6.星を見る(米川さんの絵本)
一晩中夜が明けるまで星を見ていた。
もっと星と話したくて、より高いところで
布団を敷いてシュラフから顔だして。
あの星座のあの星の国へ自由に飛んで行ってしまう。
私の大好きな星の国の物語。
星が山かげに消えるまで、長い楽しい時間が夜明けまで続く。
一度見てごらん。
星が一杯で賑やか。
解説
山では夜になると星をみて、星を見ながら火をたいて、キャンプの人達が星を見ながら寝るとか、テントから顔をだすとか。
25~26の若い独身だった頃の話です。
最初に星を見たのは温かいハイマツの中、でもハイマツの中では視野が狭くて大空が見えにくいのです。
そこで小屋の屋根に上りました。ただ屋根の上はとても寒く、布団を敷いて寝袋(シュラフ)にもぐって顔だけだして大空を見上げてました。
(5.屋根の上の星見のお話をご覧ください)
でも、私の小屋は谷間にあるのでまだ星空を見るのには物足りません。
そこで最後は、小屋の前の黒百合平のスリバチ池の傍らの岩の高台に場所を移しました。
その高台は遠くの東の山脈から西の山脈までよく見えるのです。
山の上でも場所によって街の灯は見えてしまい眩しいのですが、深い山では里が見えません。星を見るには岩の高台は特等席でした。
山の人達って星を見るのが好きな人多いと思います。
何か誘われるものがあるのです。星にまつわる話とか。
星の話って世界中ありますよね、星占いとか、お祈りするとか。
岩の高台でひとり星の国に行ってみたり、夢がとんでいったり。
ひとりで一晩中見ていても飽きませんでした。
満天の星、星が昇っていくのも沈むのも見えます。星を見たい時はいつもひとり布団とシュラフを背負って高台に登っていました。
そのうちに、山小屋に泊まりに来ている人達が夜になると私が布団持ってシュラフ持って何処かにでかけるのを見て、いったい何処に行くのだろう?と不思議がりだしまして。
そして私がひとりで星を見ている事を皆が知るようになると、一緒に行きたいと言う人達が出てきました。そこでよく晴れた日は星空観察をする事にしたのです。みんな布団とシュラフを各自が持って、夜明けまでシュラフから顔だけだして。
全員、星博士になったようにはしゃいでました。
追記
米川啓子さんは、寝ていた時窓からものすごい数の流れ星を見てびっくりした事がありました。山を下り流星群の事を後日知ったそうですが、忘れられない星空の出来事だったそうです。
スリバチ池傍らの岩の高台について
質問:夜、高台には動物はこなかったのですか?
正利さん:高台には夜は動物はこないのです。
質問:どうしてなのですか?
正利さん:どうしてでしょうね、不思議ですね。
動物たちの住む所は別なのです。森の中とか水飲み場とか。
だから本当に静かでひとりで星を一晩中見て、あの星はどんな国なんだろうと星の国に旅行しに行ってました。
質問:ロマンチックですね。
正利さん啓子さん:山に登る人は皆ロマンチストです。
豆知識
春の星座しし座、おとめ座、おおくま座、こぐま座、牛飼い座
夏の星座
こと座、わし座、はくちょうざ座、てんびん座、さそり座、いて座、りゅう座
秋の星座
ペガサス座、みずがめ座、やぎ座、うお座、カシオペヤ座、アンドロメダス座、おひつじ座、クジラ座
冬の星座
イッカクじゅう座,うさぎ座、おうし座、おおいぬ座,オリオン座、ぎょしゃ座、キリン座
まだまだ一杯あるよ。
おはなし絵:Yonekawa Masatoshi
共著:Yonekawa Keiko , Saitou
※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載中です
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