宮原_画像

40代半ばにして初めて自分を好きになれたという男性の話から学んだこと

先日、近所のワークショップで面白い出会いがあった。

その会は、日常生活での疑問をシェアし気持ちの整理をすることが目的で、

定期的に開かれているが、お互いに個人的な話をするので、

初対面の相手とも打ち解けやすい。

この日も自分より一回り年上の男性の方と後で飲みに行き、

相手の終電まで小1時間語り合った。

どちらかと言うと相手のほうが僕に興味を持ってくれ、色々と質問してくれた。

生い立ちなど細かいことも聞かれたが、

感じの良いだったので全く悪い気はしなかった。

彼は40代半ばだというが、その人懐っこく明るい表情から、

それより5歳は若く見えた。

そこで一通り自己開示をした後、僕も気になって彼に色々聞いてみると、

なんと「(性格が)ひねくれていて一年前まで友達がいなかった」そうである。

よくよく話を聞くと、彼は壮絶な経験をしてきており、

うつになって仕事をやめたり何度か転職を経験したり、

最近の職場でも上司からモラハラのターゲットにされたという。

しかし、彼に変わるきっかけをくれたのもその上司だったらしい。

どういうことかというと、

彼は度々上司から仕事の責任を押し付けられ精神的に病んでしまった。

すると上司から、

「最近様子がおかしいから病院に行って来い」と、何の悪気もなく言われたという。

実際に病院で診てもらい薬を処方されたが、その効果が大きかったそうである。

具体的には、会社で嫌なことがあっても冷静に捉えられるようになり、

落ち込む度合いが軽くなったらしい。

これを聞いた時、副作用とプラシーボ効果の可能性も気になったが、

ともかく「それまでずーっと自分が大嫌いだったのに、この薬飲んで変われた」

という結果を得られたのは大きい。

それ以降、初めての場でも積極的に友達を作るようになり、

またご家庭での娘さんにも前より優しく接するようになったという。

僕は彼の話から、二つのことを学んだ。

一つ目は、40代という大人の年齢になっても、

人生を好転させられる成功例を一つ知ったことで、

自分にとっては励みになった。

仕事柄、高校生や大学生といった、自分より一回り年下の若者ばかり見ていて、

アラサーでも「若くない」と勝手に思い込んでいたのを自覚できた。

本当に薬の力だけで治ったか、誰でも治るものなのかは分からない。

病院へ行くように勧めてくれたのが、たまたま彼の上司だった。

どうやら彼と性格的には合わなかったようだし、

言動も完璧な人のそれではなかったようだ。

でも単純に、「うつっぽいから病院行けよ」などと

個人的なことを突っ込んでくれる人が身近にいて、

彼もその助言を聞き入れて行動したことが重要ではないか。

仮にもうつになって仕事をやめ、

人間関係をシャットアウトしていたら起こり得なかった出来事である。

仕事をして人と交流する機会があったことで、

たまたま毎日顔を合わせる他人の一人の言葉が、

結果的に彼の人生を好転させたといえよう。

そう考えたので、僕が勝手に教訓と捉えたもう一点は、

「人付き合いにおいて完璧な味方を求めない」ということだ。

僕たちは親友を求めてしまいがちだけど、

大人になって親友はなかなかできないし、子供の頃の親友も続かない。

完全な味方や大体いつも気が合う人なんてそういないけど、

多くの人と接しながら楽しい時間を共有して、

話す・話しかけられるほどの関係になれば、

会話や集団生活を行なっていく上で意図せず助けられることもあろう!

僕自身自分に自信が持てなかったり人間関係で悩んだ時期も長かったが、

特にいつも誰かが助けてくれた訳でも、

劇的に自分が変化・成長した経験があった訳でもない。

それでも、完璧に人格が優れている人や完璧に相性が合う人、

全く価値観を変えてしまうほど出来事じゃなくても、

日々その時その時楽しんで、

大体いつも向上心というか「変わりたい」思いを持って生きているから今の自分がある。

そして今の自分にも生活にもまあ満足していて、周囲への感謝の気持ちも湧く。

だから今が一番いいな!笑

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