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ファンドレイジングチームをつくる時におさえてもらいたい4つのこと

NPOの伴走支援をしていて、最近増えているのが、

ファンドレイジングをチームでしたいが、なかなかメンバーに考え方が浸透しないので、そこを伴走支援してほしい。

というご要望です。

ファンドレイジングは既存の資金提供者から継続的に頂く分には、担当者を配置してある意味定型的な作業をしてもらえたら、ある程度できます。

しかし、新規の資金提供者の獲得は、定型的な作業はそんなにありませんから、担当者を配置してもあまり成果がでません。

だからこそ、事業を担っている職員さんやプロボノなど多様な人と共にチームでファンドレイジングをするしかないのです。

ということでチームをつくってやっているけど、あまり成果が出ない・・・そうしたお悩みも聞こえてくるようになりました。

そこで、チームワークでファンドレイジングで成果を出すにはどうしたらいいのか、書籍「チームワークの心理学」から学んでいきたいと思います。

見せかけのチームではファンドレイジングはできない

本書では冒頭、医療におけるチームワークと患者の死亡率調査の結果を紹介しています。

「チームで働いていますか?」という質問に対してはたいていどの年もほぼ90%のスタッフが「はい」と回答します。

(中略)この調査では、スタッフがチームで働いていることの指標として、さらに以下の3つの質問をしています。

「あなたのチームは明確な目標を持っていますか?」

「その目標を達成するため密な協働をしていますか?」

「自分たちのパフォーマンスと、それをどのように向上させるかについて見直す機会を定期的に持っていますか?」

です。この3つの質問は、チームワークの基本中の基本と言えることに触れています。それは、目的を共有すること、相互に頼り合うこと、振り返りのミーティングを設けることです。

3つのうち1つ以上の質問に「いいえ」と回答したスタッフは、「見せかけのチーム」に所属しています(約50%)。3つすべてに「はい」と回答したスタッフは、「真のチーム」で働いています(約40%)。

したがって、3群が存在することになります。チームで働いていない人、チームで働いている人、そして見せかけのチームで働いている人です。

チームワークの心理学
P18から抜粋

ここまで読むと、

はいはい、よくあるチームワークを推したいってことでしょ?耳タコだわ。

と思われる方もいるかもしれません。しかし、以下続きます。

病院やその他の医療期間に見せかけのチームで働くスタッフの割合が増えるほど、仕事中のスタッフの怪我(たいていは針や、運搬、転倒によるもの)や、患者やスタッフに害を及ぼすようなミス、患者本人やその介護者、親類、友人からの暴力的な非難、さらには脅しや嫌がらせやそしりが増加します。

(中略)真のチームが多ければ多いほど、患者の死亡率は減少します。一方、見せかけのチームが多いと、それだけで死亡率が増加します。

チームワークの心理学
P18から抜粋

チームワークができていないことは、その団体にとって実害に直結します。つまり、複数人集めてファンドレイジングをしても「見せかけのチーム」では、うまくいくことはないということです。

ファンドレイジングチームづくりのための4つのこと

それでは、結果や成果がでるファンドレイジングチームをつくるには何をしたらいいのでしょうか。

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