【島根県立大学】びわ湖とSDGsツアーin長浜・高島
こんにちは。インパクトラボの豊田です。
この記事では、8月1日から5日まで4泊5日で実施した、島根県立大学「びわ湖とSDGs -SDGsのパイオニア、滋賀の実践を現地で学ぶ-」のDAY4・DAY5(長浜・高島)の様子についてお伝えします。
DAY4|長浜市
4日目は、「木質バイオマスについて学ぶ木之本ツアー」と「ONESLASHに聞く西浅井ツアー」を行いました。この日は滋賀県の中で湖北と言われる地域で、現地で実践しているプロジェクトや地域の魅力について教えていただきました。また、木本町に移住してきた久木裕さんと西浅井町ご出身の清水広行さんからそれぞれのキャリアについても語っていただきました。
木質バイオマスツアーpresented by バイオマスアグリゲーション
午前中は、長浜市木之本町に行き、株式会社バイオマスアグリゲーションの行っている木質バイオマスに関する取り組みと目指している資源が地域で循環するカーボンニュートラルな社会について教えていただきました。
ツアーは3部で構成しており、①木質チップ製造工程の見学②ゼロカーボン住宅の見学③長浜市における脱炭素の可能性・再生可能エネルギーの未来について紹介という流れで行っていただきました。
まず、木質チップを製造する工程を、バイオマスアグリゲーションの前田さんに案内頂きました。見せていただいた機械は想像よりもコンパクトでしたが、木材を通すと大きな音とそして粉塵と共に、一瞬でチップが出てきました。
機械の口に入れば基本的にはどのような長さや形でも良いため、加工に使用していたのは建築の段階で出てきた端材です。この端材を加工することで、時間をかけて育ち、労力をかけて運び出された木を、最大限活用することができる仕組みになっていました。
また、すでに乾燥している木を加工しているので、チップは見た目以上に軽く、すぐにボイラー設備のある場所に運ぶことができ、このあとエネルギーを生み出す資源となります。
次に、バイオマスアグリゲーション代表の久木さんのご自宅で、バイオマス熱利用にこだわったゼロカーボン住宅を見学させていただきました。久木さんのゼロカーボン住宅は、省エネ(熱を有効に活用する)とバイオマス熱(再生エネルギーで熱をつくる)で家庭からのCO2排出量をゼロに近づけることを実現しようとされています。
実際に部屋に入らせてもらうと、8月初旬の湿度が高く蒸し暑い気候でも、部屋の中は心地よく感じる気温・湿度で快適な空間だと感じました。そして快適な空間を作っているひとつの要因は、パッシブデザインであることも教えていただきました。パッシブデザインとは、風の通り方を計算した屋根・窓の設計や、夏と冬それぞれの日射量を気温や明るさの観点から考慮した窓・軒の設計のことです。窓が大きく天井が高いためお部屋は開放的な印象を受けました。これが省エネを実現するデザインということで、これまでの省エネ=我慢・不便といったネガティブなイメージを大きく変えてくれました。
さらに、ボイラ設備も見せていただきました。ボイラは家庭でも導入できるサイズのものを海外から輸入したそうです。パネルで管理することができ、薪を入れる回数や量も大きな負担にはなっていないようでした。
現状、日本では国産木材を伐採し加工、販売する担い手が少なく、燃料となる木材を供給する仕組みが整っていないこともあり、今後日本での木質バイオマス発電の可能性としては、マンションや集合住宅で1台導入し、エリアで管理していくことだということもわかりました。
最後に、久木さんから、長浜市で脱炭素に取り組み発信する可能性や再生可能エネルギーで資源・経済の循環を目指す地域の先行事例についてお話ししていただきました。木質チップ製造やゼロカーボン住宅の見学の後だったため、イメージもしやすく、脱炭素に向けて地域で取り組む可能性を感じることができました。
西浅井エコツアー presented by ONE SLASH
道の駅でお昼ごはんを食べたあとは、長浜市西浅井町に移動し、ONE SLASH代表の清水さんに案内していただきました。
ONE SLASHは、琵琶湖の最北端・西浅井町で育った20~30代のメンバーが、『子どもたちに地元で面白いことができると伝えられるように、地元で思いっきり楽しみ、地元の可能性を広げる』という想いを持って活動しているチームです。「地元」を原点として、地元のイベントはもちろん、お米に関して全国でイベントをするなど、その活動は多岐に渡っています。
