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【書評】茂木健一郎:生きて死ぬ私

今回は,脳科学者として,有名な茂木健一郎氏の本を紹介します.
この本では,この本が書かれた当時における,生死と,それに対する脳の関わりを示しています.

□紹介する本

生きて死ぬ私
著:茂木健一郎

□目的

これは単なる私の趣味による読書である。
死とは何か。生きるとは何か。
そんな哲学を考えて浸ってみたい。

□キーワード

・ネオフィリア
→人間は常に新しいことを求めている。
・コンピテンス
→環境と有効に相互作用しながら学んでいく能力のこと。
具体的なある特定の能力を指す言葉ではない。
新しいことを学んでいく学習能力を表す言葉である。

・ある研究対象が社会的にどのような評価を受けているかということは、
その研究をすべきかどうかという判断とは独立させておいたほうが良い。

・体外離脱に関する考え方
→悟りを開いたことに相当。
→悟りを開くというのは、すべてが理解した気がするということ。
→つまり、人間の好奇心がすべて満たされた状態である。
→人間はその好奇心を最大に満たされたとき、それは死を意味するのかもしれない。
→ブロードの制限バルブ説がある。
これは
(全時空間)ー(今自分が見ている空間以外の全時空間)
=(自分が認識している時空間)
という考え方である。
しかし、この理論では、体外離脱体験者は一瞬のうちに(全時空間)を理解することができるはずだが、その体験内容は、どこかの視点から、観測した時空間に過ぎなかったため、この説が本当に正しいかどうかは不明。
しかしながら、このように、様々な視点から物事を考えて要因を突き止めていくのは非常に大切。

□考えたこと

私たち人間がなぜ、このように触覚や聴覚、視覚などの体験を実感できるか、
それらクオリアを原理から探っているのが茂木先生なのだとわかった。

脳はぶよぶよしたただの塊だが、
その中に、人間の計り知れない、高度な電気回路(ニューラルネット)、
ましては、化学回路?、量子回路?と呼べるような仕組みまで備わっており、
それらが複雑に寄与することで、
我々に様々な体験・感情をもたらすという不思議なものである。

#読了日
17/09/03

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