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移民社会20の提案

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「移民社会20の提案」は移住連が2019年6月に発表した移民社会に向けた政策提言です。noteへの掲載にあたり、2021年10月に一部更新し、無料公開しました。 移住連は、これ…
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記事一覧

はじめに

 2019年4月、改定「出入国管理及び難民認定法(入管法)」等が施行され、在留資格「特定技能…

01 「移民はここにいる」を前提にした政策を

 メイは、日本人と結婚しているタイ出身の女性です。来日して20年以上、タイの友達や故郷の家…

02 労働者として働き、生活できる社会を

 その電話は、日本年金事務センターからでした。電話に出た建設会社の総務職員は最初、問い合…

03 技能実習制度の廃止、技能実習生の保護と救済を

 カンボジアから技能実習生としてやってきたルンは、職場で毎日、恐怖に震えていました。日本…

04 定住する者としての権利を

 王詩涵は中国から技能実習生として来日し、3年間の契約で工場で働いていました。来日して数…

コラム1 そもそも移民はコントロールできるの?

 今回、在留資格「特定技能」の創設をめぐる国会審議で議論になったトピックの一つは、この在…

05 すべての子どもに 多様な教育を保障する

リリアナは、ブラジル出身の14歳の少女です。7歳で来日して、すぐに公立小学校に通いました。初めは日本語がまったくわからなかったリリアナでしたが、懸命に勉強したことで、日本人の友達がたくさんできました。中学生になると、日本語での日常会話で困ることはほとんどなくなりました。でも、学校の成績はまったく上がりませんでした。授業ではわからないことがありましたが、何がわからないのか、自分では見つけることができませんでした。そして気づいたら、授業がどんどんわからなくなっていました。いつの間

06 貧困の再生産を止めるために

「生活保護を受けている人は、ギャンブルに金を使うろくでもない人ばかりだ。だから、あんな制…

07 出身文化、継承文化も同じくらい大切なもの

 アロンソは9歳のとき、両親と一緒にペルーから来日し、日本の公立小学校に通い始めて1年が経…

08 誰もが健康で暮らせるために

 イラン人のハキームは、働くために日本にやってきましたが、オーバーステイとなってしまい、…

09 多様性を前提とした行政サービスを!

 ガーナ出身のコフィは、シングルファーザーです。結婚した日本人女性ユミとの間に、2人の子…

10 移民が投票に行く日

▶外国籍住民の「住民投票権」 2002年1月、滋賀県米原町は町村合併を問う住民投票条例を制定…

11 複数国籍の容認を

 高校3年生の阿香は日本生まれ、ずっと日本で暮らしています。両親は中国籍で、阿香も中国籍…

コラム2 ヨーロッパで移民受け入れは失敗したの?

「移民を受け入れた結果、失業率が高くなり、犯罪も増えて、テロまで起きるようになったではないか。つまりヨーロッパでは移民受け入れに失敗したのだから、日本も受け入れるべきではないのだ」という主張があります。そうなのでしょうか?  確かにフランスの場合、移民は失業率が高く、貧困層に集中しがちです。貧困が犯罪の要因になるのも事実であり、結果として移民の犯罪率が高いのも事実です。全人口における外国人の比率は約6%ですが、投獄されている人の約20%は外国人です。  しかし、外国人のほ