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メコンデルタの街 ベンチェーへ小旅行してみた


先日、ベトナム南部にあるメコン川流域の街「ベンチェー(Ben Tre)」に、1泊2日のショートトリップをしてきました。

旅先としては、少々マニアックな地方ですが、メコンデルタののどかな自然に囲まれながら地元グルメを楽しむ。そんなローカル旅ならではの体験が楽しめます。

どなたかの役に立つか分かりませんが、情報をシェアしたいと思います。

ちなみに、上のタイトル画像は
ベンチェーの特産物であるココナッツの山です。


ベンチェーってどこ?

ベンチェー(Bến Tre)は、
ベトナム南部の商業都市・ホーチミン市から南西に約85キロ、車で約2時間ほどの場所にある、メコンデルタ地方の街。

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ツアーの定番である「メコン川クルーズ」で訪れる街「ミトー(My Tho)」から、メコン川を挟んだ対岸に位置し、特にココナッツの産地として知られています。

ベトナム戦争時には枯葉剤の被害を受けたエリアですが、現在はココナッツをはじめ、バナナやマンゴーなどのフルーツを主とした農業が盛ん。淡水魚やエビなどの魚介も多く獲れる地域です。

メコンデルタ地方を形成する省は13省あり、そのうちの1つである「ベンチェー省(Tinh Ben Tre)」は、人口約127万人(2019年国勢予備調査)の規模。日本でいう岩手や長崎県くらいの人口規模で、省都である「ベンチェー市(TP. Ben Tre)」には約13万人が暮らしています。

↓余談ですが、今回の目的地をベンチェーに決めた理由です。

2021年の旧正月前に、ベトナム国内での新型コロナ感染が再燃。そのため「旧正月の連休は、公共交通機関を使わずに行ける近場にしよう。」ということで、よさそうなホテルがあったベンチェーに決定。バイクで行く予定だったのですが、ベトナム政府のしびれるほどのコロナ対策で、省をまたぐ移動が難しくなり、断念しました。
そこから3ヶ月ほど経った今回、GWを利用して前回キャンセルしたホテルにリベンジしました。


アクセス

・所要時間

ホーチミン市からベンチェー市街までは、車で約2時間
今回はバイクで行ったので、約2時間半かかりました。
(郊外にあるホテルまでは、ベンチェー市街からさらに30分ほどかかっています。)


・アクセス方法

今回はバイク旅でしたが、通常はローカルバスもしくはチャーターカーを利用するの方法が一般的です。

下記に、それぞれの方法や費用をまとめました。


■ ローカルバスを利用する場合
所要時間/約2時間半

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〈方法01〉
ホーチミン市南西部にある「ミエンタイバスターミナル(Ben Xe Mien Tay)※MAP」に行き、「FUTABUS」の名で知られるローカルバス会社「フオンチャン(Phuong Trang)」のカウンターで、ベンチェー行きのチケットを購入し、乗車。
※オレンジ色のカンパニーカラーが目印です。


〈方法02〉
ホーチミン市5区にある「FUTABUSのオフィス(住/231-233 Le Hong Phong, Q.5, HCMC)※MAP」に行き、チケットを購入し、乗車。


〈方法03〉
「FUTABUS」の公式HP(https://futabus.vn)からWeb予約(英語orベトナム語)。

日時や座席指定をして予約すると、乗り場(上記方法01のバスターミナルか、方法02のオフィスのいずれか)の住所・料金が表示されます。
当日は指定された乗り場に行き、カウンターで予約画面を見せて発券し、乗車します。

※ 連休など混み合う時期はWebなどでの事前予約がおすすめです。

※ たとえば、カントー(Can Tho)やサデック(Sa Dec)など、メコンデルタ方面に向かう場合、アクセス方法は上記01〜03と同じです。


・目的地 到着後

ベンチェーの「FUTABUS」ターミナルに到着後、一旦降車し「FUTABUS」のミニバンに乗り換えます。ミニバンで各ホテルまで届けてくれるので、ホテルの住所をドライバーに見せられるよう、メモや端末などで用意しておくとスムーズです。


・料金

バス代は、ホーチミン市からベンチェーまでで片道 7万〜8万VND(約400円)です。 ※ミニバンは利用者への無料サービス


・注意点

バスは、所要2.3時間程度の距離であれば、一般的な4列シートの車体。所要4時間を超えると靴を脱いで乗車する2段シートの寝台バスになることが多いです。
途中、道の駅のような休憩場所に立ち寄る場合は、必ず自分のバスの車体番号をカメラなどで控えておきましょう。到着場所と出発場所が異なる場合もあるので、バスを探すときに役立ちます。(アナウンスは基本ベトナム語)


■チャーターカーを利用する場合
所要時間/ホテルに要問い合わせ(およそ2時間)

旅行会社や宿泊するホテルで、車をチャーターする方法です。相談次第で途中休憩なども可能なので、子ども連れや寄り道したい人に便利かと思います。

※ たとえば、今回宿泊したホテルでプライベートカーを利用する場合
ホーチミン市からホテルまで
片道 150万VND(約7200円/4人乗りシート)。
予約時にリクエストして利用します。



