬の柑橘類であるみかんに、意外にも夏を重ねることで成り立っているのが「夏みかん」なのだ。 まあ平たく言うと「夏のみかん」となるわけだが、こうした組み合わせは、夏の焼きいも、夏のお雑煮、夏の雪景色のように大抵は季節外れで風情もない。夏のマフラーなんて想像

          夏みかんとワークショップ