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いもまんじゅうの軌跡(北上の都編)

ありがたくも御拝読頂いている方、こんにちはいもまんじゅうです。

previously imomanju... (前回までのいもまんじゅうは)
オセアニア大陸から帰郷したいもまんじゅう。
そこに待ち受けていたのは期待していたキャンパスライフではなく、想像を絶する地獄定規。
渡された内定とは違う仕事内容に苦悩しながらも、同時に学びを得ながら楽しんでいた。
青い翼の前では、生半可な気持ちなんて通じるわけもないと身をもって知りつつも、自身の将来を考えながら歩む日々を暮らしていた。。。

▼前回までのいもまんじゅう▼

TOKYOに降り立った紅蓮の不死鳥(CA)

皆様は海外旅行に行かれた経験のある方はいらっしゃいますでしょうか?

もしその経験がある方は、空港でのチェックインの時を思い出してもらえたらと思います。
パスポートを出して、大きなスーツケースを預け、チェックイン担当のおねぇさん(あるいはオネエさん)と会話をしたかと思います。

「パスポートをお預かりします。お荷物はコチラのスケールにお乗せ下さい^^」
「○○様何名様で、ドコドコまでですね。その後の乗り継ぎはございませんが、その認識でお間違いないでしょうか?^^」
PC カチャカチャカチャカch........
「お座席は窓側から連席で何名様でお取りしております」
「こちらがパスポートと搭乗券、お荷物のお控えになります^^」
「行ってっらっしゃいませ~^^」
(ホントはもっと色んな手続きと会話があるんですが、こちらでは省略で)

この時会話されたグランドスタッフの係員の方、もしアメリカの航空会社でニューヨークに行く際は、アメリカ人の係員の方でしたか?
そう、日本人だったと思うんですよね。

何が言いたいかというと、空港で働いている方々は同じ場所同じ仕事同じ制服を着ていても、実は全然違う会社で雇用されている、という色んなものが入り乱れた場所なんです。

海外の航空会社が、
Ⓐ「ジャパンに我が国の Airplane をFLYさせたいジャン!」
ってルー大柴的に希望があったとしても、
Ⓑ「Hey CEO!出発は良いけど Come Backする時はどうするんだい!?」
ってビバリーヒルズ的な問題が発生するんですね。
Ⓐ「JAPANの航空会社に、Please ! Come back の Airplane の仕事を頼めないかブラザー!?」
っていう交渉が始まって。
Ⓒ「えー我が国は、ですね、他国の飛行機の、ですね、仕事を、ですね、受け入れようと、ですね、思う、訳であります。」
というアベノギョウムイタクの契約が結ばれるわけです。

つまり、実際にチェックインの時にお話したグランドスタッフの係員の方々は、その海外の航空会社の人ではなく、業務委託を受けてチェックインをして頂いている、日本の航空会社に雇用を受けている方々になります。

図で示すとこの様な感じですね!

ちなみにこの図の中のⓍ番の人のことを業界用語で「REPさん(レップさん)」って読んだりしてます。
Representative (レプリゼンタティブ):代表者とか責任者とかいう意味で、最初の3文字を取ってRep→REP、レップですね。
※航空業界は何かとアルファベット3文字とか4文字に略したがります。

前回noteの青い翼の時は、ワタクシは日本の航空会社で働いてましたので、図で言うところのⒸの人だったのです。

何故これを説明したかと言うと、今回の章「TOKYOに降り立った紅蓮の不死鳥」の章に大きく関係してくるのです。。。
(毎回ふくみを持たせておいて大したこと無くてSORRY…)

ちょうど青い翼のパイロットを諦めて、自身のキャリアについて考えていた時期がありました。
「あたいはこのままチェックインをずっとしていくのかしら…」
「航空業界は傍から見たらまあ華やかな仕事かもしれないし、この会社も大きいから何も考えずに務めていたら安泰と言えば安泰なんだろうな」
「転職?でもグランドスタッフってつぶしの効くスキルみたいなものって身につかないんだよな…」

などなど、当時の自分はこのままでいいのかなーなんて考えてました。

そんなこんなで月日が経ち。。。

ある日業務委託をさREPさんから
「REPになったりはしないの?」
というお声がけを頂きました。
「ヘッドハンティングキターーーーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」なんて思ってたんですが、違いました。
とんだ食わせ物だぜ!!!