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旅行記

★8:45
〈ホーチミン市から出発〉

日焼け止めを塗りたくって、いざ出発です。
先ほど、バイクで約2時間半と書いたのですが、実際は寄り道のしすぎで5時間ぐらいかかりました。

★10:10
〈タンアン市で休憩〉

ホーチミン市=ベンチェー間の中間地点に位置する、ロンアン(Long An)省「タンアン(Tan An)市」に到着。※ MAP

道端のカフェで、水分補給の休憩をします。

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タンアンの街は、川沿いの風景や

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レトロな映画館など、趣ある街でした。

★11:10
〈ミトーで昼食〉

ベンチェーの手前の街ミトーに到着。 ※ MAP
ミトーの名物料理の1つ「フーティウサテミトー(Hu Tiu Sa Te My Tho)」を食べに、ミトーの市街地に寄り道しました。

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今回、本場であるメコンデルタで必ずや食べたいと思っていたのが、コシのある米麺「フーティウ(Hu Tieu)」。

豚骨(やスルメ)でとった透明感ある出汁に歯ごたえのある細麺を合わせたフーティウは、ホーチミン市内のお店でも味わうことができます。

でも、せっかくメコンデルタに来たからには、地元のユニークなものを。
ということで、ミトー名物でもある濃厚サテスープのフーティウを食べることにしました。


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スパイスの効いたカレー風味のスープがフーティウによく合い、一気に完食。ミトーの特徴である、スターフルーツやバナナのトッピングも面白かったです。


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【Hu Tieu Sa Te My Tho(Chin Hoang)】
  206A Nam Ky Khoi Nghia, My Tho, Tien Giang


★12:30
〈ベンチェーで休憩〉

ミトーとベンチェーをつなぐ、ラックミエウ(Rach Mieu)橋を渡り、ベンチェー省に入りました。

橋の近くにあるレストラン「クエ ユア(Que Dua)」で休憩します。

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この曲線を描く竹の天井が、ベトナムの有名な建築家ヴォーチョンギア(Vo Trong Nghia)風で格好よく、素敵でした。


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周囲をメコン川と緑に囲まれ、レストラン内を風が通り抜ける心地よい空間。道中ということを忘れて、ついつい長居してしまいました。

今回は飲みものしかオーダーしていませんが、ココナッツ炒飯やココナッツサラダをはじめ、ベトナム料理も揃っています。(シェア用の大皿料理や鍋が中心です)


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メコン川沿いのグループ席も、リゾート感たっぷり。
少し休憩したら、ここからは真っ直ぐホテルに向かいます。


↓ レストランの情報
【Que Dua(Lang am thuc sinh thai Que Dua)】
   Ap 6B An Khanh, Chau Thanh, Ben Tre


少し話は逸れますが、
レストランの対岸には、かつての新興宗教「ココナッツ教団(Dao Dua)」の遺構が残る「フン島(Con Phung)」が見えます。

「ココナッツのみを食べて暮らす」「世界の宗教の融合」など、奇天烈な信仰内容を持っていたココナッツ教。ベトナム戦争時には、政府の干渉を受けない独立組織として、駆け込み寺的な存在となり多くの信者を抱えていたそうです。現在は既に信者はおらず、寺院は廃墟のようになっています。


ホテル

★14:20
〈ホテルに到着〉

今回のホテルは、ベンチェーの中心地からバイクで約30分。多くのココナッツ農園がある「フォックロン(Phuoc Long)」村の中にあります。

ヤシの木に覆われた路地を抜けて、ついに今日の宿「メコンホーム(Mekong home)」に到着です。

【Mekong Home】
   Ap 9, Xa Phuoc Long, Huyen Giong Trom, Ben Tre
詳細  www.booking.com/mekong-home
MAP

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蚊帳付きのベッドやセメントタイルなど、ベンチェーでは珍しく(失礼)オシャレできれいなホテル。

照明や食器など、さまざまなところにココナッツが使われています。


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自然に囲まれたテラスやハンモックに揺られながらのんびり過ごすのも、贅沢です。

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出入り自由のプール。
ビーチサイドとはまたひと味違う、緑に囲われたプールも趣あります。

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今回は参加しませんでしたが、
ホテル発着のサンセットボートツアー(16:30〜/2時間程度)にも参加可能。1人30万VND(約1500円)で、メコンデルタのクルーズが楽しめます。


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こちらは、夕食会場の水上デッキ。
ヤシの木に囲まれたベンチェーらしい風景の中、お外ご飯が楽しめます。


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ホテルで使われている食器類は、ホーチミン市郊外の「ビンズン(Binh Duong)省」から仕入れた、アンティークのソンベー焼き。

素朴な質感がかわいく日本人にも人気で、ホーチミン市内日本のお店で購入することもできます。


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夕食は、ココナッツとエビのサラダや豚肉の煮込みなど、
地元の野菜を使ったベトナム家庭料理。(夕食は1人20万VND/約1000円)