そんなONE SLASHの拠点・西浅井で、まず訪れたのは田んぼです。田んぼ・米作りというと、大変な作業、高齢化といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ONE SLASHのプロジェクトのひとつ、「Rice is Comedy」はそのようなネガティブなイメージをポジティブなイメージに変える挑戦です。ONE SLASHのメンバーは兼業農家として、「Rice is Comedy(米作りは喜劇だ)」をコンセプトに、米作りを楽しみ、楽しさや面白さを発信しておられます。
今回見せていただいた田んぼは、ITを導入してスマホひとつあれば水の管理(田んぼに水を入れたり水を止めたり)ができたり、NFTのトークンの形で田んぼアートをしたり、若い世代でも興味を持ち、さらにこれまでのイメージを変える先進的な取り組みを行っていました。また、お米を食べる以外の需要として、お米をプラスチック素材の一部として代替するライスレジンについても紹介していただきました。清水さんのお話からは、まさに「次世代の米作り」だという印象を受けると同時に、心から米作りを楽しんでいる様子が伝わりました。
その後、「山、田んぼ(里)、琵琶湖までの繋がりがわかるような絶景スポットがある」と、清水さんに案内していただいたのは奥琵琶湖パークウェイ つづら尾崎展望台です。琵琶湖の雄大さやその周りの豊かな自然がわかる眺望に、全員が圧倒されました。
ツアーに参加した学生からは、「西浅井の魅力をたくさん知れた」「いろんなことにチャレンジする清水さんのファンになった!」という声も聞かれました。
琵琶湖のほとりに宿泊
4日目に宿泊したのは、「ライダーハウス日本何周」というゲストハウスです。徒歩1分で琵琶湖にいくこととっても素敵な場所です。
島根県から滋賀県に来て、琵琶湖で泳げることを知って目を輝かせていた大学生は、チェックインしてすぐ、琵琶湖に飛び込んでいきました笑
DAY5|高島
最終日の5日目は、長浜市から高島市を経由して大津市まで戻るルートでした。途中には観光スポットによりながら、長かったけどあっという間な4泊5日、滋賀県をぐるっと琵琶湖1周ツアーを締めくくりました。
ドライブ観光
高島市のすぐお隣の西浅井町を出発して、はじめに高島市マキノ町のメタセコイヤ並木を通りました。メタセコイヤ並木は、滋賀県でも有名な観光スポットで、紅葉の時期には約500本、全長約2.4kmの並木を目当てにたくさんの人が訪れます。
また、高島市新旭町の針江地区も経由して「かばた」について紹介しました。地域の綺麗な湧水(針江地区では「生水(しょうず)」と呼んでいるそう)が、集落の水路を経由し、その水を日常生活で大切に利用するシステムのことを「かばた」と言います。この日は前日から豪雨が続いており、途中下車して見学というわけにはいきませんでしたが、水辺の豊かなくらしや美しい景観が残っている「かばた」のことを、滋賀県の魅力のひとつとして知ってもらえたらと思います。
そして、事前学習でも「楽しみ!」「これは知ってる!」という声が多かったのが、琵琶湖に浮かぶ鳥居、白髭神社です。天気がよければもっと絶景なんだけどなあ、、と思ってしまったりもしましたが、一瞬でも雨がやんでくれたおかげで敷地内に設けられた展望台から鳥居を眺めたり、写真を撮ったりできてよかったです。
道の駅安曇川でお土産
旅といえばお土産!?ということで、道の駅でお買いものの時間をとりました。ここには、新鮮な地場野菜や、鮒寿司やアドベリーのお菓子など滋賀県の特産品がたくさん揃っています。観光客だけでなく、地元の人でも賑わっている様子でした。
最後に記念写真
ついに、このツアーのスタート地点である大津市に戻ってきました。雨も上がって少し陽がさしてきたこともあり、近江神宮にも行くことに。旅の最後らしく、みんなで記念撮影をしたり、神社にお参りしておみくじを引いたりしました。
簡単な振り返りの時間には、大学生のみなさんから「滋賀県の魅力をいっぱい知れた」「また滋賀に来たい」という感想と一緒に、今回このツアーを実施するのに関わってくださったみなさんへの感謝の気持ちを伝えてくださいました。
最後に
長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。
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