でもそこから、「REPの道、アリかも」なんて考えだして、仲良くしてもらっていたREPさんに色々とお話を聞いて、よし、レベルアップする時が来た!という考えに至りました。

ただREPってあまり公にどこかの求人媒体に募集を載っけてたりしないんですよね。

なので片っ端から福岡空港(当時は九州から出る気はなかったので)に就航している外資系航空会社のHPを見て、載ってる住所に履歴書を送りまくって、届いたかなーって頃に電話をかけまくりました。

見事に「今は募集してないんですよ」という回答ばかり。。。

まあ焦っていたわけではないので、「タイミングかぁ。今じゃないのかな。」という感じ。

そんな中で一社「今は福岡空港支店では募集してないんですが、羽田か成田ならポストはありますが。。。」という回答!
まてまて、TOKYOかよ。
「おんどんはぁ、東京ごたん都会は怖かけん行くつもりは無かばい。」
訳:私は東京の様な都会は怖さを感じているので行く予定は無い、ばい。
という田舎者丸出しの考え方。
しかし折角そういう声を頂いたのであれば、、、
「ちょっと交渉してみようかな♪♪」
という小悪魔まんじゅうが出てきました。

「東京なら引越しなどもあるので、行くとしたらこれくらいの月になりそう。今の年収はこれくらいですが東京で暮らすとなるとこのくらいは希望ですかねぇ。。(これはちょっと吹っ掛けすぎたかしら。。。)」
「わかりました、上長に相談をさせてください。」
「その期間と年収だと少し無理がありますが、これならどうでしょう?」
「(え、、、私の年収、こんなに上がるの?そんなに待ってくれるの?)」
「あ、はい、では行きます!」
THE ノリと勢い。

という事でいもまんじゅうは九州から東京へ北上し都へと拠点を移すことになったのです。

いざ、ゆかん!!!!!

ってことで、羽田でREPとしてのキャリアを進むことになりました。

※当記事の中には政治に対する個人の意見などは一切含まれておりません。
※念の為画像は解像度を下げて分かり辛くしております。

某中国系の大きな会社でのREPをする事になったワタクシ。
誹謗中傷になってしまうといけないので、端的に申し上げると「ものすごい会社」でした。(これで察してください。)
本当に、「あ、こんなんで飛行機って飛ぶんだ」って思っちゃうくらい。

ただですね、びっくりしたのが資本金。
とある日タクシー会社との提携の為に、先方会社の社内与信を通す為の書類に自社の資本金を記載する欄があったので、調べたんですね。
そしたら出てきた金額が「2京500兆円」。
ん?中国元から日本円に直す時の計算ミスかな?と思ったんですが、なんど計算しても「2京500兆円」。
「あ、こんな資本金ってあるんだ。」
それもそのはず、元々は中国の国営企業が民営に独立した形にはなったものの、資金の部分に関しては昔からの流れを引き継いでるので、底っていうものが無いんですよね。
「鳩が豆鉄砲を喰らったような顔」はしてませんが、とりあえずそれで先方さんに提出したら、まあ笑いのネタにはなりますわな!!

加えてビックリした話もあります。

中国の空(空域)は軍事が管轄しているんですね。
ちなみに日本は国土交通省が管轄しています。なので、日本の空の権限はもちろんお客様ファーストなので、民間機が優先権を持っています。

ところが中国4000年の歴史は違う!!!
聞こえてきそうですね。
「ンふぅん。中華の空はこの王〇騎様のものよぉ。コココココ」

引用元:週刊ヤングジャンプ

そう、中国の空(空域)は中国軍が管轄なのです。
それの何が問題なの?ってところですよね。
よくニュースでも取り上げられたりしますが、中国は政治的に「軍事」にとっても力を入れてます。
軍事演習」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃいますかもしれませんが、世界の政治情勢的に中国が軍事の力を世界に誇示したい時には、この「軍事演習」が行われます。
「中国という国は軍事力は世界的に強いですよ」というアピールですね。
この軍事演習が行われると、中国の空は安全性を保つために、一切の航空機が飛べなくなります。
中国の空は「中国軍が管轄」していますからね。
そしてこの軍事演習、いつする、というスケジュールは公に公表されておらず、秘密裏に且つ突発的に演習が始まります。

お察しの方。おや?天才ですか?

