「I’m a Japanese Murderer」 第3話
「ありますよ?しっかりとられましたからここに入る前に。」
…両手をひらひらさせながら、指紋を見せてくれた…
嫌な汗が流れたのがわかった。
「僕、日本人なので、潔癖なんですよ、なので、つい綺麗にしたくて、我慢できないんですよね…」
といいながら、机を拭いていた。
…いつのまにか許可されていた、“やつ”がそう言うものを拭くことに。
ここにくる度、“やつ”と話す機会を得てくる度に違和感を覚える。
あれ?いつのまということが増えていた。
なんだ?
なんで、こんな些細な事だが、少しずつ恐怖を感じる…
悪名高いこの刑務所で、こんな事が可能な事自体が異様なのだ…
こいつはまるで「普通」のように生きている、ここで。
レイプされることもなく、暴行をされることもなく…刑務官から軽視されることもない
なんなんだ?こいつ…
ジャプと言われてバカにされ、暴行を受けて一生車椅子の日本人もみてきたのに
こいつは綺麗好きで、まるでここで生活していることに違和感を微塵も抱かず、
日々を普通に暮らしている…
初日、すぐに根を上げると思ってた
↓第4話
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