予約後のやり取りで、アレルギーやリクエストなどの相談にも応じてくれます。

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夕食で出た、ベトナム版お好み焼き「バインセオ(Banh Xeo)」は、
さすがベンチェーというだけあって、ココナッツミルクがしっかり香る、おいしいバインセオでした。

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食後にロビーをうろついていたら貰えたココナッツゼリー

(1日目終了)


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翌日は、鶏🐓の鳴き声で起床。

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朝食は、「ミトー風フーティウ(Hu Tieu My Tho)」と「目玉焼きバインミー(Banh Mi Op La)」がメインのシンプルなバイキングです。

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揚げバナナ(Chuoi Chien)や豆のチェー(Che Dau trang)などのデザートのほか、フルーツや自家製レモングラスティー、ベトナムコーヒーもありました。

ホーチミンでトマトダレの「ミトー風フーティウ」を食べたことがあったので、てっきり「ミトー風」=「トマト味」かと思っていたのですが、ホテルの方曰く「ミトー風フーティウ(Hu Tieu My Tho)」は、カンボジアのプノンペンからメコンデルタに伝わったといわれる「南蛮フーティウ(Hu Tieu Nam Vang)と同じ」とのこと。

んー、フーティウの本場というだけあって、王道の南蛮も、サテも、トマトもあるってことでしょうか。。

また機会があったら、調べてみたいと思います。


ホテルでは、地元のココナッツ農家やローカル市場を巡る「サイクリングツアー(30万vnd/人)」を、午前中に開催。

それ以外にも、無料のレンタサイクルや釣り道具のレンタル(有料)などのアクティビティを用意しています。

ということで私たちも、レンタサイクルで威勢よく出かけたのですが、未舗装の道に迷い込み番犬たちに追いかけられて、「死ぬ!死ぬ!」と叫びながら汗だくで帰還。ハンモックに揺られてのんびりしました(安全が一番)


そんな休日もあっという間。
そろそろホテルをチェックアウトし、ホーチミン市に向けて出発です。

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↑ ベンチェー市街への道中には、ココナッツの山もちらほら。

途中、ベンチェー市街にあるベンチェー市場(Cho Ben Tre)に立ち寄ってみました。

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「メコンデルタには古い建物が多く残っている」と聞いたことがあるのですが、この市場も、年季の入ったレトロ書体の手描き看板が多く見応えがありました。

【Cho Ben Tre】
   Cho Phuong 3, Dai Lo Dong Khoi, Ben Tre
Map  https://goo.gl/maps/kg9xQtRPoBvgxsPw7

ホーチミン市内では見かけない巨大スーパーが、ベンチェー周辺の国道沿いに数店舗あり気になったので、また寄り道。

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この「GO!」というスーパーは、ベトナムでも多店舗展開しているタイ発のスーパー「BigC」のグループで、カントーやニャチャン、ビンフックなどに店舗があるそう。新しくきれいで品揃えも豊富でした。


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なにかベンチェーのものを自分みやげに。ということで、
ベンチェーのココナッツを使ったココナッツミルクを購入。約60円也

(ちなみにはい。ホーチミン市内でも買えました。だいたいのものはホーチミン市内にありますね笑)


そうこうしてるうちにお昼どきになったので、
ベンチェーで 〆のご飯を食べていくことにしました。

メコン川沿いだし、エビの養殖もあるし、
ベンチェーの魚介もおいしいかも。

ということで、Googleで高評価だった「ランチャイ・シーフード(Lang Chai Seafood)」へ。

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個室やプールもある大型店舗です。

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メニューから選ぶほか、生け簀から素材を選び、調理法を指定して調理してもらうこともできます。

たとえば、「この貝を焼いてネギ油かけて」とか、「この魚を生姜蒸しで」という感じで伝えるのですが、グラム売りで金額が分かりづらかったり、言語的にもハードルが高いので、メニューの中から選ぶのが簡単で安心。

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今回はメニューの中から、
「エビのココナッツ蒸し(300g)」「ハマグリの生姜蒸し」「イカのヌクマム揚げ」「カニスープ(2杯)」を頼み、ビール2本飲んで、、お会計 30万vnd(約1500円)以下と激安でした。

特においしかったのがクリーミーというかまろやかなエビ。そのほかも外れなくおいしかったです。


【Lang Chai Seafood】
   17A10 Dong Van Cong, Khu pho Binh Khoi, Ben Tre


帰りは大きな渋滞にはまることもなく、AEONに寄って夕方帰還。
天気がよく、道中でかなり焼けましたが、楽しい1泊2日旅行でした。

(おわり)

ホーチミン市から地方への旅行するときは、
バスや車でも以下を持参した方が安心かもしれません。
・日焼け止め、サングラス、帽子
・蚊よけグッズ
さらに、冷房対策にもなる
ストール or 羽織るものがあると便利です。

※ 本記事は2021年5月のブログを再編集しています。

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