そうです、航空機の登場手続き中にこの軍事演習が始まるんです。

「ピンポンパンポーン」
「お客様にご案内申し上げます。中国○○航空、CA○○○便は、只今よりご搭乗のお客様を機内へご案内致します。
当便をご利用のお客様は、○○番搭乗口へお越しください。」

空港でよく聞きますね~。
「・・プルルルル。」業務用の携帯が鳴ります。
東京航空局からです。
「中国の軍事演習が始まりましたので、中国の空を飛行する便は演習が終わるまで飛べませんので調整をお願い致します」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

搭乗まで案内したのに、飛行機飛ばないんですよ。
そして私はその便の責任者(REP)。

まあ、他にも色んな話がありますが、本当に戦争の様な毎日でしたね。
今となっては沢山鍛えられて、とってもいい思い出です。

振り返ると、確かに大変な毎日でしたし、教えてくれる先輩や上司などはおらず、全て自分自身で学んで、体験して、失敗して、何がダメだったのか確認して、対策を立てて、また実施して、、、
これの繰り返しでした。
当時PDCAを意識して、なんて感じではなかったのですが、今考えるとそれを半ば根性で実践してたなと感じます。

空の港から離れる決意をしたアジアの青い鳩(SQ)

そんなこんなで、
「人間が作り出したものを、人間がコントロール出来ないことは無い」
という根性を持って働いていました。

そんな時、よく喫煙所で仲良くお喋りをしていた他の航空会社の方がいたんですけどね。
その方から、
「もしウチが募集したら来る?」
的なことを言ってくれたんです。
「ヘッドハンティングキターーーーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」なんて思ってたんですが、違いました。
またしてもとんだ食わせ物だぜ!!!

ヘッドハンティングでは無くて、ただのお声がけですね。
ヘッドハンティングは、経営幹部や役員、などの重役的な一人だけという部分でのポジションで役職が付いた形でのスカウト。
お声かけは単純にそのポストが空いた状態で、他にも候補者がいる状態でのスカウトに近い状態。
まぁお話しをして頂いた限り、ありがたくも気にかけてもらえてたことは変わり無いですし、とってもありがたいことです。

ただし、当時の私は別に中国系の航空会社に不満は特に無かったですし(激務でしたがそれなりに楽しんでました笑)、今すぐ転職したい!という気分でもなかったです。
まぁ自身も何かしらステップアップやレベルアップしたい意欲があったのももちろんあったんですけどね。

当時の在籍していた中国系の航空会社は、本当に大きな会社で、前述した通り中国の国営から民営化した歴史のある会社で世界的に見てもスケールが桁違いの会社でした。
なので、「自分がこの会社の何かを変えてやる!」というのなら、中国の政治家になった方がベストでありベターな道。
(そもそも私はそんな野心家では無いですが笑)
加えて、国際系航空会社は政治的な理由による国同士の影響をガッツリ受けるので、当時尖閣諸島問題という爆弾を抱えていた日中間の状況では、いつ飛行機が飛ばなくなるやもしれません。
(実際に私が勤続していた時期に、日中間の政治的問題で1ヶ月間飛行機ぐ飛ばなかった時期もありました。。。)

カクカクシカジカがあり、総合的に見ても声を頂いた転職をするべきかも、と感じたんです。
そう、「安定かも」というものを取ったんですね。
これが後々自分を大きく振り替えるキッカケになるなんてことは、当時のいもまんじゅうは知るよしもなかったのです。
(またそうやって大したこと無いのに無駄に含みを持たせるよね。匂わせ~)

そして転職をしたワタクシ。
業務自体はREPで、前職と変わらずです。
つまり、職種も業界も変わらないけど会社を変えた、という図式が成り立ちますね。
なので、それなりに前職の経験もスキルも充分に活かす事が出来ました。

ただし。
会社が変わるとやり方も根本の考え方も大きく違ってくるんですよね。
もちろん理解してましたし、まぁ順応性が高いしそこは大丈夫っしょ!ってたかくくってたんですがねぇ。
現実そんなにあまくない!!!
あまい!いもまんじゅう甘すぎるぞ!あまーーーーーい!ハンバーーーグ!!

かなり官僚的と言いますか、トップダウンがとても激しく、マイクロマネジメント、いや、マイクロコントロールって感じでしたね。

これらのnoteを読んでお分かりだとは思います。
おや?天才ですか?
いもまんじゅう、まぁまぁな自由人なので、アンコントローラルブルな人間なんです。
そんな私には全く雰囲気が合わず。
でも声をかけて頂いた仲を良くしてもらっている方には申し訳ないですし。
そんなんで自身に鉄壁の兜を被せていたら、見事にメンタルブッつぶれ!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

そこから自分自身の深掘りを改めて始めました。
自分は仕事や働くということに何を求めているのか、
今までのキャリアの中で得た経験から何が出来るのか、
将来の自分はどうなっていたいのか(ビジョンも含めて)。

正直言うと「これが自分の未来だ!」という確固たる正解の様なものは、その時は見つける事が出来ませんでした。
ただひとつ自身の中で気付いたことはか「航空業界に捕らわれていた」ということ。
この固定観念に気付きました。
決して「航空業界に骨を埋める」なんてことは決意はしてなかったのですが、何かしらキャリアや自身の仕事を考える時に、無意識の内に「航空業界のフィールドの中にいる自分」を原則として考えていたのです。
そうなると考え方は狭まってしまいます。

正直、アジアの青い鳥の会社で働いて、何か大きな経験を得たか、というと、今までのキャリアの中では少ない方かもしれません。
しかしながら、この固定観念に捕らわれてる自分を見つけ出す大きなキッカケになったことは事実でした。
この会社に転職していなかったら、自分はまだ航空業界にいたかもしれません。
あくまでタラレバの話なので、それを考えても仕方の無いこと。

そんな自分に気付いた私は改めて、
仕事に対して、
働くということに対して、
人生のほとんどを費やす時間に対して、

何を求めているのかをじっくりと考えました。

その結果、
自分が心から楽しいと思えること。
自分が安心できるような暮らしを送ること。
それを得る為にチャレンジし続けることが出来るようなこと。
だからこそ自分の人生を自分でコントロール出来るようになる必要があること。
これらを求めて今までのキャリアや仕事を経験してきたことに気付いたんですよね。

アジアの青い鳩航空会社は、楽しく仕事させてもらいましたし、何よりお声かけ頂いた方と転職について沢山話しました。
結果的に背中を押してくれる形になりましたし、今ではその方は広島の空港に転勤になったのでなかなか会う機会は無いですが、転職後もありがたいことに仲良くさせてもらってます。

そして今、こんな自分を実現する為に、株式会社グッド・クルーで勤務をしています。

なんかきれいにまとまってないのにまとめてんじゃねーよって感じですよね。

正直航空業界から離れることは抵抗がなかったわけではありません。
でもそこに真に自分が求めるものはあるのだろうか?
他にもごまんとある会社、仕事、業界。
それらを見ずして、経験せずして、果たして自分は自分に、楽しいと本当に言えるだろうか?
そう考えた結果、導きだした答えですね。

今思うと、全てのキャリアや経験は、
他に自身が楽しめることや興味深く感じる好奇心と、
それに挑戦する冒険心
そんな自分自身と心を持ち続ける持続性
困難な事が起こっても何とかするしなんとかなるという楽観性
どんな時でも他の可能性や角度があると考えた柔軟性
これらを持っていたと気付きました。

おや?天才ですか?

本の宣伝です。(お金はもらってません)

そう、計画的必然性
この本を読んだ時に衝撃を受けました。

「おれのことやん!!」
なんてことは思ってないですが、確かにそうだ、共通してる、という風に。

これからもこの5つの要素は持ち続けるでしょう。
冒険心、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性

今は株式会社グッド・クルーという会社で採用担当として勤務してますが、これはあくまで人生を豊かにする為のツール。

「安定的な安心を得る為に常にチャレンジし続ける。自分の人生を自分でコントロール出来るようになる為に。」

END

長文の後拝読ありがとうございました!

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